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ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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怪兵と亜美 第3弾

お詫び

この小説ですが、実は少し前に最後まで書き上げたつもりでした。
また、この続編も書き始めた文章もありますし、以前お話しました「時代劇 亜美と怪兵」にも登場人物をそのまま出演させたいと思っていました。

今回、再度この「怪兵と亜美 第3弾」を読み直すうちに、物語を少し変え、というか挿入を作り、登場人物を増やしたいと思うようになりました。

書きたい構想はあるのですが、書く暇がありません。
執筆に集中も出来にくい状況でもあります。

掲載と掲載の間隔が間延びして時間稼ぎをすることもあるかもしれません。
途中にしばらく中断になるかもしれません。

どうか中断しても気長にお待ちいただければ本当にありがたいです。
何卒ご理解ください。
なお、挿入部分の登場人物は、「告白 平山宏彦」で登場した山崎三枝子と江上真希です。
男性DID小説で読むのに難色を示された方も多いと思いますが、この山崎三枝子と江上真希は、今後も登場します。
時代劇では同じ女優さんが演じると思ってください。
ですから容姿、キャラクターだけでも読み返していただき、皆様の脳内でイメージを作っていただければと思います。
何卒宜しくお願いします。

US様、優子ファン様、黒い羊様、鼻猿好男様、投稿小説お待ちしています。
猿轡川柳がお好きな読者様も作品をいただければ掲載致しますので、お一つ投稿いかがですか?





怪兵と亜美 第3弾

7章

亜美は、庄次の自宅に忍び込んだ時、彼が複数の名前を使い分けていることを知りました。
そして、緊縛画家での名前が「盆土栄二」と知って何か引っかかるものがありました。
どこかで見た名前だと。
亜美の脳内に記憶されている膨大な名前の中にある名前なのですが、すぐには思い出せません。
でも聞き覚えのある名前であることは間違いないのです。

日本の雑誌などを亜美はほとんど読みませんし、挿絵の作者の名前になんか興味もありません。
でも、どこかで見たペンネームなのです。
おそらくネット上のDID関連サイトだと思うのです。

ある日、亜美は何気に怪兵に尋ねました。
「怪兵さんは、もちろん盆土栄二なんて名前知らないわよね?」
亜美が独り言のようにつぶやいたのがきっかけでした。

びっくりしたのは怪兵の方です。
盆土栄二となら何度かメールをしたことがあったからです。

「え??亜美は何で盆土さんを?・・・・・ああ、確か一度ブログにコメントされたことがあったよね。・・・・それでかい?・・・」
「ええ???(びっくり)・・・・まさか知り合いなの?イラスト描く人よ?」
「イラスト?それじゃ別人だよ。・・・イラストなんか知らないよ。何でそんなこと聞くの?」
しかし、亜美にはピンとくるものがもちろんありました。
庄次も怪兵と同じ猿轡マニアのはず。
どこかで接点があっても不思議ではありません。
「その方、盆土栄二って漢字よね。いつからの知り合い。どこに住んでる人?」
「いいや!・・・・何度かメールで話したことがある程度だよ。ただそれだけ。仕事なんか知らないよ。」
「どんな話?」
「もちろん、好きなDIDの話だよ。」
「どんな人?」
「知らないよ。ただ、好きな女優の話とか好きな猿轡の話をしただけだよ。会ったこともないし。それに俺がDID関係の人間と絶対の会わないことは亜美知ってるだろ?
話したのもそれも随分昔の話だよ。そうだね、4年くらい前かな?」
「すぐにそのメールを読ませなさい!(ビシッ)」
有無を言わさず、亜美は怪兵のパソコンを開き、過去のメールを探し出し、メールを読みだしたのです。

「ねえ、怪兵さん?お願いがあるの?これから盆土さんにさりげなくメールして欲しいの。
文章は指示するわ!」
「??????」
「いいこと。何にも聞かずに言われた通りに・・・・ね! 一生のお願い。言うとおりにしてくれたらご褒美に私の身体に何でもさせてあげるわ。それじゃダメ?それから、令子さんと2人で思いっきり可愛がってあげるから。」
断ることなど出来ません。
亜美がこんな表情、こんな態度で怪兵におねだりするなんて初めてのことです。
どんなに腹が立つことがあっても、亜美が猫なで声で甘えてくると、絶対に負けてしまいます。
完全に亜美の手の平で転がされる愛奴の関係になっていたのです。




怪兵と亜美 第3弾

6章

亜美は、庄次が、婦人雑誌の挿絵の仕事で大阪に行く日を見計らって彼のアトリエに忍び込みました。
そして地下蔵からミッションであるイザベル女史の問題の絵を見つけたのです。

それは確かにイザベルの10年前の姿に間違いありませんでした。
イザベルの顔や身体の特徴が見事に表現された油絵で、猿轡を噛まされ顔が歪んでいてもその絵を見れば描かれている女性はイザベルが描かれていると判る絵なのです。
その絵は、庄次の他の絵同様に正座させられた絵です。
この絵はイザベルを真正面から描かれていました。

正座したイザベルは膝を少し開かされ、太ももの奥に黒い茂みまで描かれているのです。
一糸纏わぬ全裸で厳しく後ろ手亀甲縛りされています。
豊かな形の良い乳房に亀甲のロープが絡み、黒い乳首が勃起していたのです。
そして、口には結びコブの猿轡を頬が歪むように頑丈に噛まされ、超S女のイザベル女史が物凄い憤怒の眼光で睨み返しているのです。
まったく言葉が発せられないよう詰め物をしっかりと噛まされている状況がしっかりと表現されています。
縛めにもまったく隙が無く本物の緊縛であることがわかります。
心ならずも生け捕りにされ、手抜きなしの緊縛と汚れたブリーフの詰め物された本格的猿轡を噛まされ、屈辱的な正座ポーズを長時間強要されたのです。
床には黒いブラジャーと黒いショーツが脱ぎ捨てられています。
イザベルのものでしょう。
裸に剥かれた時の引きちぎられたようです。
イザベル女史の憤りが直接ビシビシ伝わってくる絵画です。
生け捕りにされた獲物が、完璧な緊縛猿轡を施されたことが伝わってきます。

確かにこれが世の中に暴露されては、イザベル・マルソーの政治生命は終わるだろう。
{イザベル御姐様も随分な目にお会いになったのね。クスクス」
あのサディスティックの塊りのようなイザベルがこんな仕打ちに会ったこと自体、亜美には可笑しかったのです。
超S女の彼女にとっては屈辱の緊縛猿轡だったと思います。

「絵を描かれた後は?・・・・・・」
あの時、亜美はついエージェントの性で、不躾な質問をしてしまったことを思い出しました。
イザベルは、「・・・・・そのことは聞かないで!亜美!・・・・思い出したくもないわ!」
庄次は、絵を描ききった後、イザベルを陵辱したのです。
超美貌の洗練されたパリジェンヌを陵辱したのです。
男としてさぞ本望だったことでしょう!
後に本人からの聴取で判ったことですが、庄次は後ろ手に縛ったまま、猿轡を噛ませたまま何度も陵辱し、その後猿轡一旦外し、イザベルの口を自由にして悪態を散々吐かせ、イザベルの罵声を聞きながら、その顔に射精し、その後また頑丈な猿轡を噛ませ直した後に時間を掛けて散々にいたぶるように陵辱し続けたようです。
イザベルにとっては耐え難き地獄のような時間だったことでしょう。

他の12枚の絵も確認しました。
世界各国で犯罪行為スレスレで描いてきたのでしょう。
色々な人種の色々な年齢の美人たちが怒った表情で描かれています。
モデルにこの表情を作らせるのはかなり高いハードルを越えなければ難しいと思います。
犯罪行為がかなりあるはずです。
彼自身、こんな絵を心行くまで描きたいはず。
でも、そんなモデルが見つからない。
お金で解決出来るモデルは中々琴線に触れないし、無理して描こうと思えば犯罪になってしまうはず。
モデル自身が、DIDという概念を理解していないと、演技では難しいのです。
DIDマニアでしかも、彼のストライクゾーンに女性であること。
中々普通では巡り合えません。琴線が触れ合わないと合意の上で絵が描けません。
そして庄次は、13人のモデルのことや絵を描いた毎日のこと、最後にレイプした際のモデルの表情などを詳細に克明にメモしていました。
A4版ノートにびっしりと記されたメモの分量もイザベルの分量が破格で、イザベルが一番の収穫であったと記されています。
彼自身は、モデルと合意の上で、同じ性癖を持ち、お互いを理解しあった関係で、心行くまで緊縛猿轡の絵を理想のポーズで描いてみたい。犯罪行為で時間を気にしながらの描写は疲れると記されています。

亜美は、この13枚の絵を見て、そして、日記を読んで、庄次の整理方法を決めたのです。

フランスのイザベル女史は殺すことを望んでいるはず。
整理とは殺すことと同義語ですから。

庄次の居場所を突き止めたのです。
この13枚を強奪して、イザベル女史の御望みどおり整理することが一番手っ取り早い仕事です。

でも、亜美には違う思惑があったのです。
亜美は庄次が金の成る木にしたかったのです。
つまり贋作をたっぷりと描かせる。
気難しい庄次は、世界中の画商が大金を積んで贋作製作を依頼しても、気が乗らない時は決して贋作製作をしないのです。
名画の贋作作りに関しては世界ナンバー1の腕だと業界では評判なのです。
世界中の画商たちが庄次を持て余しました。
庄次は、魂のDID画を描くことだけが本懐であり、その他の製作はすべて食い扶持を得るためのものなのです。

この稀代の贋作師を掌中に入れて気持ち良く働かせるには?
亜美はこの一点にのみ考えを集中させてきたのです。
庄次の居場所を突き止めてから、長い時間、泳がせたのもその方法を探る為だったのです。

そして、亜美はあることを突き止めたのです。
それは、庄次の母親が私の会社で働いていたことと同じくらい奇跡的な幸運だったのです。

何と庄次・カノと裏窓怪兵は過去にメールで会話したことがあったのです。





怪兵と亜美 第3弾

5章

庄次・カノン。48歳。独身。
庄次は、木更津の郊外に小さなアトリエ兼住居を構え、イラストを描いたり、婦人雑誌のさし絵を描いたりして生計を立てていたのです。
男一人生きていくには、それで十分な稼ぎにはなったのです。

彼の描くイラストや挿絵は描写が実に細やかで出版社の間では事のほか評判が良いようです。
もちろんそんなイラストレーターが何故、フランスに住むイザベル女史の調査の網に引っ掛からなかったかというと、それはペンネームが「盆土栄二 ぼんどえいじ」という名前で描いていたからです。
しかし、彼自身、本業のイラストや挿絵は、所詮食い扶持を稼ぐためだけのものであり、彼自身が魂を揺さぶるような本当に描きたい絵は別にあったのです。
それこそが、彼自身「魂の絵」という女性DID絵なのです。
本格的な油絵で、描かれる女性の姿勢も彼の脳内ではきちんと決まっています。
実はそれこそが、イザベル女史を描いた緊縛絵そのものなのです。
決して売り物にはせず、他人に見せることもない。
庄次自身の宝物そのものなのです。
実は、これまでに世界中で13人の女性を描いてきていました。
この13人の姿こそ、庄次にとっては珠玉の宝物です。
すべて自宅アトリエの地下室に秘蔵されているのでした。

これはどんな女性がモデルでいいわけでは決してありません。
庄次自身の魂の琴線に触れなければ絶対に描かないのです。
それはお金を積めば描けるものではないのです。
描くには、というか描けるには沢山の条件が揃わないと描けないのでした。
まずは、庄次自身の好みの女性であることもちろんのことですが、
年齢とか容姿だけの問題ではありません。
どんなに若くて美人であっても庄次自身の心の琴線に触れない女性であればモデルにはなれないのです。
例え50歳のおばさんであっても、庄次自身が心が動けばそれでいいのです。
顔立ち、体型、仕草、表情、言葉使い、知性、教養etc。
彼独自の基準があって、言葉で表現するのは難しいのですが、同好のマニアであれば、ご理解頂けるのではないでしょうか!
庄次自身の魂を揺さぶる女性のみがモデルに選ばれるのです。


そして一番の問題点は、油絵であるため、庄次自身がモデルに対して長時間同じ姿勢を要求することでした。
これが一番の問題点なのです。
これまでモデルになった13人の女性の姿勢は皆同じです。
それは全員は後ろ手緊縛であり、正座させられているのです。
ある時は全裸、ある時はランジェリー姿の違いはありますが、全員、結び玉を作った布の猿轡を頑丈に噛まされ、カッと眼を見開いているのです。
背筋をピンと伸ばした正座姿で、長時間、油絵のモデルなど簡単なことではありません。
少々のお金を積んでも、普通のモデルは音をあげてしまうのです。
これだけの条件を揃えようと思えば、イザベル女史にしたように犯罪行為で女性を拘束し、脅迫しながら描く以外に中々実現しないのです。
画家にとってはリスクがある非常に危険なことなのです。

やはり安全を考えれば、非常に高額なモデル料を払うかしかないのです。
しかし残念なことに、お金を払ってモデルを募集しても、中々、今度は庄次の琴線は触れるモデルには出会えません。
彼のイメージの中にある女性の表情が何か違うのです。

それでもイメージ通りのモデルを求めて、モデル料を稼ぐために、その費用を捻出するためにだけ、これまで何作か名画の贋作を手掛けたのです。
そうやって大金を稼ぐしかなかったのです。
庄次自身は金銭にはまったく執着が無く、恬淡であります。
ただ、魂の絵を描くためにのみ執着する人間なのです。
贋作作りは決して庄次にとって楽しいものではありません。
庄次が描いた名画贋作が数点しかないのはこんな理由だったのです。



怪兵と亜美 第3弾

4章

世界中から一人の男を誰の力も借りずに探し出す。
広大な砂丘から一粒のダイヤモンドを探し出すような仕事の為に、亜美が降り立ったのはやはり東京でした。
亜美はこれまでにも何度も東京でミッションを果たしてきました。
東京は、極東支部のテリトリーなのです。
ミッションのため、何年も東京に住んだこともあります。
ある意味、ホームタウンの土地であり、土地勘は備わっています。

庄次カノン。それに母親の名前は狩野恭子。
手がかりはこれだけです。
亜美は何故か、庄次カノンはこの日本に居ると狙いを付けていました。
これは、エージェントしての勘です。
そして、日本中の役所を探し回り、狩野恭子という同じ名前の女性を探し回ったのです。
リストから消去に消去を重ねて、ついにこれはと思う女性にたどりついたのです。
その狩野恭子は、東京の下町に一人で暮らしていました。今年68歳。
50歳の息子がいても不思議ではありません。

食品工場のパートタイマーとして今も働いていました。
彼女が、100%庄次の母親であるのか?
今でも息子と連絡を取り合っているのかは不明ですが、他に手がかりはありません。
狩野恭子を見張るしか差しあたって手段はありませんでした。
彼女の家は2階建てのアパートの2階。
小さな間取りの部屋です。
近所の人の話では、引っ越してきたのは5年前。
訪ねる人も少ないようです。

亜美は早速、彼女の留守中に忍び込み、手がかりを探しました。
部屋には、西洋人らしい男性と小さな子供を抱いた女性の写真がありました。
若い女性の顔は、間違いなく若かりし頃の狩野恭子です。
この幼子が、やはり庄次だと直感しました。
これもエージェントの勘ですが、確証はありません。
でも、手がかりはそれだけです。
余りにも所持品が少ないのです。
この写真だけが宝物なのでしょう。
亜美は、部屋に盗聴器を仕掛け、観察を始めました。

そして、同じアパートの同じフロアに部屋を借り、同じ食品工場にパートとして働き始めたのです。
実は、その食品工場こそ、裏窓怪兵が経営する工場そのものだったのです。
天文学的な奇跡と言ってよいでしょう。
探し求めている人物の母親が働く職場が、自分の祖母と28年前に因縁を持った人間が経営する会社だったとは。
亜美自身も、後でそのことを知りびっくりだったのです。

亜美は職場では変装し、同じアパートの住人が、同じ職場の人間と判らないように細心の注意をして、狩野恭子を見張り続けました。
しかしいつまでたっても、息子・庄次が母親と連絡を取る気配はありません。
狩野恭子には姉と妹が近くに暮らしているらしく、頻繁に姉妹は行き来しているようです。

亜美は、次の手を打つことに決めました。
亜美は、ある日、狩野恭子の昼食にあるクスリを入れたのです。
狩野恭子が病気になれば、親戚が集まることを期待したのです。

そのクスリは、急に呼吸が苦しくなり、意識が朦朧となるクスリです。
まるで危篤状態のような瀕死の重体に陥ったように見えますが、命に別状はありません。
フランス諜報部のエージェントが用いる特殊なクスリなのです。
そのクスリを会社の食堂で、狩野恭子に用いたのです。
危篤状態になり、救急車で狩野恭子は近くにある総合病院に搬送されました。
亜美は、仕事を休み、病院のロビーで、見舞客を見張り続けたのです。
そして翌日、年の頃は50歳前後のハーフらしい男が現れたのです。
その容姿、髪型から、亜美はその男こそ、探し求めていた庄次・カノンだと直感しました。
イザベルから聞いた容姿にピッタリです。
亜美は、早速、男を尾行しました。
彼は木更津に住んでいたのです。
郊外に小さなアトリエを構えていました。
本当に小さなアトリエで、住居兼用のようです。

亜美は、来日以来、信用出来そうな探偵会社をこの間ずっと調べていました。
そして、東京のDAMSEL探偵社が最も信頼できるし、仕事も確実と結論付けていました。
その探偵社を使うときが来たのです。
費用は嵩みますが、問題ありません。
ミッションを成功させた後のことを考えればいくらでも投資出来ます。
1000万の前金を渡し、24時間体制で絶対に庄次本人に気付かれないよう監視してもらったのです。
こうして、亜美はついに庄次・カノンを自分の射程圏に補足したのです。




怪兵と亜美 第3弾

第3章

イザベルはそこまで言うと、机から一枚のファイルを取り出したのです。
そこには、「フランス情報部の魔女」と恐れられているイザベルを捕らえ縛った男の事が書かれていたのです。
ただ、そのファイルは、イザベル自身が自筆で書いたものでした。
パソコンで書いたものではなく、直筆です。
パソコンのメモリーにすら内容が残るのを嫌ったのです。
つまり、イザベルはこの事実を誰にもしゃべらず、誰にも依頼せず、自分の胸の中に仕舞っていたのです。
「ここに、その男のことを書いているわ。これは、私自身がこの10年一人で調査したことよ。絶対に他人には知られたくないの。亜美。あなただから話すのよ。」

男の名前は、庄次・カノン。
父がフランス人、母が日本人のハーフ。日本とフランスの二重国籍。
年齢は今年50歳のはず。職業は一応画家。
身長170センチ、中肉中背。
そして、フランス印象派の贋作を作らせれば、おそらく歴史上ナンバーワンの腕を持つほどの模写の名手。将に贋作画家の究極。
ただし、気が向いた場合しか贋作は描かず、その作品はこれまで数作程度。
普段は、イラストを描いたり、婦人画を描き雑誌に載せ、小銭を稼いでいるらしい。
ただし、プライベートで女性の緊縛画を描く趣味有り。
ただし、そのプライベートで描く緊縛画は決して売らず、誰にも見せず、隠し持っているらしい。
イザベルを描いた問題の絵は、プライベート作品らしいのです。

庄次・カノンが、今現在、世界のどこに居るかは不明。
ただし、イザベルの緊縛絵を描いた直後に、日本に向け出国した履歴までは掴んでいる。
父親は早くに他界。
父親の名前はジャン・カノン。
母親は日本に生存していると思われるが、詳細は不明。
母親の名前は、狩野恭子。

イザベルが見せたファイルにはこれだけが記され、顔写真もなく、現在の所在地も不明だったのです。
「これだけしか情報はないわ。・・・・でも、お願い。この男を世界中から見つけ出し、絵を秘かに処分して欲しいの。・・・・・・あなたにしか頼めないの。・・・・・・・大した報酬は払えないわ。でも、生涯の汚点なのよ。もし、ミッションを果たしてくれたら、あなたを生涯自由の身にさせるわ。それから、世界中で何をやってもフランス政府の力をして、必ずもみ消してあげるわ。・・・・ねえ、お願い。助けて。これがスキャンダルになる夢を毎晩見るのよ。・・・・あの忌々しい恥ずかしい絵が世間に知れたら・・・・私はお終いなのよ。大統領になれなくなるわ」
「生涯自由って、エージェントを辞めてもいいと・・・・・」
「ええ、そして、民間人になっても出来うる限り援助するわ。約束するわ。フランス情報局のトップになって、ううん、フランス大統領になって亜美を一生守ってあげるわ。ねえ、助けて。・・・・亜美にしか信頼して頼めないのよ」
亜美は、イザベルが「約束」については信用出来る人間であること熟知していました。
彼女がこれほどまでに言うのです。
間違いなく約束は履行されるはずです。

「わかりました。御姐様は、私をここまで育てて頂いた命の恩人です。御姐様に見いだされなかったら・・・・・・それで、男の処分は?」
「もちろん、整理してもらわなければ困るわ。整理方法はあなたに任せるわ。・・・・とにかく脅威を排除して欲しいの。」
「それでお時間は?・・・・・一人で世界中から男を探すとなると、・・・」
「出来るだけ早く、3年がリミットだわ・・・3年以内に男と絵を処分して欲しいの」


亜美は、こうして単身、母の祖国・日本に帰ってきたのです。
何の手がかりもなく、探す相手が日本に居るのか それすら判らずに。
誰にも相談せず、力も借りず、たった一人で世界中から男を探し出すために。
それで、亜美は日本に来たのです。

亜美の父親は、フランス人と中国人のハーフ。(この中国人が、怪兵が死に水を取ったリン・チーリン)
母は白系ロシア人の血が入ったクウォーターでした。
つまり、3/8は西洋人の血が入っているのです。
ただ全員、すでに他界しており、兄妹もなく、亜美自身は天涯孤独な身の上です。
亜美自身はこの雲を掴むようなミッションを引き受けたのです。
自由になり、画商になるという夢を叶えるために。

怪兵と亜美 第3弾

第2章

「亜美、実はあなただけにお話ししたいことがあるの。絶対に他言無用よ。知っての通り、私は、必ず諜報部のトップになるわ。・・・・そこで力をつけて、・・・・それからその後に国民議会に立候補するつもりよ。・・・・・」
「ええ、そのことは以前から何度も・・・・・」
イザベルの野心は、最終的にフランス初の女性大統領にまでのし上がることなのです。
「でも、その前にどうしてもこの世から抹殺しておかなければならない過去があるのよ。
・・・・・・あなたを信頼して話すのよ。・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

イザベルは何度も逡巡する表情を浮かべた後、意を決して話だしたのです。
「実はね。10年前に私、お金である男を買ったのよ・・・・・いきつけのSMクラブでね。従順な東洋人のM男だという触れ込みだったのよ。自宅でしばらく飼ってみようと・・・」
「部長が男性を???・・・・・」
イザベルの「愛人」は女性一筋だったはずです。
男性とは、性交渉もSMプレイも関心がないものと亜美は思っていたのです。
それが「男の愛人???」。

「ええ、仕事に疲れていて・・・ちょっとした出来心だったのよ。自宅で縛ってから檻に入れて飼ったのよ・・・・・ほんとちょっとした気の迷いだったの。すぐに退屈したわ。・・・・手放そうと考えていた矢先だったのよ・・・・それが・・・・ある時、檻を破られて・・・・・」
「それから、どうなさったのです??・・・・」
「・・・・このことは誰にもしゃべったことがないのよ。・・・・・・・・・・・でも・・・思い切って言うわ。・・・・(逡巡)・・・・実はその男に縛られて逆に監禁されたのよ・・・・(また長い沈黙)・・・・・・思い出すだけで忌々しいわ。・・・・一瞬の隙を突かれて、檻から逃げ出され、そして、その男は、私を縛り、その私の姿を絵に描いたのよ。」
「・・・・・(絶句)・・・絵を・・・・・・・どんな絵なのです?」
「思い出したくないような絵よ・・・・・・」
それから、イザベルは描かれた破廉恥な姿の絵の内容を説明したのです。
もちろん、何度も言葉を飲み込み、忌まわしい過去のことを逡巡しながらです。

全裸で緊縛され、口にはスカーフの結び玉の猿轡を頑丈に噛まされ、何時間も床に正座させられて絵を描かれたようなのです。
その当時、簡単に動画撮影なんかできなかった時代だったから救われたのかもしれません。
プライドの塊のようなイザベルにとっては、耐え難き屈辱だったことは容易に想像出来ます。
イザベルが見た絵は、本当に精緻なまるで写真のような緻密さで描かれた本格的な油絵で、
イザベルの顔の表情や、体の特徴を捉え、筋肉の盛り上がりまでも見事に描かれていたそうなのです。
そして、本当に屈辱だったのは、緊縛猿轡のまま何時間も同じ姿勢を強要され逆らうと不思議な力で体のツボを押すのだそうです。
ただそれだけのことで、体に激痛が走り、屈服する以外仕方なかったことなのです。
「あれは、東洋に伝わる指圧術だわ・・・・昔、何かの本で読んだことがあるわ・・・まるで魔法のように私の身体を支配したわ・・・・」

「それでは・・・・お姐様が猿轡を噛まされたの????・・・・(絶句)」
亜美はイザベルのことを時折「御姐様」と呼ぶのです。
そしてイザベルは、猿轡に異常な興奮を覚えるサディストであり、反対に猿轡を噛まされることがもっとも屈辱恥辱と感じる女性だったのです。
真の猿轡マニアであり、本物のS女だったのです。

「ええ・・・・・本当に思い出すだけで腹が立つわ。・・・この私が・・・・、この私がよ・・・・男に猿轡を噛まされるなんて・・・・・・・」
実はイザベルは男の履いていたブリーフをねじ込まれた後、結び玉を作った布の猿轡を頬が歪むほど厳しくねじり上げられたと告白したのです。

長い間、誰にもしゃべらずにイザベルは心の中であの屈辱を仕舞い込んでいたのです。
最初は語ることを逡巡したイザベルも一度話し出すと堰を切ったように一気に語りだしたのです。
相手が自身の性癖のすべてを知り尽くした亜美だったことも、そして亜美自身が聞き上手だったことも要因かもしれません。
「本当に私、思い出すとハラワタが煮えくりかえるわ・・・・・・あの男は、私を服のまま縛りあげたのよ。・・・・それからナイフで服を切り裂いていったのよ。私の羞恥心を楽しむように、スケベ心を剥き出しにして、卑猥な笑いで服を剥ぎ取っていったのよ。下着の色や、ガードルの趣味がババア臭いとか・・・・・ブラのセンスが野暮ったいとか(マジで怒った顔のイザベル)ちくしょう!!・・・・・・そして、「ほら、口惜しいだろ、もっと暴れろよ、身体をねじる姿が色っぽいぜ!とか」私こんなこと男に言われたことなかったわ・・・・・ホント口惜しくて、猿轡さえ噛まされていなかったら・・・・そしたら、「おおおお、怒ったのかい、怒った顔の猿轡顔は最高だぜ、その顔を絵に描いてやるよ。」とか言われて・・・・・この私があんな虫けらみたいな男に猿轡を噛まされるなんて・・・・それもあの男の薄汚れたブリーフなんて、もう最悪・・・・」
イザベルは当時の事を思い返し、また怒りが込み上げてきたようでガタガタと肩を震わせながら憤ったのでした。
「それで・・・お姐さまは・・・・その・・・・大丈夫だったのですか」
「・・・・・・・」
イザベルは今度こそ意を決して告白したのです。
「聞きたいことはわかっているわ・・・・・ええ、最後はレイプされたわ。身体中を汚らしい舌で舐められたわ。毛虫が這うような気持ち悪さで・・・・それから・・・・後ろ手に縛られ猿轡を噛まされたまま・・・・{犯されのよ}・・・・・」

そして、イザベルの性格はそのことを他人に知られるなんてことが絶対に許せるはずがないのです。
それにしても、モダンで洗練されたパリの美女とはいえ、この「鬼のイザベル フランス情報部の魔女」をレイプするなんて物凄いことをやってのけた男がいたものだと亜美は内心びっくりしていました。





怪兵と亜美 第3弾

林亜美の真実

怪兵と亜美の第3弾のスタートです。
長くなりますがお付き合いお願いします。

第1章

ここで、小説の本筋から少し脇道に逸れることにします。
林亜美登場以来、彼女って一体どんな人物なのか?
そんな疑問をお持ちの方も多いのではないか?と思います。
一人ですけど、ある読者から、そんなお尋ねも受けました。

彼女については、今後も謎に包んだまま、物語を続けることも考えましたが、
「ストーリーの背景が意味不明?」に思われてもいけません。
これはミステリー小説ではありません。謎を作ることは本意ではありませんから。
彼女の素性について、皆さんにのみお教えしようと思うのです。
怪兵はじめ他の登場人物もまだ知らないことばかりですから、あしからず(笑)

一体彼女って何者?
そうなんです。
実は彼女はフランス諜報部の人間だったのです。

話は、今から数年前に遡ります。
そこからお付き合い下さい。

皆さんは、フランス対外治安総局(DGSE)ってご存知ですか?
まあ、ひと言で言えば、アメリカのCIA、イギリスのMI-6に相当するフランスの諜報機関です。
そこの情報部部長、つまり事実上のナンバー2に就任したのが、42歳の女性キャリア・イザベル・マルソーです。
ソルボンヌ大学を首席で卒業した後、内務省に入り、エリート街道をひた走ってきました。
イザベルは、女優になっても可笑しくないくらいの美人パリジェンヌです。
魅惑的な顔立ちの上に、抜群のスタイルとファッションセンスがあり、パリの街を歩けば、周りから視線を総浴びになるほど魅力的な美人です。

そして42歳の異例の若さで、DGSEのナンバー2に就任したのです。
当然次期DGSEの長官の座が約束された地位です。
そんな彼女が、就任早々に極東支部のトップエージェントであり、フランスの北京大使館に勤務する林亜美(リン・ヤーメイ)を呼び寄せたのです。

このイザベルこそが、亜美がパリに居た頃の「パートナー」だったのです。
私生活のイザベルは超が付く一級品のサディストであり、亜美はこのイザベルから徹底的に責め抜かれ、仕込まれた女性なのです。
日本語、中国語、フランス語が堪能なソルボンヌ大学芸術学部の優等生だった20歳の亜美を、イザベルが見い出し、トップエージェントに仕立て、もっとも信頼出来る側近として手足のように働かせてきたのです。
亜美は中国人の祖父からカンフーをみっちりと仕込まれ、格闘技の資質があった彼女は、語学や頭脳、そしてスパイに必要な性格とあらゆる面でエージェントとして最高のタレントに成長していったのです。
亜美こそイザベルの公私に渡る子飼いのメス犬だったのです。
その亜美を北京から呼び寄せ、パリの自宅に招き、ある事実を打ち明けたのです。


怪兵と亜美 第3弾

皆さんからいただいていた小説もすべて掲載が終わりました。
次回から、私の小説を掲載していきます。
もちろん、掲載期間中も皆さんから文章は大募集中ですから、何なりとお願いします。

それでは、またまた「怪兵と亜美」の続編です。
しばらく時間が経っていますので、過去の物語をお忘れの方も多いのでは思いますので、
出来れば、過去の作品をちょっとだけ読み返していただければ思います。
「怪兵と亜美」というところに過去の作品は残っています。是非再読のほど、宜しくお願いします。
では次回より「怪兵と亜美」の第三弾をスタート致します。

前作までのストーリーを覚えておられる方。
再読完了の方は拍手お願いします(笑)

奇人四十面相緊縛の館 鉄仮面VS少年少女探偵団 第二幕:令嬢警視の巻

第九幕:猿轡っ子たちの大逆転劇!?

大ッ嫌いな蛇に迫られる恐怖のあまり、江戸川探偵団リーダー鴻池詩織嬢は本日三度目の失神です。幼くも女の子特有の色香を醸し出す詩織ちゃんの気絶貌はなかなか妖艶でした。轡玉が輝き、頬肉に食い込んだところが哀れさを醸し出します。細く綺麗な素足をちゃぷちゃぷと、失禁の滴が流れ落ちます。四十面相に捕まって以降、縛られっぱなしでお手洗いにもいかせてもらえないのですから、それも無理からぬこと。しかし、捕まりっぱなしなのは、傍らで繋がれている、桂子お姉様も一緒です。相変わらず蛇責めにさらされ、妖艶かつ憐憫な表情を浮かべながら、子供らしく拷問の恐怖に屈して、生理現象の欲求に負けてしまった詩織ちゃんを微かに羨まし気な瞳で見遣ります。下腹部をうねらせるように身悶え、まるで褌のようになったシルク地のパンティを陰部に食い込ませながら、排泄の欲求を堪えます。しかし、稀代の変態仮面はそんな乙女の願望にいち早く気が付いた様子で…。

「フフフ、可愛い警視さん。君もおしっこをしたいんだろう? 言いたくても言い出せないよねぇ、でもその轡玉を噛まされていなければ、君はそんな恥ずかしい台詞を止むにやまれず、そのお上品な御口から発していたのかもしれないねぇ」
「ンンッ、ンンンンッ!!」
言葉に誘発されたか、桂子はつま先立ちになって「もう堪忍してくださいッ」という表情で、四十面相に生理的欲求の許可を求めます。
「いいだろう、君をもっと長い時間捕えておくためには、少し要求を聞いてあげなくてはねぇ」
四十面相は、薫君を捕えてきた部下に命じます。
「江頭桂子の排泄を許すッ。お前が連れてゆくのだ。その代わり、後ろ手に縛りなおし、絶対に縄を解くな。そして…轡玉も外すな。…むふふ、貞操帯はお前が外せ。そして、放尿の間、その姿をしっかり監視しろッ」
なんと変態的な命令でしょうか。
「フフフ、桂子くん。我が部下に帝都警察の要人令嬢が、排泄を眺められるなんて最高じゃあないか。しかも、もう一つの欲求に濡れそぼった、もう一つの御口からも轡を取り出されるなんて滑稽だねぇ!!」
この男どこまで女の人をいたぶれば気が済むのでしょうか。

高手小手に縛られた純白パンティ一丁の桂子お姉様は、その縄尻を持たれたまま暗い廊下を歩かされます。ひたひたという素足の足音が妖しく廊下に溶け込んでいきます。歩を進めるたびに、卑猥な貞操帯が花豆をいたぶり、不覚にも貞淑な理性を喪失してしまいそうな快楽にハマりかける桂子。
「あがァ――ッ、あぁッ、あぁッ…」
轡玉を噛まされていなければ、もっと卑猥に喘いでしまっていたことは間違いありません。固く結びあわされた手首に荒縄が食い込む痛みも忘れ、コリコリに膨らんだ乳首を恥じらう事もせず、悶える桂子嬢。
(嗚呼、いや!! この後お手洗い場でわたくしは、この憎い四十面相の部下に、排せつするところを眺められるなんてぇ!! いいえ、そればかりか、乙女の大切な場所に埋められた物をこんな獣の手下に引き出されるなんて!! も、もう、死んだ方がましだわッ)
桂子お姉様は口内に感じる冷たく重い轡玉が無ければ、きっと自ら命を絶っていたことでしょう。ああ哀れ、桂子警視。怒りと欲求と悦楽に震える脚で排泄場にたどりついた、桂子嬢が観念しかかった様子で縄尻を持つ四十面相の配下を振り返ります。しかし、そこに立っていたのは、なんと。
「よく頑張ったね、桂君。でも帝都警察の大幹部令嬢が早々に捕まってしまうことはいただけないなぁ」
名探偵氏のご登場に、桂子はくぐもった驚愕の声を漏らすのでした。

正義の救出劇は二人の高校生コンビにももたらされました。二階堂警部はじめ、帝都警察の面々が四十面相を捕えに踏み込んだのです。
「もう逃げられないぞ、四十面相!!」
「うぬぅっ、またしても江戸川にしてやられたか!! だが憶えていろ!! 私はこれからも帝都を騒がし惑わし続けるぞ!! そして、幾多の至宝を盗み出し、美女たちを略奪し、恐怖と責苦のどん底に落とし続けるからそのつもりで、さらばだ!!」
繋がれたままの詩織と薫を残し、取り囲む警官隊を前に煙と化す四十面相でした。

助け出されたパンティ一丁の二人の令嬢と少年を前に、微笑む江戸川探偵。
「まぁ、せんせいったら酷いわ。二階堂さんが偽物だと知っていて、私たちをこの洋館に潜入させたんですか?」
詩織は小さなおっぱいを手で隠しつつ、可愛くほっぺを膨らませました。
「いやぁ、すまない、すまない詩織君。でもね、桂君が捕まった以上、君たち二人にも四十面相の虜になって欲しかったんだよ」
「どういうことですか、先生?」
薫君の疑問はもっともです。
「桂君は本物のチャイナマドンナの在処を知らない。そのことに四十面相が気付けば、用済みの桂君が処刑されてしまう危険があっただろう。だが、私の部下でカラクリを知る薫君と詩織君が一緒に捕まれば、どうあっても口を割るべく拷問に時間をかける。その間に、チャイナマドンナを帝都銀行の地下秘密保管庫に隠すこともできたからね」
「まぁ、酷い! 私たちがこんな目に遭わされているのに、ねぇ桂子さん?」
詩織が、大きな乳房をやはり手で覆い隠し、恥じらう様に立ち尽くす美人警視に同意を求めます。
「え、ええ…。でも、江戸川先生は助けて下さったんですもの。感謝しておりますわ」
と、つい先だってまでの高飛車なライバル心は消え失せたかのような淑女ぶりです。
(女は自分を命がけで守ってくれた男の方を愛するもの…。キャッ、桂子ったら、まさかこれが恋なの!?)
と美人警視は、完全に名探偵氏に心奪われつつあるのでした。

心奪われると言えば、薫君は今回の一件で虜となったガールフレンドの艶めかしさに、男心にくさびを打ち込まれたご様子で…。
(捕まって虐められている時の詩織ちゃんってなんであんなに可愛いんだろう?)
と、これまた別の方向に目覚めてしまったご様子で。思い出すだけで、ブリーフの膨らみがまたもや大きくなります。
「それにしても薫君…」
となにか言い出しかけた詩織ちゃんは、薫君の反応に赤面します。
「もう、いやらしいんだからッ!」
「ご、ごめん。それにしても詩織ちゃん、今回は四十面相にも江戸川先生にもヤラレッパナシだったね」
ごまかし気味に、取り繕う薫君。ですが、詩織ちゃんは澄ました貌で返します。
「そうでもない、かもしれないわよ」
と、詩織ちゃんは、首筋でワインレッドに光り輝く小さな首飾りを誇示しつつ、薫の耳元で囁きます。
「実はね、これが本物のチャイナマドンナ! 気が付かないなんて、江戸川先生も、四十面相もまだまだよね」
最期に嗤ったのは、今回も詩織ちゃんだったのかもしれません。 『完』

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