第18章
「いえ、八草様ならお代は結構でございますよ・・・・・・そこはわたくしに持たせていただきます。お麻さんももう一度八草様と戯れてみたいと申しておりました・・・・それはわたくしとて同じでございますよ・・・お連れ様なしで、八草様だけでも是非一度泊まりにお越しくださいませ。」
以前お雅が言っていた言葉をお令は思い出していた。
「あのお真津さんくらい縄がしっくりと素肌に馴染む女性はいない」と。
思い出すと、お真津くらい縄でキリキリと縛られた姿で色香を発散する女性以いないとお令も思っていた。
そして何よりもお真津は美しかった。熟女のお色気である。
お麻もお令ももう一度そんな美女のお真津と戯れてみたいのだ。
キリキリと後ろ手に縛られ、膝を崩して横座りして悩まし気に軽く悶える姿が色気が溢れていた。
結びコブ猿轡をしっかり噛み締め、訴えるように目に薄っすら涙をためて、見つめ返す表情は、まさに極艶であり、絶品だった。
里絵たちがいう将に「猿轡美人」なのだ。
お令は、お瑶の時と同様に、このお真津なら十分な広告効果があると思ったのだ。
お真津も特例で無料招待するべきだとお令は瞬時考えたのだった。
そして、そんなお真津を一度美里にもしっかり縛らせてみたかったし、里絵にも描かせてみたかったのだ。
「本当ですか(まぁ!)・・・・お言葉に甘えていいのかしら・・・嬉しいわ・・・あっ・・・それから、これからはここでは、お真津と呼んでくださませ・・・浮世の身分など、ここでは忘れたいの・・・・それじゃ、今度ひとりで寄らせていただこうかしら。素敵な絵を描いていただいて、あの方にもご覧に入れたいわ。」
お真津が心寄せているのは、大奥でも相当の実力者のようである。
お真津は、前田家の妻女の頃から、非常に交友関係が広く、レズビアンの友人がたくさんいた。
お令はお真津から「梶屋」のことを発信してもらいたい魂胆があった。
無料招待は、必ず宣伝効果があるとお令は考えたのだ。
もし大奥の女性の御用達になれるのなら、「梶屋」にとって美味しい商売になるのである。
そしてそれは駕籠かきを手配し、中間を斡旋する駕籠甚と辰巳屋の稼ぎにもなるのだった。
それから1か月後、梶屋の客室にお麻とお令、それにお真津が並んで座っていた。
約束通り、お真津は次の休日に梶屋を一人で訪ねてきたのだった。
今日はお佳、美里、里絵も顔を揃えている。
梶屋の客間は、現代風のテーブルと椅子である。
お佳たちの感覚では当たり前のこの光景も初めて訪れたお客は面食らうのだ。
この時代、庶民はテーブルに座って食事をするような文化はなかったからだ。
そこに、お佳たちが料理を並べてから昼食が始まった。
お瑶の時と同じように、ケーキとワインを特別に令和から取り寄せていた。
顧客拡大には絶好のプレゼンチャンスなのだ。
まずは、ケーキを食べながらのおしゃべりからスタートする。
どんなストーリーの絵草紙を作るかの打ち合わせだ。
「お真津さんがお付き合いされている方ってどんな方なのかしら・・・お綺麗な方なんでしょうねえ(笑)・・・一度お会いしたいわ」とお麻
「ええ、お名前やご身分はお話出来ませんけど、とても高貴な方なの・・・びっくりするくらい綺麗な方よ・・・・私のおひとつ年上の方だけど、気品がって上品で優雅な方よ・・・・」
江戸の日本は、LGBがごく当たり前にあった時代である。
それは古事記の昔から日本にあった伝統でもあった。
元禄期の大奥でも、いたるところで女性同士の恋人が存在し、恋人を巡る刃傷沙汰さえあったとされている。
お真津は大奥の高官と交際していたのだ。
第17章
お真津は、尚もイラスト画を見つめ言葉に詰まって感激している・・・自分もこんな絵を描いてもらいたいと顔がいっているのが、お令にはわかる。
お真津はお令が差し出したスケッチブックを何枚も捲る。
次のイラストは女性たちの緊縛画だ。
スケッチブックの中のお令とお麻のイラストにお真津の目が留まった。
「ふふふ・・・・やっぱりお気づきになりましたか・・・・八草様は、猿轡がお好きでしたわよね・・・その猿轡が物珍しいのでございましょう(笑)」
お令が見透かしたように話す。
若いころからお真津は猿轡が大好きだった。
今、お真津が気づいたのは、それは里絵たちが現代から送ってもらったボールギャグである。
小ぶりな型から口いっぱいに嵌めるサイズまで数種類を裏窓に送らせたものだ。
「ずいぶん変わった形の猿轡に見えますけど、なんなんですか? コレ?」と
お真津はイラストを見ながら興味津々だ。
お令とお麻の口いっぱいに球形のものがしっかりと嵌め込まれて顎がまったく動かない表情がしっかりと描かれている。
日本手拭で猿轡を噛ませた時とは明かに違う二人の表情だ。
黒革のストラップが頬に食い込み、顎がしっかりと固定されたように口にはめ込まれている。
飲み込めない涎が糸を引くように零れ落ちている様子が克明に描かれている。
お麻とお令が、十幾つの大店お嬢様のような艶やかな振袖姿でキラキラ光る髪飾りを
身に着けて、悪党たちから誘拐された姿を描いていた。
お麻とお令の二人が主人公の紙芝居風の絵草紙だ。物語仕立てになっている。
「これは、オランダ猿轡と言うんですよ・・・・この絵は、私とお麻さんの二人の宝物なんですよ・・・お麻さんも同じ絵を持ってるわ・・・二人とも出会った頃の娘時代に戻った気分で振袖にしたの・・・・」
仲の良い娘二人が町でチンピラたちから拉致され監禁された姿が描かれている。
気の強い娘二人がボールギャグを噛み締め、口惜しそうに悪人たちを睨む姿が、まるで写真のように描かれているのだ。
里絵の絵は実に精緻なのである。
イラスト画は紙芝居風に物語仕立てになっていて、二人は駕籠で運ばれ荒れ寺に監禁されている。
この後、誘拐された美少女のお麻とお令が、異人の密輸船に乗せられて遠い異国に売られて行く筋書きになっている。
お令もお真津も見たこともない青い目に茶髪の西洋人だ。
「里絵さんたちが作った物語よ・・・私たち拐わかされた後、異人に売られるの・・・・想像しただけで、胸がいっぱいになったわ(笑)」とお令
「素敵・・・・お令さんたちはこんな遊びをいつもしてるのね・・・・お令さん・・・こんなの噛まされて辛かったでしょ?(笑)・・・・身悶えしてるのが伝わってくるわ」
お真津はイラストをまた見つめ、ボールギャグが気になって仕方ないようだ。
「ええ、口にがっちり嵌められるとまったく口が動かないし、革が頬に締まって・・・
苦しくなるけど・・・でも、また噛まされたくなるの・・・癖になるわ」とお令
「でも、絵草紙みたいになってるのね」
「そうなのよ。里絵さんって絵もお上手だけど、物語を作るのも上手なのよ」
「そう・・・・羨ましいわ」
「私、異人がこんな顔立ちなのを初めて知ったわ・・・里絵さんたちは、長崎で見ているのよ」
「八草様には、想いの方がいらっしゃるのではありませんか?・・・・昔から、八草様は
女性の恋人がいらっしゃいましたもの・・・・私は恋をしないでは生きられない女だと以前はおっしゃっていらっしゃったわ・・・・・・・・今、その方とのことをお考えになっていらっしゃるのでは?(笑)・・・・・宜しかったらお連れになっていただいても構いませんよ・・・私たちはいつも数人で遊んでいるんですの(笑)・・・・その方も一緒に絵を描いて差し上げてもよろしゅうございますよ・・・・思い出の品になるとおもいますよ。」
そして、先日一週間、お雅が江戸に戻ってきて、店をお休みし、女6人がこの梶屋に泊まり込み強化合宿を行い、お雅から徹底的にテクニックを仕込まれたことも話したのだ。
「そうなの?(笑)・・・・それは楽しみね(笑)・・・・ええ、お連れしたいけど、・・・・でも、その方は、とてもご身分が高い方ですし簡単に外出もままならず・・・・・・私なんかとこんな遊びは好まれるかどうか?・・・・それにこんな絵を何枚も描いていただくのってとってもお高いんじゃないかしら?(笑)」
第16章
「これは、八草様。お久しゅうございます。」
久しぶりにお令の駕籠甚を訪ねるとお令が、大奥での役職名で呼びかけてきた。
大奥では、出身の家の名で呼ばれる慣習があった。
お真津は、大奥では生家の家の名で呼ばれていた。
「お令さん・・・・お久しぶりです・・・・ちょっとこっちの方に来たもんですから、久しぶりにお雅さんに会おうと思ったのですが・・・・休業だったみたいで・・・・まさか閉店されたわけじゃないんですよね」
旗本の娘と言ってもお真津は身分低き女中との間に出来た子・・・・商家に預けられて育った経緯があり、町家の女とも気さくに話すような女性だ。
「ええ・・・お雅さんは上方の方に一人旅に出られましてねえ・・・お宿も他人にお譲りになったのですよ」
「譲った??・・・・それじゃ、もう本当に閉店なんですか?」
「いえ、それが今日はたまたまお休みですけどね(笑)・・・・新しい女性たちが新しくお店を始められたんですよ・・・くすくす・・・・お雅さんほどの縛りの腕はないんですけどね・・・・とっても美味しいお料理が召し上がれて・・・・それから見たこともないような素敵な絵が描いて貰えるんですよ・・・・私も辰巳屋のお麻姐さんもすっかり今度の店の常連になってしまってるんですよ・・・・八草様もたまには遊びにお越しくださいませ・・・・また昔みたいに一緒に遊びたいですわ・・・・きっとお麻姐さんも喜ばれますわ」とお令
お雅が居たころは、よくお令とお麻も交えて、お真津を縛って歓待したものだ。
「そうなの?!・・・新しい方がお店を継がれたんですね。」
お真津は、当時としては背が高い女性だ。
背は高いが体の線はしなやかで、腰のあたりからは色香が発散している、
左目の下にホクロがあり、頬が下膨れした大和なでしこという表現がぴったりだ。
年増になり得も言われぬ色気が増してきている。
女のお令からも見ても熟れた姿態は実に艶めかしい。
お令も久しぶりにお真津と興じ合いたいと思った。
お雅から以前、お真津ほど縄が肌に吸い付き、縛られた姿が美しい女性はいないと聞いていたからだ。身体は細いが乳房は豊かであり、尻の肉付きもよいし、何より身体が柔らかい。亀甲縛りにした姿が絶品だと評していた。
確かに五年前に一緒に興じ合ったころのお真津は緊縛の感度が良好で縄酔いするほどの女性だった。
お麻とも今でもときどきお真津のことを思い出話として語り合うこともあるほどだ。
「ちょっとお上がりになられませんか?・・・今、お茶を入れて参りますから・・・・」
「そうですか(笑)・・・では、ちょっとだけ・・・でもお令さん、お懐かしいわ・・・・
私、今でも時々お雅さんやお令さんたちのことを夢に見るんですよ・・・・あの頃は楽しかったわ」とお真津
しばらく二人は近況を語り会った後、お令は、里絵が描いた緊縛画の数々をお真津に見せたのだ。
梶屋は今、料理担当のお佳、緊縛師の美里、絵師の里絵という三十路女三人で切り盛りしていることを説明したうえで、絵師の里絵の絵がずば抜けて素晴らしいことを話した。
それは、21世紀のスケッチブックと鉛筆を使って描いた精緻なイラスト画集である。
お真津が驚嘆したのはいうまでもない・・・・江戸でこのイラストを見て驚嘆しない人間などいないのだ。
お佳、美里、それに里絵自身・・・そして艶やかな振袖姿のお令とお麻のイラスト画・・・・どの絵も生き生きとした人間の表情が鮮やかに描かれている。
江戸時代にはなかった遠近法を駆使したまるで写真のような精緻なイラスト画だ。
五人の熟女たちの表情がいきいきと描かれている。
着物柄や結い上げた髪の毛の筋までもが描き出されているのだ。細く削られた鉛筆で細部にまでこだわって描いたものだった。
お真津はその素晴らしさに息を飲む。顔が固まってしまった。
「いかがです・・・・これを描いたのは梶屋の里絵さんという方なの・・・・素敵でしょ・・・私もお麻姐さんも、もうこの絵の虜なんですよ」とお令
「なんて素敵なんでしょう?・・・・どこでこんな絵法を学ばれたのでしょう?」
「はい・・・なんでも長崎でオランダの絵師から教わったとか?・・・・女なら一度は
こんな風に描かれとうございますわ・・・・私たちの宝ものなんですよ(笑)
第15章
もうひとつ本題と関係のない話を続けます。
でも、この話はこの後に起こるお佳たち五人が大きな事件に巻き込まれるきっかけになる
話です。これから登場する女性が、そのきっかけになります。
まあ、お付き合いください。
※最初にこれから江戸の風習や大奥での話が数多く登場しますが、しきたりや習わし事は
ほとんどが私の勝手な想像で書かれています。役職名なども架空です。
歴史的な事実とは大いに異なっていますので、あしからず。
ある日、一人の女性が、駕籠屋を営むお令を訪ねてきたのだ。
女性の名前は、お真津(まつ)。
三十歳くらいの女性だ。
五年ぶりに訪ねてきたのだった。
彼女は大奥に勤める女性だった。
大奥での役職は大奥総取締の侍女・・・・・・・・・大奥には年寄と呼ばれる重役に相当する女性が数人に居るのだが、そのトップに君臨するのが、大奥総取締役である。
いわば大奥のトップオブトップである。
今の総取締役は「滝山」と呼ばれる女性だ。
お真津は、その滝山様の侍女なのである。
御家人の前田家利の妻女だったお真津・・・・・三年前に家利が急死し、跡継ぎがいなかったため、お家は廃家・・・・未亡人のお真津は大奥に奉公するようになったのだ。
初めは雑用係からのスタートだったが、目先の利く彼女はいつしか重用されるようになり、年寄のお世話係に引き上げられた。
お真津の実家である八草家が三河以来の名家であり、父親が御目付という重職にあることからの配慮である。
そして、今では年寄たちのトップに君臨する滝山様と呼ばれる女性の身の回りの世話まで仰せつけられるようになっていた。
三十路の彼女が、将軍のお手がつくことはないが、大奥では『ミタ』と呼ばれる中間管理職の地位にまで上り詰めたのだ。実務に精通するものだけが付ける地位である。
そして、今、その主である総取締役の滝山様の「恋人」になっていた。
お真津が、「梶屋」に来ていたのは今から五年前・・・・病気がちの夫は夜のお勤めに弱く、お真津はいつしか不義に走ったのだ。
ただし、この時の不義の相手は女性だった。
近くの両替商のお内儀と不義の仲になったのだ。女子相手の売春である。
元禄の頃は、女性同士の恋愛や売春文化が花開いた時代だった。特にLGBのB。
特に女性のバイセクシュアルが多かった時代である。
女性相手にも心ときめくお金持ちの女性に身体を許して小遣いを稼いでいたのだ。
その両替商は江戸でも有数の大店だった。
お真津は、女性から見てもとても魅力的な女性だったのだ。
その売春相手がお真津を梶屋に連れてきたのだった。
愛人に誘われて「梶屋」にやってきたお真津は、その女性と一緒に当時経営者だったお雅から厳しく緊縛してもらったのだ。
最初は長襦袢の上からだったが、緊縛の名手のお雅の縛りは格別で、いっぺんにその虜になってしまった。
高手小手に後ろ手にキリキリと厳しく縛り上げられると、全身に電気が走ったような快感に浸ったのだった。
あの時以来、お真津は緊縛されることの喜びを知ってしまったのだ。
売春のたびに相手を逆に誘い、梶屋にお真津はやってきた。
不倫相手と一緒にお雅に縛ってもらう。
つまり二人ともお雅の目がねに適うだけの美女だったわけだ。
高額の店のお代をすべて相手に払わせてもお真津は梶屋を利用したかったのだ。
そこでお雅から厳しい緊縛を受けたかったのだ。
お真津の実家は名門の旗本とはいえ、父親が、身分の低い女中に手を付けて出来た子供だった。
母親の身分が卑しいと高禄の旗本屋敷では育てられない・・・・・・・出入りの商人の家で育てられた。
それ故に旗本の娘とはいえ、嫁ぎ先が家利のような御家人の家になってしまったのだ。
そして、二十五歳の時に十歳以上年上だった御家人の前田家利に嫁いだが、死別してしまうのだ。二人には子供に恵まれなかった。
とても実家の八草家には戻れない・・・・そこで、父の口利きで大奥に上がったのだった。
大奥に奉公に上がってからは梶屋にも中々訪ねることもできなくなっていった。
あれから五年、お真津も、大奥では異例の出世で『ミタ』にまでなり、お役目も忙しくなり、いつしか「梶屋」への脚が遠のいていた。
しかし、大奥は今でいうところの優良勤務先・・・給金もよく、女一人身にとっては、
貯金がたくさん出来る奉公先・・・・お真津もずいぶん裕福になっていた。
久しぶりに梶屋に行って、お雅たちから縛られたいと思い立ったのだ。
そして久しぶりに梶屋を訪ねると、休業の張り紙・・・・そこで、取次店のお令の駕籠屋を訪ねた次第だったのだ。
第14章
「今日はお佳さんが縛られる日だったね・・・・今日は私が縛ってあげるわ」とお麻
五人は順番で縛られ慰められる役を変えるのだった。
今日は、お佳が最初にみんなから慰み者にされる日だった。
五人は先月のお雅からの手ほどきで全員が縛りの技術を習得していた。
お瑶の眼の前で美里とお麻が二人がかりでお佳の全身を縛っていく。
そして口には白ボールに黒革のボールギャグを噛ませるのだ。
最近は五人ともボールギャグに凝っている。
ボールギャグでお佳の端正な顔が変形する。
五人とも中年の熟女とは思えないほど贅肉もない美しい肢体を維持している。
その中でお佳がみるみる内にキリキリの高手小手縛りに座禅転がしにさせられていった。
そして、その姿を見せながら、お令が全裸のお瑶の手首を掴み、胸縄を噛ませだしたのだ。
お令の緊縛術もお雅直伝で格段に向上している。
お瑶はこれから始まることを悟ったらしく、俯いたままおとなしく手首を背中に回す。
見事な縄捌きでお瑶の乳房に上下胸縄を噛ませて、高手小手に縛りあげた。
夜になり、全員が裸になっていよいよ遊びが佳境に入ってきたのがお瑶にもわかった。
縛られ始めてお瑶も嫌々と恥じらうように身体をくねらせ始めた。
「さあ、お瑶さん・・・・ここで私たちが毎晩のように遊んでる姿を観察してくださいな・・・・
猿轡はどうします・・・・」
ここに来てお瑶に顔が紅潮してきているのがわかる。
近くの柱にお瑶を縛りつけたのだ、
縛りは好きではないとか、自分は芍薬ではないと口で言いながら、それは経験の浅さからくる自覚の無さであって、お瑶にも十分芍薬の気質と緊縛酔いする性質が備わっているのは先刻お見通しだ。
「ねえ、もう一回西洋の猿轡を噛ませてあげましょうか?(笑)」とお令が聞くと
お瑶は顔を背け恥じらうように
「もう猿轡はいや・・・・・お願い・・・もういじめないで・・・・もう堪忍して」
と駄々をこねるように顔を背け恥じらうように拒絶のポーズを取る。
緊縛好き、猿轡好きな女が最初に取るポーズだ。
「お瑶ちゃん・・・そんなことはないわよ(笑)・・・・だってもう濡れ始めてるわ・・・・
ほら・・・・ここがこんなに(笑)・・・もう縛られるは嫌いなんて言わせないわよ・・・さあ、おとなしくお口を開けなさい(笑)・・・・大丈夫よ・・・綺麗にやさしく愛してあげるわ」
お令が年下のお瑶をあやす様に諭しながらやさしくボールギャグを噛ませた。
先ほど噛ませた大きなボールギャグより一回り小ぶりな赤いゴムのボールをしっかりと口にはめ込み、お瑶の細く長いうなじに留め金を締めたのだ。
お瑶の眼が妖しく光りだし、悩まし気に身悶えを始めた。
そして、お瑶の目の前では、お佳への愛撫が始まった。
「これはさっきお瑶さんからお土産でもらった昇龍膏よ・・・・どんな気分になるのか
お佳ちゃん楽しみね」とお麻がお佳の膣にたっぷりと塗り込んでゆく。
そして、お麻、お令、美里の三人が、コケシを使い、指と舌を使い、ねっとりとお佳を弄んでゆくのだ。
「むぐぐぐぐ」とボールギャグを噛み締めて、お佳が身悶えしていく。
眉間に皺をよせ、艶めかしく悶える姿は艶めかしい。
「ほらお瑶さん・・・私たちのことをよく見て頂戴な・・・・こうやって毎夜遊んでるんですよ・・・・ここにきたお一人で寂しいお客様もみんなでこうやっておもてなしをするんです・・・・しっかり見届けてお客様に教えてやってくださいな・・・ほらお佳さん・・・
とっても気持ちよさそうでしょ・・・私たちみんなとっても指先と舌先が器用なんですよ」
とお令
傍らでは、里絵がその姿をしっかりとデッサンしている・・・里絵がデッサンしているのは、涎を垂らして身悶えするお瑶の姿だ。
全裸にされ柱に縛り付けられ、目の前で繰り広げられるお佳への愛撫をカッと目を見開いて見つめるお瑶の姿だ。
ボールギャグを噛み締めるお瑶の姿を隠し部屋で怪兵は大興奮で見ていることだろう。
それほど猿轡を噛み締め感情が高ぶっているお瑶の猿顔は官能的なのだ。
「ねえ、お麻さん、お令さん・・・・もうお瑶さんも限界よ(笑)・・・・もう待ちきれなさそう(笑)・・・・もうびしょびしょになってるわ・・・・・いつまでも見せるだけで放置したら可哀そうよ(笑)」と里絵が助け船を出す。
「うぐぐぐぐ」お瑶はさっきからボールギャグを噛み縛りながら必死に呻いている。
「そう(笑)・・・・だいぶ堪えてきたみたね・・・・そろそろ可愛がってあげましょうかねえ(笑)」
お佳を愛撫していたお令とお麻が、柱に縛り付けられているお瑶に近づき、
「ほら、お瑶ちゃん・・・・あなた凄く感じてるじゃないの(笑)・・・・今度はお返しするわ・・・・貴方には私たちがいつも使ってる紫雲膏をあげるわね(笑)・・・清国から取り寄せた媚薬よ・・・・これも熱く燃えるのよ・・・・この媚薬もいい商品よ・・・・試してちょうだいな・・・・お瑶ちゃんももうびしょびしょじゃないの・・・・ほ~ら(笑)・・これをたっぷりとここに塗り込むといっぺんに潮を吹き上げるのよ(笑)」とお麻
やはりこの中で女を言葉で弄るのはお麻が一番堂に入っている。
お麻は、身悶えして潤んだ切れ長の眼で見つめ返してくるお瑶が気に入ったようだ。
「むむむむ」{お願い・・・もうダメ・・・お令さん・・・・お麻さん・・・お願い・・助けて}
お令とお麻の指は将にゴッドハンドだ。
舌と指とコケシがねっとりとお瑶を攻略してゆく。
お瑶は全身をくねらせ、声にならない呻き声をあげた官能の海に浸ってゆく。
お麻とお令が、首すぐと乳房に接吻を始めた。
「ねえ、お瑶さん・・・私たち長い間、ここでいろんなお客様を観察してきたからわかるのよ・・・・お雅さんの助手をやってたのよ(笑)・・・・お瑶さんは女同士の芍薬遊びが好きな眼をしてるわ・・・噓を言っても騙されないわよ(笑)・・・・それに縛られるのも好きな女よ・・・・だって、この濡れ方を見ると一目瞭然だもん・・・・今晩は眠れないわよ・・・たっぷり可愛がってあげるわ(笑)」とお令
それからお瑶は、その日の夜のことをあまり覚えていない。
ただ、里絵が描いたたくさんのイラストでそうだったかもと思い出す程度だ。
もう夢の中、雲の上をフワフワと歩いていたように思うだけだ。
お令とお麻が、そして途中から、里絵と美里も加わって四人がお瑶を徹底的に愛撫したのだ。
厳しい猿轡を噛まされたまま、座禅転がしや逆エビ縛りにもされた。
しかし、うなじと乳首は常に誰かの舌先で舐められいたし、秘部には何度も紫雲膏を塗り込められ、そして肥後芋茎と言われる男性性器の玩具が押し込められていた。
「お瑶ちゃん可愛いわ・・・・お瑶ちゃん素敵」と何十回もみんなから褒められた。
何度も何度も雲を突き抜けて天に昇った・・・・・お瑶にとっては生まれてから初めての快感の連続だった。顎が痺れるような猿轡の連続もいつしか快感になり、またあのボールギャグを噛ませて貰いにこの店に来たいと心から思うようになった。
次の日、お瑶が帰る際、お佳はお瑶に紙に包んだ小判二枚を渡した。
宣伝依頼の心づけだ。
「お瑶さん・・・・よかったらまた取材にお越しくださいね・・・・ここにいるみんなお瑶さんが好きになったの・・・女ばかりでまた美味しいお酒飲んでゆっくり遊びましょう(笑)・・・・お瑶さんの為に美味しいお料理を考えるわ。みんなでお食事しましょうよ」
お瑶は、二枚の小判が信じられない・・・・本来はお代を払うのはお瑶の方なのだ。
小判二枚の心づけだなんて、法外だ。
「こんなことまでしていただいて・・・・本当にまたお邪魔していいかしら・・・私、こんな素敵な夜は初めてだったわ・・・皆さんとお近づきに成れて本当に嬉しいわ・・・・私、お客様をたくさん開拓しますね・・・」とお瑶が小判を握りしめていう。
お瑶の身体にはまだ昨晩の火照りが残っていた。
「ええ、宜しくお願いします。下書きした絵が描きあがったらお持ちしますわ」
と里絵
里絵は一冊のスケッチブック全部に昨晩のお瑶の様子をたっぷりと描き上げるつもりだ。
そのイラスト集を持って、大名や旗本の奥様、奥方様に営業するつもりなのだ。
もちろん、紹介料がお瑶に、そして駕籠賃がお令に、そして武家駕籠に付き従い中間の
斡旋料が口入屋のお麻に入る仕組みだ。
全員がウィンウィンの関係になるのだ。
ここで、お瑶が友達になったエピソードはここでいったんおしまいです。
どうしてこんなオチのないようなお瑶の話をしたかって?・・・・・
なんといいますか?・・・・お瑶さんを書いてみたかったからです。
事件性も何もない話ですみません。
でも彼女は後の話で事件に巻き込まれますから、喜多川堂のお瑶も憶えていてください。
そして、将来、取材中に事件に巻き込まれて行方不明になってしまう話も描きたいです。
こっちは構想すらまだありませんが(笑)。
時代劇のタイトルなら『お瑶誘拐!!危機一髪!!』か『失踪!!お瑶が消えた!!』
なんて奴です(笑)
「大岡越前」や「江戸を斬る」にはこんなタイトルよくありました。
予告編のタイトルをテレビガイドで見つけただけで、すぐにお瑶の猿轡シーンを想像して熱くなったものです。
それから現代劇でも喜多川瑤子雑誌記者日記を書きたいものです。
こちらはご希望の方が居られればですが(笑)
次回からまた新しい登場人物です。
でも引き続き時代劇「亜美と怪兵」梶屋日記編です。
宜しくお願いします。
第13章
里絵のイラスト画の下書きが出来上がったところで、ここでお瑶の縄目を解き、もう一度の休憩に入った。
下書きまで描けば、あとは細部を描き上げるだけだ。
ここまで交わりシーンもないし、乳房も見せていない。
ただ着衣の上から縛って猿轡を噛まされた女性のイラスト画なら、春画でもなんでもなく、
当時でも風俗法にも違反しないはずだ。
「縛りとかに何の興味もないお客様には、単に顔の様子を絵に描いて差し上げようと思ってます・・・・絵だけでもお受けしますわ。このお宿に見えられる方では少ないでしょうけど(笑)・・・・・・・・・でも縛られてみたいと思うような女性は、このように縛って差し上げています。これはお雅さんが居られたころと同じでございます・・・・・ただ絵法が違うのと新しく西洋風の猿轡を用意したこと、それとお蕎麦だけでなく別のお料理も提供するようになったことが、わたくしたち未熟者の女三人が考えた新しい商いでございます。・・・・どうかこの辺のことをご贔屓先に案内していただけると助かります。」と里絵
「ええ・・・・わかります・・・・こんな素敵なお店が江戸の街にあるなんて・・・・
きっとお喜びになる女性は大勢いらっしゃいますわ・・・」とお瑶
お瑶は厳しい過ぎる緊縛に吊り、鞭打ち、石抱き、ロウソク垂らしなどの責めよりも
女性の緊縛美、猿轡美を追い求める梶屋のコンセプトが武家の女性のハートを掴めるだろうとの感触を得た思いだ。
お瑶は縛めも解かれ、ボールギャグも外されていた。
お瑶は、ボールギャグで痺れた顎から頬を手で摩っている。
お瑶の頬にはボールギャグのストラップの痕がしっかりと残っている。
隠し部屋から覗いている怪兵にとっては、この美女の頬に残るギャグの痕は大変なツボのはずだ。
お瑶ほどの美女の頬のギャグ痕は怪兵は天にも昇るほどの快感なのであった。
実は女たちは気づいていないが、この部屋には監視カメラもついていて、その表情まで録画されているのだ。高性能カメラはお瑶の頬まで鮮明に映しているはずだ。
怪兵は、これを肴に豪魔と優造と酒を酌み交わす予定なのだ。
そして、女六人は、今度は日本酒を飲みながらの酒宴になっている。
今晩、お瑶はここに宿泊までするのである。
「お瑶さん・・・・どうでした?・・・・西洋の猿轡は顎が痺れたでしょ?(笑)・・・・
でも、これが快感と思う女性もきっと居られると思うんですよ・・・・」と美里
実際、令和の時代には、ボールギャグで逝ってしまう女性が大勢いるのだ。
顎ががっちりと固定され、骨の動きまで自由を奪われてしまわれる感覚が好きな女性だ。
江戸時代にもこの被虐感に参ってしまう女性はいるはずだった。
「ええ・・・先ほど言ったように江戸には他に数軒ほど縛りを売りにしたお店がございますわ・・・・この前行った濡木さんの不二家さん・・・それから雪村春郎さんのお店と谷直樹の団鬼八屋さんですけど・・・・みんな年配の男性が縛師のお店ばかり・・・・なんか気軽に行ける雰囲気じゃないんです・・・・それに全部取材に行きましたけど、どこも口調がぞんざいというか・・・・・・あの応対では、お武家の奥様方には無理ですわ・・・町人からあんな口調で扱われるなんて・・・・皆さんのような美人の方が経営されていて、美味しい料理と素敵な絵画があるお店なんて・・・・とっても女性に優しいお店と感じましたわ。きっとみんな知らないだけですわ・・・・私、きっと梶屋さんは繁盛されると思いましたわ」
とお瑶
「そうなんですね」お佳たちも初めて聞く競合相手の情報である。
「私、お大名や旗本の奥方様やお嬢様の顧客が百名ほどいらっしゃいます・・・・毎月、江戸で評判のお店などを案内させてもらってます・・・その中に、縛られるのがお好きな
女性が何人かいらっしゃいます・・・」とお瑶
「ところで、里絵さん・・・・以前、お雅さんがこちらでご商売なさっていた時は、何ですか・・・・お相手もなく、欲求不満な女性にはお雅さんがお相手になってお慰めなさっていたと聞いたことがあるんですよ・・・つまり(笑)・・・・その(照れ)・・・・芍薬の相手もなさっていたと・・・・今度の梶屋さんも同じようにお相手されますの?・・・・
いえ、私のお客様にもそんなことがお好きな方が数人いらっしゃいます」
「あ!それは、これからご体験なさっていただこうと思っていたんですよ・・・」と里絵
「それに、お瑶さんからお土産でいただいた、昇龍膏という塗り薬もいただいていますからね(笑)・・・・是非試してみたいと思っていたんです・・・・どうです・・・夜もまだまだこれからですから、今度は私たちをご見学になっては(笑)」とお令
「お瑶さんも手持無沙汰じゃいけませんから、もう一度縛って差し上げますわ(笑)・・・・
さあ、お瑶さん裸になってください・・・・松川屋のお瑠璃さんになっていただきますわ(笑)・・・・・クスクス・・・・私たちもみな裸になりますわ」とお佳
お佳も美里も里絵もすっかり江戸の文化に馴染んでいる。
裸になることへの抵抗感はすっかり薄れている。
江戸時代の女性は現代よりずっと羞恥心が薄い。
お令もお麻もするすると着物を脱いで裸になる。
お瑶が唖然としている間に、他の五人は素っ裸になると、お令が新しい縄と手拭の束・・・・
それに何種類ものボールギャグを持ってきた。
「さあ、お瑶さんも着物を脱いで頂戴な(笑)・・・」とお令
第12章
お瑶の猿轡を外してあげて給水タイムだ。いったん休憩だ。
日本手拭の猿轡を外したら、お令が結びコブ手拭と詰め物の布切れを素早く懐に仕舞った。
実は、今日、喜多川堂のお瑶が取材に来ることを、お令が火付盗賊追捕使で旗本の裏窓怪兵に事前に報告を入れていた。
当然今日は、怪兵は梶屋の隠し部屋でお瑶の緊縛ショーを見物しているはずだ。
「お令・・・・頼む・・・そのお瑶という娘もずいぶんな美形なそうではないか・・・・
その折の猿轡をこっそり確保してくれ・・・・頼む」
火付盗賊方のお頭なのに、実に情けない殿様である。
裏窓の頼みはやはり断れない・・・・お令は唾液でびしょ濡れになった手拭を裏窓のために確保した。
{あのお殿様もこんなもので楽しまれるのね(笑)}
今度は、ボールギャグだ。
真っ白な大振りの球体のゴムに黒革のストラップが付いている。
これもさっき見せたいくつかのボールギャグの中で一番大きなゴムボールのギャグだ。
本来、江戸時代には存在しない猿轡だ。
里絵は「長崎に絵の修行に行った時、オランダ商館員が持っていたのを参考に自作した」とウソを言った。
ご禁制の品であることは間違いないが、高価なものではないため、目くじら立てられるものではない。
「ご覧の通り、大きな球でしょ?・・・・これを長い時間噛まされると本当に顎が痺れて辛いんですよ・・・・ある意味濡木さんのところの拷問より辛いかも!(笑)・・・・・・でも、手拭の猿轡にもう飽きた女性や好奇心旺盛な女性なんか面白がって訪ねてきてくださるかもしれませんし、この猿轡を梶屋の名物にしたいんです。・・・・梶屋に行けば珍しい猿轡が貰えるって!(笑)・・・・・昨日の田中楼のほな実さんも大好評でした・・・・・・使いまわしですけど、熱いお湯で煮沸消毒してますから、不潔ではありません。お瑶さんにはこれを経験してもらいたいんです。」
煮沸消毒という概念もこの時代一般的ではないが、里絵はこの効果についてもお瑶に
丁寧に説明した。
好奇心旺盛なお瑶にとっては、西洋料理に始まって、ケーキ、ワイン、ボールギャグ、煮沸消毒と今まで知らなかった言葉や文物のオンパレードで、里絵たちを尊敬の眼差しで見つめている。
全く知らない文化なのだ。
「それでは、お瑶さん、背筋を伸ばして正座してくださいませんか・・・・お武家の男装のお姫様・・・【女剣士 琴姫様】が、悪者一味に捕まって監禁されたような絵を描いていきます・・・・お瑶さんならきっとお似合いになるわ・・・颯爽というか端麗というか美しい若衆姿がとってもよく似合ってらっしゃるもの・・・・松山容之介の琴姫様なんかより断然素敵ですもの」と里絵
「里絵さんお世辞が過ぎますわ(笑)・・・・そんな私が松山容之介より素敵だなんて(笑)」
しかし、言葉の魔力とは恐ろしい。
正座をして背筋を伸ばしたお瑶の姿はひと際美しくなった気がした。
お瑶自身の気持ちがキュっと引き締まり、それが表情に現れたのだ。
お瑶の特徴はやはり目に魔力があるところだろう。
眼の光が妖しいのだ。
猿轡を噛ませると、その眼光の魅力が一層引き立ってくるのだ。
「さあ、口を大きく開けてください・・・・私、ホント意地悪なんですよ(笑)・・・・・お瑶さんみたいな美女を見ると虐めたくなるんです(笑)・・・さあ、大きな猿轡ですよ・・・顎がきついですけど我慢してくださいね(笑)・・・」と里絵
助手役のお佳が背後からお瑶の口にボールギャグを嵌め込む。
里絵の見立て通り、お瑶の口にジャストサイズのボールギャグだ。
本当に辛そうに口にすっぽりとボールが嵌り、革のストラップは頬を洋梨のようにくびれさせた。本当に呻き声しか出せない猿轡が出来上がった。
お瑶の端正な顔が醜く歪む・・・・柔らかい肩関節・・・・ピンと背筋の伸びた正座姿。
お瑶の緊縛姿は究極に美しい。
この被虐感を里絵は特別精緻にイラストしてみたいと思っていた。
誰も見たこともないような西洋風のイラスト・・・・江戸で流行し始めた男装姿の女性の
緊縛・・・そして滑稽なほど顔が歪むボールギャグ。
手鏡で見せられたお瑶も己の歪んだ顔に思わず顔を背けたほどだ。
しばらくすると、もう飲み込めない涎が口から滴り落ち始めた。
お瑶は、苦しそうに顎を振る。
美形ゆえにより一層滑稽感が増すのだ。
里絵はこのコンセプトでイラスト画を描いてみようと考えていた。
きっと関心を持ってくれる女性がいるはずだ。
それほどお瑶の猿轡顔は魅力に溢れている。
里絵は、ボールギャグを噛み締めたお瑶の真顔から、だんだんと顎の痛みに耐えかねたように顔を歪める表情・・・・辛さに身悶えする姿が悩まし気だ。
さらには飲み込めない涎を垂らしながら、里絵の要求に応えて相手をキッとにらむ表情など、いくつものお瑶の姿態を次々にデッサンしていく。
里絵の鉛筆画は、歪んだ顔の皺や呑み込めない涎の一筋まで鮮明に筆致した。
里絵の想像以上にお瑶はモデルとして魅力的だった。
まさに猿轡された姿が『絵』になるのだ。
第11章
お瑶はこの日のために、自分が販売している男性性器のコケシと膣内軟膏媚薬をお土産に持ってきていた。
彼女自身、自社取り扱い製品のPRに抜け目がない。
このあたりも商売っ気があって、お令たちには好感が持てた。
こういうアクティブな積極的な女性が好きなのだ。
「これよかったら一度皆さんでお使いください。使って感想をお聞かせいただけると嬉しいです。この軟膏は昇龍膏と言って、塗ると全身が燃えあがってくるんです(笑)」とお瑶
「まあ、ありがとう・・・・こんなものも取り扱っているのね・・・・・早速今晩使ってみるわ・・・・お瑶さんもよく観察して頂戴な(笑)」とお麻
観察の意味がお瑶にはよく理解出来なかったが、お愛想笑いでごまかした。
そして、食後、夜の帳が降り切った頃、お瑶の緊縛体験が始まった。
お瑶は、用意した男着物を着て男装の麗人に変身する。
男装といっても、通常は、借着屋で着物を借り、髪を結い直す必要がある。
普通の娘では中々面倒なのだ。
それを梶屋では着付け髪結いまで一手に引き受けるのだ、
男装を梶屋の売りにしたい里絵の発案だ。
お瑶が髪を解き、艶やかな役者風の衣装に着替える。
お麻とお令が手伝って若衆髷に結い直す。
凛とした美しい若侍が出来上がる。
里絵が、その緊縛前のお瑶の姿を素早くデッサンしている。
長身スレンダーなお瑶の肢体には、男装の衣装がよく似合った。
もし、お瑶のイラスト画が市中に出回ったら大変な人気になるだろう。
浅草芝居の松山容之介の琴姫様を彷彿させるイケメンの若侍だ。
そして美里が、お瑶の手首を背中に回して着衣緊縛が始まった。
「お瑶さん痛くはありませんか・・・・最初は少し緩めから始めますね」と
緊縛師の美里が声をかける。
「他の取材では痛かったでしょう?」
「あれは辛い取材でしたわ・・・とにかく痛いの・・・ロウソクの蝋を垂らされたり、鞭で打たれたり・・・・天井から吊るされたわ・・・・乱暴な言葉を投げつけられたり、帰ってきたらもう体はズタズタなんです・・・・縄で猿轡されて頬なんてボロボロになるし・・・・・私はダメだったわ・・・・でも、そんな濡木さんの縛りが好きって女性が居るのも確かだわ・・・」
こんな気さくな会話をするうちにお瑶の緊縛は進んでゆく。
お瑶も関節が柔らかい。高手小手の緊縛が絵になるようだ。
江戸の昔から日本ではSMという文化はあったのだ。
もちろんSMという言葉はないが、縛りに快楽や美を求める心はあった。
しかし、お瑶にはSMの文化は馴染めなかったらしい。
江戸文化もこの時代になると成熟が始まり、緊縛や春画とよばれる風俗画が現れだす。
緊縛を売りにする競争相手もいるし、梶屋独自の緊縛の特徴を打ち出す必要があるのだ。
胸縄を上下に入れた上でⅤ字ゾーンにも縄を通す。
お瑶は、長身細身だが胸は豊かだった。
縛られた縄の間から、ふくよかな乳房が飛び出している。
そして、猿轡のプロフェッショナルになってきたお令が、まずは結びコブ猿轡を噛ませる。
詰め物を口に入れ、さっき作った小紋柄の手拭に結びコブをつくり、しっかりと噛ませるのだ。
お瑶の口にジャストフィットした手拭。お瑶の口と結びコブの大きさや嵌り具合がぴったりだ。そしてお雅直伝の留め蝋を結び目に付ける。
「まあ素敵・・・・お瑶さんは中々猿轡が映えるわ・・・・いい顔よ」とお令
「わあ、本当だわ・・・・丸玉咥え美女だわ・・・・素敵な顔よ!」
結びコブががっちりお瑶の口に嵌る。見事な【ザ猿轡】だ。
お令が手鏡でお瑶に顔を見せる。
「ふぐふぐ」
お瑶も顔を振って自分の猿轡を正面横からと確認する。満更じゃない様子だ。
梶屋の常連客は何人もいるし、器量よしばかりを選んで緊縛してきた。
しかし、目の前のお瑶くらい顔かたちやスタイルの良い美女はいなかった。
江戸に来て里絵が描く女性では、間違いなくお瑶が一番の美形である。
今井堂のおみきも田中楼のほな実も、お瑶のスタイル良さと顔のバランスと比べると見劣りすると里絵は思った。綺麗な8頭身なのだ。
この女性をモデルにイラスト画を売ったら相当売れるだろうとの考えが里絵の脳裏を横切る。
それくらい【ザ猿轡】のお瑶の緊縛姿は若さと美しさが満ち溢れている。
里絵は、下絵になるデッサンを素早く書き続けている。仕上げは後日に回して構図だけを嵌め書きしているのだ。
念のため、お瑶の綺麗なまつげの眼が映えるように、紺地に白の花火柄の手拭で鼻下まで覆う被せ猿轡を嵌めてみた。
これも元禄期では猿轡の王道だ。
うなじに二本の手拭と結び目が見えることが色気の一種と思われていたようである。
しかし、お瑶の顔はやはり結びコブ猿轡の方が映える顔であることは間違いない。
お令もお麻も、そして里絵たちも被せ猿轡を嵌められ、厳しい緊縛に身を捩らせるお瑶を
見て、{この娘は仕込めばすぐに縄酔い、猿轡酔いする女性になるわ}と直感的にわかった。目の妖しい光が被せで際立ってきている。
女たちはお瑶を見た後で、眼と眼で頷き合い微笑みあった。
いいパートナーになれると踏んだのだ。
里絵はあとで仕上げ書き出来るところまで書くと、お瑶の猿轡をすぐに変えることにした。
皆さま急なアンケートにご協力ありがとうございます。
特に年配の方にはなじみのないアニメですから、参加いただける方が少なかったようです。
まあ、当然です。私も昔子供が夢中で見ていたから偶然知ったアニメですから。
参加いただいた方、本当にありがとうございました。
引き続きコナンへの思いがあればご参加お願いします。
でも以外でした。
佐藤美和子が一番人気と思ったのですが。
でも、お蔭様で作品の大まかな構想が出来ました。
主人公の小説家の女性が、高校時代の憧れの先輩である宮部志保通称シェリーをモデルにした小説を
書きます。
彼女をイメージしながら主人公の名前を佐藤美輪子にして活躍させるのです。
佐藤美輪子は、警視庁の敏腕刑事です。
小説の中には、毛利蘭子、鈴木園絵、工藤有紀子もちょっとだけ登場します。
小説家の主人公に、宮部志保、そこに元諜報部員の亜美やイザベルマルソーが絡み、
敵側のベルモットと峰不二子と対峙する。
そんな物語を書いてみたいです。
小説と現実がリンクしている物語です。
まだ、構想ですから、変わるかもしれませんが(笑)
でも構想を考える時が一番楽しいです。
仕事をしている頃は、構想が浮かぶと完全に仕事が疎かになっていましたが、
今はこれだけで一日が過ぎてゆきます。
知らない人が見たら、何もせず、ただブラブラしてるだけの老人にみえていることでしょう(笑)
また明日から時代劇 亜美と怪兵梶屋日記を再開します。
こちらもまたご贔屓にお願いします。
名探偵コナンの登場人物で好きな女性を教えてください。
あくまでもDIDの対象者ですよ(笑)
現在執筆中の作品は、名探偵コナンの出演者名をそっくりふんだんに使おうと思ってます。
もちらん性格やキャラクターは変えますが、容姿は同じイメージです。
年配の方はご存じないアニメかもしれません。
申し訳ありません。
どの女性の監禁緊縛【ザ猿轡】を想像されたいでしょうか?
また子供や女子高生は成熟した大人に成長したことにします。
大人バージョンです。
何卒ご協力お願いします。
お一人何票でもOKです。
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