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ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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国家を揺るがす猿轡~11

 翌日の深夜、横浜港。WOBの組織と連絡を取り合い、白人の祖国の姫君、キャメロン妃とドレサージュ組織の美人頭目、由美子とのトレードが行われた。
記憶を喪失したキャメロン妃は、ここはどちらですの?とでも言うような表情できょろきょろしていた。
しかし、Mr.Bの異常なまでに手慣れたエスコートで戸惑うことはなかった。
ひとけのない埠頭で僕ら2人は先方の数人の男たちを待った。
やがて黒塗りのワゴン車で現れた男たちは後部座席から女神ニンフこと由美子を引き下ろした。
由美子は黒いスーツ姿だ。由美子は触られたくありません、という様子で毅然とした態度でふるまったのが僕にはまぶしかった。
捕えられていたのだから縛られたりギャグをかまされたまま連れてこられるかとひそかに期待していた僕だが、その点は当てが外れた。
やがて人質交換。
互いの美女が互いの陣営に戻っていく。
僕は銃撃でもされるのではないかと内心びくびくしていたが、そこは相手も約束を違えることはなかった。
??を顔じゅうに表しながら無徐気に去っていくキャメロン妃。
そして申し訳なさそうに僕の前に歩み寄る由美子。
そして、Mr.Bに想いを寄せる女優は別の場所で解放されたらしい。
本人がそれを求めたらしく由美子とは別の扱いをうけたようだが、組織の連中が言うには彼女自身が望んだことというが真相は分からなかった。
 3人だけになり車の中でMr.Bは由美子に先走り過ぎた自分の行動を詫びた。
由美子はどこか余裕の表情でいえいえ、御苦労でした・・・、とだけつぶやいた。
囚われていた時の妖艶な表情は微塵も見せず凛とした様子を崩さなかったが、Mr.Bの送迎で家に帰りついたとたん僕の胸に顔をうずめた泣き出した時は、こいつも女の子だなあ、と悦に入る僕だった。

 おりしもそのひと月後、僕は釈然としなかったキャメロン妃ドレサージュの効果を知ることとなる。
僕は再びワンセグでTV中継に食い入っていた。
今日は由美子は幼稚園の理事会で御留守だ。
白人の国の皇太子夫妻が日本を訪れるのだ。
Mr.Bとともにドレサージュした相手がTVに中継される。
今となってはそのことが夢か現か、自分でも分からなかった。
分からないといえば、あの女優れいの気持ちだ。
今朝のネット上では彼女がとある俳優と入籍したというニュースが話題となっている。
相手はMr.Bとは似ても似つかぬタイプ。
果たして彼女の真意はなへんにあるのか、僕にはうかがい知れなかったが、彼女をドレサージュした想い人との悲しい別れがあったのだと推察している。
罪作りな人だ。
 TVでは日本政府や財団組織主催のパーティを生で中継することになっていた。
大広間に皇太子夫妻が招待客の降るような拍手の中登場することになっている。
が、なかなか主役夫婦が現れない。
遅れること数十分、視界のアナウンサーがほっとしたように2人を紹介する。
割れんばかりの拍手が降り注ぐ。
その華々しく登場する白人の祖国の王子とお妃の背後に黒装束の男女がちらっと現れそして煙のように消え去ったのを僕は見逃さなかった。

翌日。驚くべきことが起こった。
キャメロン妃が突然の失踪。
1週間後に発見されたのはアジアの国のソレも、西洋諸国が軽蔑する小国の農夫の家だった。
牛小屋で全身を縛ってもらい恍惚の表情を浮かべる栗色の髪の女がまさか白人の祖国のプリンセスとは信じる者はいなかった。
彼女はマスコミに囲まれるとこう発言したそうだ。
 「規則とモラルに縛られた退屈さよりも、この肉体を縛ってくれるアジア人に魅力を感じるの 王子はそんなことも知らない童●野郎で知性を感じないわ 私、肌の白い男はだめなのよ」
 この日のこの発言をさかいに白人の祖国は大揺れとなり、王室の威信も徐々に揺らぎ始めていくきっかけとなる・・・。
もしかして・・・。
僕はつぶやいた。Mr.Bのドレサージュはキャメロンに自らの血統民族性に不信を抱かせ、日本の風土でしか得られないアジア独特のDID性癖を植え付けるのが主たる目的だったのでは、と思う。
しかし、おかしい。
キャメロン妃を開放するとき記憶は喪失させたはずだ。
僕がひとりごちた時、由美子が僕の肩口からの可愛い顔をのぞかせた。
 「キャメロン妃、やってくださったみたいね」
 由美子はクフッと笑う。
 「どういうことだ、君たちはなにを・・・」
 僕が言うと、由美子はさらに妖しく笑みを浮かべた。
 「ドレサージュされた記憶は一生消えません・・・たとえ記憶を失おうとも、ね」
 由美子は何か達観したような、それでいて女だけしか知りえないような笑みを再び浮かべた。
それにしても、女優れいをはじめとした華やかな舞台に生きる謎の美女たち、そしてMr.B。不思議な人々との生活は今後も続くのだろうか。
それも傍らで微笑む女房自身が秘密組織の女ボスである以上、どんな刺激的な出来事に巻き込まれるかわかったものではない。
でもそんな暮らしが僕にはたまらなくエキサイティングだ、と思った。
                                                終わり

国家を揺るがす猿轡~10

僕は茫然とノートパソコンの画面を眺めた。
放心状態に近かった。
Mr.Bの説明によると、ここは世界の裏組織の運営するサイト。
そこに映し出された美しき日本人女性。
そう紛れもなく僕の妻、由美子だった。
コンクリ張りの床に疲れ果てた表情で横たわる由美子。
無情にも股間を覆う白い下着一丁だ。
僕はすぐにでも救出したい心境だったが、できるはずもなく・・・。
しかし、囚われた由美子はやっぱり美しい。
やがて、複数の覆面をした男たちが画面に登場する。
「奴らは・・・」
僕が唸るようにつぶやくとMr.Bが答えた。
「WOBの連中だ・・・奴らは女神を・・・くそっ、どうするつもりだ」
Mr.Bは心底悔しそうだ。
由美子の黒髪をわしづかみ、引き起こした一人がその白い手首を後ろに回す。
そして手錠のようなもので拘束している様子が目に入る。
さらに悶える由美子の長いナマ脚を強引に揃えさせ足首にこれまた手錠をかける。
自由を失った由美子は再び床に転がされた。
その由美子の虚ろな目が大きく見開かされる。
目の前で女性の快感を誘う玩具をちらつかせる男。
よくよく見ると女優れいが公開処刑で挿れられた蝶のコケシだった。
男は蝶のフィギュアの部分を開き、小さなタンク状になった部分にこれまた小瓶から何かを注いでいる。
由美子は驚愕に満ちた表情でそれを見つめている。
「まずい、あれは・・・ムーン・ライト フランス製の強力な興奮剤だ やばい薬並の効果があると言われている・・・ 女神に、あれを使う気か・・・」
Mr.Bはこれまで見せたことのないほど落胆した表情だ。
Mr.Bは由美子を崇拝するようなところがある。
その女頭目、いや教祖様が危機に陥っているのだから当然かもしれないが。
やがて男はバタフライフィギュアのセットを終えると、ゆっくりと由美子に近寄る。
そして引きちぎられる下着の音が・・・。

「ああぁぁッ・・・・・・」
甘く切なげな由美子の嬌声がパソコンから漏れてくる。
カメラが切り替わり挿入の部分はわざとらしくカメラがそらされているのが僕にとってはせめてもの救いだった。
しかし、由美子のカリスマ的な美貌が大きく崩れる様に僕は不覚にも興奮してしまう。
しかしその美貌の顔面にも制裁が加えられた。
形の良い唇に白いプレートが噛み込まされたのだ。
由美子は観念したようにそれを口の中に滑り込ませる。
その上から透明の粘着テープが張られ、形の良い口が歪んだまま塞がれる。
美しい顔に歪んだ唇。どこかコケティッシュだった。
「あれは・・・媚薬混じりのシークレットプレートだ 噛めば噛むほど身体を刺激して・・・くそう、女神を責めぬくって寸法か」
Mr.Bは耐えがたいとでも言うような表情で目をそらす。
やがてすべての拘束が完了した由美子の美しい全身像が画面に映し出される。
無情にも秘部にはバタフライのフィギュアが甘い美蜜を求めるように埋め込まれている。心優しき僕の誇り、そして謎の組織の女リーダー女神ニンフこと、由美子への厳しすぎる拷問が始まった。

ひちゃひちゃひちゃ・・・。
黒蝶は残酷にも美女の秘部をいたぶる。
横たわったままの由美子がそのバタフライの責め苦に耐えかねるように身を捩った。
自由は奪われ腰をねじったり、長い脚を左右にする動かす程度しかできない。
その美貌は甘く歪み、瞳は熱をおびて怪しく淫微に光る。
僕との交わりの時に見せる恍惚の表情に近い。
しかし、これはドレサージュでも何でもない。
あくまでも敵の女リーダーへの拷問だ。
容赦はない。
奴らの一人が大きな白い羽を手にして画面に現れる。
そして象牙色の由美子の肉体をなぞり始める。
それに合わせて由美子は耐えられない、というようにのたうちまわる。
白い肩、首筋、肩甲骨の浮かぶ背中、くびれたウエスト、愛らしい臍、こうして見ると結構逞しい太腿・・・。
そして、羽を手にした男は肩で息をしながら耐え忍ぶ由美子の傍らにしゃがみこむ。
そして最後にこの屈辱的な拷問に必死にこらえる象徴的な2つの可愛いつぼみを、左右交互に徹底的に攻撃し続ける。
アップで捕えられた2つの丘はなぞられるたびに、ビクビクと膨らみを帯び、サクランボはピンと立ち上がる。
それを取り囲む小さなリングもくっきりと浮かび上がり、この責めがどれだけ彼女を追い込んでいるかを象徴していた。
くすぐり責め、そして快楽責め。
耐えるのがたやすいような拷問だが、一つ間違うと命を落としかねないということを何かで読んだ記憶がある…。

羽の責めから一時解放されると由美子は横たわったまま綺麗な頬からコンクリに突っ伏し、肩で息をした。
しかし、責めが厳しい。
水がその美しい顔面に叩きつけられる。
そして、漆黒の髪をつかまれ引き起こされる。
由美子の美貌がアップで映し出され、その口から透明のテープがはがされ噛まされていたプレートが抜き出される。
大量の唾液が糸を引くのが艶めかしい。
この時漸く気がついたが、これは由美子の口からMr.Bや僕の情報を引き出すことが目的ではないのかもしれない。
秘密道具を用い、組織のリーダー由美子を屈服させ僕らに助けを求めさせる。
そしてキャメロン妃を奪い返す手段なのだと。
男の一人が由美子の顎に手をかけ、さあ、観念して仲間に助けを求めろ、とでも言うように促す。
濡れた髪から水を滴らせ由美子はうなだれながらも、吐き捨てるようにつぶやく。
「suit tourself…」
勝手になさい、そんなところだろう。
英米学科出身の由美子は日常会話は無論、翻訳でもできると義父に太鼓判を押されるほどだ。
教えてあげますという彼女の誘いを僕はいつも断る。
癪に障るので・・・。
そんな彼女は奴らとの会話も英語でしているようだ。
ここからは…亭主の僕が一番見たくない光景だった。
もう一度噛め、とでも言うように乱暴にプレートを再び噛み込まされる。
それだけで媚薬が口の中で始めるのだろう。
由美子は呻く。再びくぐもった電子音が漏れてくる。
バタフライが稼働させられたのだ。
そこから漏れだす媚薬が由美子の女芯をマヒさせ、快楽に悶え思わず口の中に力を込めるだけでプレートからにじみ出るであろう、媚薬がさらに妻を参らせるのだろうか。
象牙色の肌が男たちの手で撫でまわされ、光り輝いていく。
やがて美しい顔が引きつり始める。由美子は悲しげな喘ぎ声を禁じ得ないようだ。
唇の端から、こらえきれない唾液があふれ出る。
そして秘部のバタフライは粘着質な音とともにぬるぬるに光を帯びている。
ついに限界を迎えた由美子がエビ反りながら太腿から液体を滴らせる映像を目の当たりにした僕はこの戦いの敗北を実感した。
「やめろ~~やめてくれ~~」
僕は股間を疼かせながら叫んだ。

頭上で両手首を手錠で拘束され、立たされた由美子。
Mr.B曰く世界有数の姓愛組織でもあるWOBの責め苦は妻の肉体にしっかりと刻み込まれてしまったようだ。
由美子は涙を流しながらも無数の手や羽に嬲られるたび肉体は正直にビクビクと反応し続け、妖艶な表情を披露する羽目になった彼女は一人の囚われの美女でしかなかった。
羽に秘部をまさぐられること数分、白い太腿をすり合わせるようにして何かをこらえていた由美子が湯気の立つ聖水を垂れ流す様を目の当たりにしたとき、Mr.Bはついに決断した。
「完敗だよ、US君 作戦的にも、DIDの組織としても我々の…」
 Mr.Bは無念そうだった。
 「キャメロン妃は我らが思う儘の女に変貌させられたはずが…くそ」
 「ドレサージュは完結したのでしょう?」
 僕は訊ねた。
 「奴らの女神解放の条件は、キャメロンの性感を元に戻した上でのみ交渉に応じるということだ。キャメロンは記憶を消す薬剤を投与したうえで開放しなければならない。たとえ敵といえど、契約は守らねばならないのだよ」
 Mr.Bは真摯に語った。
このまま、WOBに由美子をゆだねれば、間違いなく由美子は命をとられるだろう。
それにしても、僕は一つだけ納得がいかないのは、いまだキャメロン妃へのドレサージュは何を目的に行われたのかだった。Mr.Bは言った。
 「完結できなかったDIDの内容など話したくもないさ」

国家を揺るがす猿轡~9

僕は目の前の夢のような光景に悲しい妻との別れを忘れかけていた自分が恥ずかしくなった。
そう、由美子は今囚われの身となってしまったのだ。
それにしても、由美子を捕えた組織の実態とは?
 「あの組織っていいますが、彼らはいったい何者なんですか!?」 
「彼らはWOB。ホワイトオブベストの略称だ。つまりは白人至上主義を浸透させるための秘密結社。かの国の王室の裏組織だ」
Mr.Bは厳かな口調で語り出した。
「奴らの目的はただ一つ。キャメロンの奪還だ。彼らの王室崇拝の精神は恐ろしいものがる。我ら黄色人種などモノの数と思わない」
「由美子を、れいさんを救うには・・・?」
「女神ニンフを救出するためならばあらゆる手段を講じる。だが、キャメロンを無事返したところで、あのお方を無事返すかどうか・・・」
Mr.Bは苦悶の表情を浮かべる。
ここ数日の彼らの行動から察するに、Mr.Bは女優れいと恋仲と思っていい。
いや、正確にはMr.Bのドレサージュの虜になったれいが、その主を崇拝しているだけのことかもしれない。
それにしても、Mr.Bは明らかに由美子の安否におもきを置いている。
由美子とは一体。
僕は今更ながらに妻が分からなくなった。
確かに年若い女と思えぬほどの落ち着きと聡明さは持っている由美子だが、裏組織のソレもはるかに年長者のMr.Bや女優たちまで部下に従える何かが彼女にあるとは思えない。
「今は・・・キャメロン妃のドレサージュに専念する。女神もそれを望んでおられるはずだ。U君協力してくれたまえ」
Mr.Bは意を決したようにつぶやいた。
僕は妻への思慕と、目の前の想像を絶する夢の情景に心を揺り動かされながらも、Mr.Bの指示に従った。

涼しげな海風が吹き込む和室で縄目を解かれたキャメロン妃は一時的に自由の身となった。それにしてもいい身体だ。
由美子の清楚な表情と象牙色の品のいいカラダに触り慣れてそれに十分心酔している僕だが、外人のそれも一国のプリンセスの熟れた身体を前に思わず目を奪われてしまう。
栗色の髪は上品だし、その瞳は人々の心を釘付けにしてやまないだけあって悔しいが魅力的だ。
キャメロン妃は熱りきった肉体を自分でも認めたくないとでも言いたげに、僕たち2人から視線をそらしている。
「Gスポットは刺激しつくした・・・。苦痛も快感も与えつくした・・・。何が足りないと思うかね、U君。君ならどうする?」
なんとMr.Bが僕に質問してきた。半分はマジと思える口調だ。僕はとっさに提案した。
「ならば・・・恥辱を与えてみましょうよ」

Mr.Bは身を捩って恥じらうキャメロン妃のバックに回り込む。
そして手首を捕え後ろにねじり上げる。
前から見ていた僕にはキャメロン妃のもうやめてっという苦悶の表情と白ブラの下で揺れる胸元の2つの山が悩ましい。
しかしMr.Bは手を休めない。
手首を縛めた縄は相当の長さが余っている。
そのあまりで今度はキャメロン妃を腹這いにして脚首をまとめあげている。
キリキリという表現がぴったりなほどに厳しくまとめ上げられたキャメロン妃の2つの足の裏が背中で手首と一緒に括りあげられた。
いわゆる駿河問いのポーズだ。
これまた純和風のDID方法だ。
キャメロン妃は大作りで派手な美貌を激しくゆがめて唸る。
Mr.Bは容赦しない。
さらに持ち出したのは手ぬぐいだ。
鉄枷や竹轡ではない。
彼はそれを玉結びにし、手早く小さな拳骨サイズのコブを作る。
そしてそれを持って腹這いのキャメロン妃の顔のまえにしゃがみこむ。
キャメロン妃はいやいやっというように首を振って口枷を抗う。
しかし、折りたたまれた肉体では思うように逃れることはできるはずがない。
Mr.Bは少々乱暴と思える方法でキャメロン妃の高い鼻をわしづかむ。
そして観念して開いた大きな口に結び目をまずねじ込む。
ここまでくると縛りはほぼ完成形だ。
口の脇に垂れた猿轡の手ぬぐいの端をキャメロン妃の栗色の髪をまとめあげるように後頭部でぎゅ~~と縛り上げる。
健康的なムキムキの肉体が純白ブラパンだけを身につけた状態で駿河縛りにされているのだ。
僕は改めてMr.Bのプロとも言える芸術的縛りに感心するとともにえもいわれぬ興奮を覚える。
「さて、Uクンどうする?君のアイディアをぶつけてドレサージュを完結させてみてくれたまえ。必要なものは何でも用意するが・・・」
Mr.Bの口調は親しみを覚えるものだが、同じ趣向を持ったライバルとして何処か挑戦的でもあった。
ぼくにDIDドレサージュのなんたるかは分からない。
でも、数十年妄想を膨らませてきた真性のDIDマニアとしてここは後に引けない。
故人となった小説家がその著作で必ず用いた方法を思いついたのだ。
「Mr.B・・・。カンチョウ器を用意して下さい。それと…」
僕は3つのモノを用意してもらった。

石鹸水を混ぜた液体の注入器を僕は初めて使った。
それも相手は一国のプリンセス。
縛りあげた健康的な長い脚は太腿部分の間が広がっている。
半ずり下ろしにした白い下着は太腿部分で大きく広がっている。
そして僕はその臀部の割れ目の穴にそれを突きさす。
ゆっくりとゆっくりと・・・。
ギャグの下でキャメロン妃のくぐもった声が漏れる。
嗚咽とも歓喜ともとれる声だ。
僕は注入器のポンプをゆっくりと動かしていく。
異国の姫君の聖なる穴からにじみ出る液体。
僕は石鹸水の注入を終えると少し離れてキャメロン妃を眺めた。
間もなくのっぴきならぬ状況に迫られたのかキャメロン妃は額に汗を光らせ、弱弱しげな表情で何かを哀願する眼で僕を見る。
(そうだろう、そうだろう、トイレに行きたくなるよな)
僕は嗜虐心を昂ぶらせ次なる攻撃に出る。
Mr.Bに用意させた2つ目のモノ。
それはチューブ入りのカラシだ。
それを指に塗ったくった僕は再びキャメロン妃の臀部に回り込む。
そしてまだ石鹸水が滲み出るその部分にその指を滑らせ、襞の中までゆっくりとカラシを塗りつける。
じっくりとすりつけるように・・・。
これにはさすがの姫君も参ったようだ。
「ぬ、ぬ、ぬぅ、ぬぅおおおお~~~~ッッッ!!!」
断末魔の叫びが部屋中にこだまする。
僕はそれだけでは許さなかった。
僕はのたうちまわりたくてもそれがかなわず、芋虫のようにモガク、キャメロン妃の猿轡を外した。
そして3つ目のプレゼントを用意した。
薄い布巾の中に大きな梅干しを数個詰め、大きなコブを作った僕は、Mr.Bが先ほど行った要領で再びキャメロン妃の口に日本的厳しさを詰め合わせた贈り物をする。
「はあぐうぅうう~~~ッ!?!?!? ぬぅぅぅおおおおおおおお~~~~っっっ!!!」
キャメロン妃の表情は筆舌に尽くし難い。
コケティッシュでもあり、無様であり、哀れでもあり、何よりも刺激的だった。
大きな口からにじんでる唾液は果たして梅干しだけのせいかどうか・・・。
脂汗で顔じゅうを光らせ、健康的な駿河縛りポーズの身体を引くつかせ、ただただ悶絶するしかないキャメロン妃。
「君は・・・なかなかやるな」
Mr.Bも僕のドレサージュには感心したようだった。
数分後、脚の縛めだけを解かれたキャメロン妃は、ハエが飛び交う和式トイレの中で黄金色のモノを大量に排出する様を僕たち2人と部下たちにしっかりと見届けられることとなった。
「見たまえ、U君。キャメロン妃の表情を。まるで恍惚の人だ。君のおかげだ。君が彼女のドレサージュを成功させたのだよ」
Mr.Bにそう言われるとうれしいのは事実だ。
でも、今回のドレサージュが彼女にどんな効果をもたらすのか。
そして、由美子が願っている多くの人々を救うための戦いの勝利にどう結びつくか僕には分からない。
そのことを僕が彼に尋ねようとしたとき、Mr.Bに仕えている女官の一人が顔を引きつらせて駆け寄る。
「Mr.B・・・例のサイトに・・・ニンフ様が」

国家を揺るがす猿轡~8

僕は都心から数百キロ離れた海際の大きな日本邸宅の門前にいた。
僕自身も組織の女頭目の亭主として組織から追われるかもしれない。
最愛の妻からの贈り物にはこの窮地を脱するヒントが残されていた。
ロザリオの中は小さな空洞があり、その中に記されていた地図を頼りに僕はここへたどりついた。
そしてためらいながらもその中へと足を踏み入れる。
そこは外界とは対極的な人間の欲望のな空間。
まるで江戸時代の座敷牢のようにいくつもの檻が設けられている。
その中に幽閉されているのは無数の女たち。
今までの僕ならば、恐怖と驚愕に体が震えていただろうが、Mr.Bと出会い、由美子の正体を知った今となっては驚くには値しなかった。
ここはドレサージュのための施設なのだ。
依頼を受けた美女たちがドレサージュを待っているのだろう。
ある者は虚ろな、ある者は恍惚の表情をそれぞれが浮かべ、逃げ出そうとするでもなくただ自分の置かれている状態をどこか愉しんでいるかのような表情だ。
一糸まとわぬ女もいれば、下着姿、普段着姿もいる。
いずれも共通しているのは美女揃いだということだ。
しかし、今はそんなことにかまってはいられない。
Mr.Bに会いたい
。僕は徐周の檻の中の通路を進んでいく。
 「み、Mr.B・・・、やめて、おねがい、やめてよ」
 明かりの洩れる方から聞こえる若い女の声。それも複数だ。
 「Mr.B!!」
 僕は声を大にして呼ぶ。

 「US君、危ういところで命拾いしたよ」
 Mr.Bは目の前で正座して哀願する2人の若い娘を眺めながらつぶやいた。
彼の異常な落ち着きぶりは尋常ではない。
今朝がたまで命を狙われていたというのに…。
僕は腹立たしくなったが、そこは同好の士、つい目の前のドレサージュ対象を凝視してしまう。
あれ・・・?。
やはりこの娘たちにも見覚えがある。
一人は肩まで伸びる黒髪と大きな瞳が印象的な美少女だ。
確か…。
僕はテレビをあまり見せてもらえないのだが、この顔は街でもよくポスターで見かける。電話会社のインターネットの宣伝で可愛い笑顔を振りまく女子高生だ。
名前は川●海・・・なんとかいったな?。
さらに横でMr.Bを見上げる若い娘。
こちらはつい数日前、由美子が卒業した女子大の広報に掲載されていた女優だ。
朝ドラのヒロインも務めたという個性的な顔立ちの娘だ。
多●とかいうかなり個性的な名字だったが、本名なのだろうか。
こんな若い娘たちにまでドレサージュを…。
川●嬢の方は高校のものと思われる制服姿。
白いブラウスにチェックのスカートがどこか初々しい。
よくよく見るとブラウスの下で薄ピンクのブラの模様が浮かび上がっている。
Mr.Bの趣向なのだろうか。多部井の方は現代っ子らしく、どこか小生意気な素振りでラフなTシャツにジーンズのいでたちだが、対照的にフーゾク嬢さながらのド派手な黒いブラが透けて見える。
どうも彼の趣向は「透け」という点に凝縮されているようだ。
縛りは簡単に後ろ手でまとめてある。
これからドレサージュを本格化し、今はあくまでも簡単な拘束で試運転ということなのか?。
 「Mr.B!! お願い 噛ませて下さい」
 川●がはきはきした現代っ子の口調でMr.Bを睨むように見つめる。
でも声音にはどこか少女の恥じらいを感じる。
 「何をだね?」
 Mr.Bは意地悪でもするようにじらした物言いだ。
 「何って…さ、猿轡です」
 多●が我慢の限界とでも言いたげに身を捩った。
若い2人の娘もすでに猿轡に羞恥心を覚える肉体に変貌させられているのだろう。
彼女らが囚われているという事実にも密かな悦びを覚えているのだとすれば、その愛くるしい唇の間に噛ませられるギャグはたまらない興奮を呼び起こすのだろう。
 「わかったよ、お嬢さん方、だがこの私に猿轡の手ほどきを受けるにはまだ未熟だ これで我慢しなさい」
 
 川●は身体を小刻みに震わせながら、肉体の芯から沸き立つ興奮を抑えきれないとでも言うような表情で瞳を閉じる。
そのまつ毛も振動している。
多部井の方は涙まで流して身体を痙攣させている。
見るとジーンズの股間部分に大きく濡れジミが浮かび上がっている。
2人ともドレサージュの主からプレゼントされたブラックのギャグボールを噛み込まされている。
恥じらうように快感をこらえる川●は時折、ボールをくっくっと白い歯で噛みこむ。
その度に幼さの残る頬肉にバンドが食い込む。
多●の方は快感に陥落したのか、あの特徴ある眼を熱っぽく虚ろにトロケさせ、ボールと唇の隙間から唾液を滴らせている。
2人とも部外者の僕の視線を気にするでもなく、いやむしろ男性に囚われた自分たちの顔を見てもらいたいとでも言いたげな悩ましげな視線を僕に向けてくる。
 そんなMr.Bの妙技に陥落しつつある2人の美人女優を前に僕も我に帰った。
 「れいさんが奴らに捕まったんですよ!!」
 「残念だが作戦に犠牲はつきものだよ しかし、なぜ君はそれを?」
 僕はI教会に由美子が潜入したこと。
そしてれいが人質に取られたこと、ハードな公開責めをうけたこと、そして彼女を守るため僕の妻由美子が組織の手に堕ちたことを話して聞かせた。
Mr.Bは由美子が捕えられたことに相当なショックを覚えたようでしばし絶句した。
僕はイマイチ今回彼らが闘っている相手の実態がまだよく分からない。
 「Mr.B、答えてください 由美子を捕えた組織とはいったい?」
 Mr.Bは僕を促した。

 30畳はあろうかという広い大広間のような畳の敷き詰められた純和風の部屋。
そこに幽閉された囚われの美女一人。
むろんキャメロン妃その人である。
キャメロン妃は天井の梁に通された縄に後ろ手に縛められ、いわゆる立ち縛りのポーズだ。驚かされたのはその姿。
白いブラパン以外、一糸まとわぬ姿。
マスコミを通じても公表されているとおり、178センチのある上にまるでスポーツでもしているかのような鍛えられた肉体がコケティッシュだ。
しかも、である。
ブラジャーは極端に薄い布らしく、よくよく見ると「ちくび」がはっきりと確認できるではないか。
それだけではない。
秘部を覆い隠す下着も極端に薄い。
栗色のアンダーヘアの上にじわりと淫微なシミまで露わになっている。
Mr.Bのドレサージュによって囚われの自分に肉体的に快楽を覚える状態にまで昇華させられている証拠だった。
そして口には竹轡…。日本人とは異なり大きな口だが、その口すら塞ぎ尽くすジャンボサイズの口枷をはめられたキャメロン妃。
その薄いブルーに輝く瞳はとろけるような甘さを帯びている。
僕はその白人の姫君の艶姿に思わず息をのむ。
 「キャメロンへのドレサージュも順調だというのに、あのお方が組織の手に堕ちられたとは・・・」
 Mr.Bは項垂れた。

国家揺るがすを猿轡~7

翌日、四ツ谷駅を出たところで僕は一人の修道女に目を奪われた。
初夏が近づく今の季節には少し暑そうなベールからのぞく白い顔。
それは紛れもなく由美子だ。
表情は昨夜とは比べ物にならないほど厳しい。
でも見るものを釘付けにするほど美しい顔だった。
由美子は新宿通の横断歩道を素早く渡るとJ大学のそばにあるI教会の扉の中へ姿を消した。
僕は昼休みの残りがわずかなのも忘れて後を追う。
 
 教会の広い講堂はさまざまな人種であふれかえっている。
東京は外国人の集まりでもあるので驚くには当たらない。
皆素顔をさらしているがどこかその表情は秘密めいたものを感じさせる。
僕はその中で座席の一番隅に品よく腰かける日本人の美女を探し出し歩み寄った。
間違えようもない美しすぎる漆黒のショートヘア。
 「ゆみ」
 振り返った由美子は相当驚いたようだったが、すばやく身をずらして座席を一人分空けると、僕の手を握って引っ張り座らせた。
 「あなた、どうしてここへ?」
 小声で僕を問いただす。
 「虫の知らせ、かな? 愛する女の突飛な行動も亭主にはわかるのさ」
 僕はこの講堂の奇妙なムードに底知れぬ怖さも覚えていたが、つとめて格好をつけた。由美子がこんな姿で潜入している以上ただならぬ事情があるのだ。
そんな事態に直面している女房を前に弱みは見せられない。
由美子はもう、何してんですか~とでも言いたげな表情を見せたが、どこか嬉しそうなそれでいて僕たち夫婦の結びつきを感じさせる優しげな表情をした。
 「そうですね・・・あなたと私はいつも繋がっている・・・オシドリ夫婦ですからね」
 由美子はそう言って笑みを浮かべた。
 「なぜここへ?」
 僕が言いかけると由美子は警戒したように口に白い指を当てて声を静めるジェスチャーをした。
そして、周囲を一瞬見回すと万年筆らしきものをバッグから取り出しメモ帳に走らせた。走り書きだが達筆な文字が意味する内容。
それは僕を驚愕させた。
今日これから法話を説く大司教は世界的な裏政治のドン。
その司教にキャメロン救出を企てる秘密組織との仲介を直談判するのだという。
つまり、Mr.Bが一国のプリンセスをさらいドレサージュまでしたことの怒りを鎮めさせ、彼らの命を保証してもらう代わりにキャメロン妃を無事相手国に返す、という交渉をするつもりらしい。
理屈はよくわかる。
しかし、だ。
僕は自分の恋女房と信じて疑わない由美子がますます分からなくなった。
確かに我が妻は稀に見るいい女だし、若い世代には珍しいほど聡明な娘だ。
でも裏社会のソレも世界を股にかけるドンと渡り合うつもりとは一体・・・?。

 そうこうしている間にキリスト教特有の幻想的なパイプオルガンとともに白髪で眼鏡をかけた大柄な白人の老人が司祭に歩み寄る。
何かを話しだしたが、英語に疎い僕にはチンプンカンプンだ。
TOEICの成績も高く日常会話は勿論、銀行員時代は通訳もしていたという由美子は真摯な目を彼に向けている。
まるで一縷の望みを視線のはるか先の老人にかけるかのように。
しかし、その表情が急に変わった。
 「あなた、私の言うことを聞いて・・・ もう手遅れみたいです・・・ この社会にも、もう・・・白人の祖国の手が回っている」
 由美子は僕の方を向かずに囁くように言った。
 僕は由美子の真意を聞き出す間もなく天井から星を模したような大きなプレートが徐々に下がってくる。
そこに大の字に拘束された一人の女・・・。
まるでキャサリン妃のように無残にそれでいて刺激的な姿だった。黒い蝶がらのブラとパンティが確認できる。
凝った下着で蝶が浮き彫りになっているのが遠目にも確認でき、ところどころ肌が確認できるかなり透けた部分の多い大胆なものだ。
その露わになった肌はとてつもなく白い。
僕は思わず声を出しそうになった。それは単に厳粛な場であるはずのここに女が晒されているからではない。
そのさらされた女が問題だったその女とは、そうMr.Bの寵愛を受けていた女優「れい」その人だったからだ。

 「れい・・・囚われてしまったのね」
 由美子は無念そうに囁く。
れいとMr.Bと別れたのは昨晩だ。
その後、れいは秘密組織の襲撃を受け囚われてしまったのだろう。
それは組織の魔手はMr.Bのすぐそばまで迫っているということを意味している。
それにしても、由美子はやはりれいとも知り合いなのだ。
しかも相当年上の筈の彼女を呼び捨てにしている。
まるで姫様が少し身分の下の傍目を呼ぶようだったが、とても自然だった。
 それにしても、れいは無残だった。
手首と脚首は大きく開かれ鉄枷で拘束されている。
スタイルは抜群にいい。そこはさすがに女優だ。
特徴ある高い鼻、割れたような顎が印象的な端正な顔が時折悔しそうに揺れる。
瞳には涙が浮かんでいるのが遠目にもわかる。
れいがどんな状況で彼らの手に堕ちたのかは分からない。
だが、少なくともMr.Bを愛していた彼女のこと。
彼を守るべく自分の身を犠牲にしたことは想像に難くない。
愛する男を守るため敵対する組織の手に堕ちるというDIDを象徴するようなスチュが現実に目の前に広がっている。
捕えられ無残な姿をさらしつつも、彼女はやはり美しかった。
そんな彼女をどうするつもりなのか?僕は眼を凝らすと、ある事実に気がついた。
れいが身につけている黒い下着。
よくよく見るとそれはただの下着ではないようだ。
大司教は行動の面々に向けて何か言葉を発している。
そして傍らに向け合図をした。
すると…。胸元のちょうどコリッとしたつぼみがフィットするであろう部分が微妙に震えだしたのだ。
そう、これはいわゆる快擦下着。
ということは下の部分も…。僕の淫微な予感は的中した。
遠目にもわかる股間部分の黒い蝶の模様が激しく動き出す。
と御膳、女優れいの最も敏感な部分には男性のシンボルをかたどった何か、が挿入されているのは疑いようもない事実だ。
れいは最初は気丈にも聴衆から顔をそらし耐え忍ぶ表情だったが、一定の時間いたぶりを受けるとこらえきれないように苦悶の表情を浮かべ白い身体を捩った。
大の字に固定された美しい女優。
演技でも何でもなく自由を奪われている。しかも愛しているであろう男を守るために…。
 「なんて…なんて無慈悲なことを・・・ 卑怯だわ」
 由美子は珍しく悔しそうに聡明な顔を険しくゆがめている。
ステージ上では白く細い両脚の付け根で暴れまわる黒蝶に敏感なものを嬲られ続ける美しい女優。
僕としてはどうしていいものか…。はっきり言ってこの上なく刺激的なシーンだ。DIDファンの性。いたぶりを受ける美女を前に愛妻とそれを眺める。
だが、由美子は極めてシリアス。当然だが。
 「どうやら私・・・罠にはまったみたいですね 石橋竜太郎・・・」
 からくりは僕にも読める。
石橋は白人の祖国の送り込んだ組織に情報を流したのだ。
由美子の正体、Mr.Bのことも。
組織は大司教を買収。
段取りは不明だが、交渉を求めた由美子がここに来ることを察知した。
不審に思った由美子がここから逃れられないように、捕えたれいを公開で拷問にかけているのだろう。
れいの狂悦の声が響く・・・。

 「ニンフ様ぁ~~・・・、あッ、ああッ~~ お、お逃げ下さいぃい~~ッ」
 れいは快楽に拘束された手足を引きちぎらんばかりに引っ張り、仰け反りながら悶える。由美子は再び囁いた。
 「あなた・・・何も言わず黙ってここから立ち去って・・・ あの人たちの目的は私一人のはず… 彼らはここに残った女を女神ニンフと認めるそうよ」
 「まさか、自分から捕まるのか」
 僕は思わず大声を出しそうになったが由美子は努めて冷静だ。達観したというべきか、観念したというべきか。
 「このままではれいが・・・見捨てては逃げられない」
 由美子は瞳を悲しげに沈ませる。
若くして、組織のリーダーなのだ。
その優しさと正義感は部下にも変わらず、振り分けられるのだろう。
しかし、そのために夫である僕との別れが迫っているのも事実だった。
 「必ず、助けるから」
 僕は涙声になりそうになりながら傍らの美しい妻に囁いた。
 「大丈夫、これでも女頭目、ですよ・・・」
 そんな夫をまた例の小悪魔的な声で慰める由美子。
 「さ、はやく・・・必ずまた一緒に暮らせるときが来るから・・・」
 僕を促しながら別れ際由美子が普段手にしているロザリオを握らせてきた。
妻を守れず、みすみす悪漢の手に渡してしまう苦しさにじわじわと苛まれる僕。
よがり狂う女優れいを背に大勢の人間たちが無表情で出口に向かう。
彼らもどうやら裏社会のに人間のようだ。
今回の事案にかかわる人間だけが残り、大司教と対話する。
それがルールのようだ。
つまり買収された大司教に指名された女神ニンフ、由美子はここで彼らの組織の手に堕ちることになるのだ。
由美子たちの組織の敗北を象徴する場面が去り際の僕の目に飛び込んできた。
 「ああうぅ~~ッ 女神ニンフさまぁ~~お逃げになってぇぇ~~ッ!!」
 なおも自分の組織のリーダーを慮るれいの口が塞がれた。
ついに囚われの美女の象徴猿轡がれいの口にカキッと大司教によって噛まされた。
かなり薄汚れた雑巾のようだったが、美しい顔に薄汚れた布は妙にコケティッシュに調和した。
かまされた瞬間、れいは叫んだ。
Mr.Bと…。ドレサージュした相手に対するロイヤリティなのか、単に恋人と慕う男に助けを求めたのかは不明だ。
しかし、猿轡はドレサージュによってDID体質に変貌させられた彼女の快感にとどめを刺したようだった。
秘部で暴れまわる黒蝶がぬるぬるに光る液体にまみれ、くぐもった歓喜の声が響くのを目の当たりにした僕は妻を守れなかった敗北感と、妖しげな興奮に身体をほてらせ教会を出た。

国家を揺るがす猿轡~6

第6章
 僕は声をあげそうになった。
女は紫色のゆかた姿だった。
Mr.Bもこの宿のものと思える浴衣という和風のいでたち。
Mr.Bは女の背後に回り込んでいる。
そして、浴衣を両肩から滑らせるようにはぎとる。
手には細くも丈夫そうな縄を持っている。
それを彼女の華奢な身体に這わせる。
手慣れた手つきだった。
しかも縛り方が凝っている。
僕の記憶では捕り縄術で言うところの笈摺り縄…。
後ろ手に縛めるのは通常だが、首と腕にもまわし、その後に手首を交差させるという高度なテクニックだ。
女は嫌っと声をあげ抗うふりをする。
しかし、縄を打たれることにとてつもない快感を覚えていることは見て取れた。
女の背中はまるで蜘蛛の巣が張ったように、それでいて芸術的と言えるまでに美しく、ちょうど六角形に縄が這う。
ブラのホックは外さない趣味のようで、縄の下に黒い刺激的な、下着がわずかに確認できた。
女はキャメロン妃に負けず劣らず、恍惚の表情を浮かべている。
その顔が僕の視界に入ったとたん僕は声をまたあげそうになる。
その女とは・・・。数年まで宝塚で娘役を張っていた女優。
今はあの山川作品にも多数出演し、盲目の武士の妻役を好演し、中高年に嫁にしたい女優の現代版ともいわれる。
そういえばビールのCMにも出演し旦那さんの帰りをビールとともに待っているあの女だった。
「アッ、アアァ~~……Mr.B……幸せに存じますぅ・・・」
 女優はMr.Bを狂おしげに見上げている。
Mr.Bは女優を縛り終えると今度は少しけだるそうに小さな竹轡らしきものを取り出すと、彼女の前にしゃがみこみ、小顔を少し乱暴に引き上げた。
「お前にも困ったものだよ、れい ビールと待っていてくれるくらいならば気楽だが、私の手を煩わせてばかりでは困るな」
どこか、女優に対する愛情を感じさせる言い回しだったがMr.Bはこの時ばかりは容赦なくというように、彼女の口を人差し指と中指で左右にグイッと広げる。
女優の美しく控えめな口が激しく歪む。
そして光沢のある緑の轡がはめ込まれる。
キャメロン妃に用いたものよりかなり短いサイズだ。
「さあ、どうだね、満足か?」
 Mr.Bは静かに尋ねた。
女優は言葉を発する代わりに涙を流し切なそうにコックリと頷く。
快感と高揚のためか縄の下で白い肩が震えている。
女優は、Mr.Bのドレサージュを受けたいわば「作品」なのだろう。
僕は気が動転しそうだった。
いったいどうなっているのか?Mr.Bとはいったい何者なのか。
国民的女優、女子アナ、令嬢、そしてプリンセス…。
かくも簡単に世界の美女たちは彼によって陥落させられていく。
僕は嫉妬とも、羨望ともいえる気持で部屋を後にした。
そしてこの時思った。
Mr.Bを説得するのは無理だろうと。
彼はドレサージュのプロなのだ。
思い立った行動は成功するまで続けるだろうと。

 結局のところ、僕はMr.Bを説得できず、失意の中帰宅することとなった。
僕からの報告を聞いた由美子は残念そうな表情を一瞬見せたがすぐ、いつもの「嫁さん」の顔に戻り僕をねぎらってくれた。
 「どうするつもりだい、ゆみ? 今回のことは僕たちには荷が重すぎる事件だよ」
 僕は由美子を慰めるように言った。
しかし、由美子は聡明さを象徴するような瞳に強い意志をたたえ僕を見た。
 「いいえぇ~そうはいきません これは人の命や、民族の存続まで絡んだ問題・・・ 組織のリーダーとして責任があります」
 由美子は気真面目にそういったあと、急に柔らかな眼差しになり僕を眺めた。
 「私もわるぅ~~い組織の‘女頭目’ですからいろ~んなことを企みますよ」
 クックと笑う小悪魔的な表情が愛おしかった。

国家を揺るがす猿轡~5

僕は日曜日K村に向かった。
 「無理は絶対しないでくださいね Mr.Bを説得する、それだけで十分です 貴方を巻き込みたくない」
 由美子は僕にギュッと抱きついてきた。
いつもに増して熱い抱擁。
僕は相当嬉しかった。
 Mr.Bの指定した場所は富士山の良く見える人里離れた宿だった。
秘密組織が使うにしては意外な宿だった。
しかし、そこで僕は驚くべき情景を眺めることとなった。
Mr.Bはどこか和んだ様子で、それでいてどこか残忍性を含んだ表情で僕を迎えた。
 「遠いところをすまなかった、U君」
 Mr.Bは日本間から頂上付近まですっきりと望める富士の姿を眩しげに見つめる。
 「DIDというのは気分も大切でね、こういう純和風のスチュでなければできないこともあるんだよ 特に今回のようなドレサージュではね…」
 今回のドレサージュがどんな目的で行われているのか僕はまだ彼から具体的に聞いていない。
キャメロン妃をドレサージュすることで彼女をどのように変貌させようというのか。
Mr.Bは部屋を出るとにこやかに僕を促した。
それは立派な日本庭園だった。
富士の湧水が流れ込む池。涼しげな風が竹林を駆け抜ける音、そして新緑の匂い・・・。どれを取っても純日本的な光景だった。
が、そんな中一点だけ日本的でない存在が目に飛び込んできた。
そしてそれは目を覆いたくなるほど、刺激的な光景だった。
一糸まとわぬ姿で竹と竹の間に大の字に、しかも逆さに両手両足を縛められた栗色の髪を持つ美女、そうキャメロン妃だった。
囚われのプリンセスはあまりにも無残だった。
彼女の口に噛まされた猿轡はなんと竹轡ではないか。
西洋人には似つかわしくない竹を加工した轡が彼女の白い頬に食い込んでいる。
モデル並のスタイルで肉体美を称賛されるキャメロン妃のダイナミックなナイスバディが竹の間でぎゅうぎゅう音を立てて歪んでいる…。
そして僕の心臓をわしづかみするような細工はまだあった。
キャメロン妃の秘部にはなんと…。竹の筒が挿入されていたのだ。
彼女の股ぐらをえぐるようにねじ込まれた竹筒は天井を向いて彼女の悶えに合わせて震える。
よくよく見ると彼女を吊るした股間の上あたりに小さな樽が吊るしてある。
そこから一滴、また一滴と謎の液体が滴り落ちるのだ。
その液体はキャメロン妃の秘部の竹筒の中へと吸い込まれていく
。当然いちばん敏感な部分に浸透しているのだろう。
 「Mr.B…あれはいったい」
 「ふふふ…富士の湧水とわが組織に代々伝わる秘液を混じり合わせたものだ この液体が尽きる頃にはキャメロンは・・・まあ仕掛けをごろうじろ、だね」
 僕は身体に震えを覚えるほど、感激してしまった。
囚われた姫君。
その姫様は、異国人の叡智を凝らした責めに悶絶している。
見ると、キャメロン妃は恍惚の表情だ。
逆さにされ手首足首に食い込む縄の痛みも尋常ではないはずだ。
でも今、彼女はそれを忘れるほどの快楽の坩堝にはまっている。
その証拠に、胸元の「大きな山」ふたつは垂れることなくまるで噴火寸前のように膨張し続け、その上で普段は小さなつぼみのはずの突起もヒクついている。
さらに、秘部にねじ込まれた竹筒の間からも液体が滲み出ている。
それは秘薬によるものではなく、彼女自身の歓喜のジュースであることは容易に想像がついた。
おそるべし、Mr.B・・・。
僕は思わずつぶやいた。
もはやキャメロン妃の陥落の時は間近に迫っているのは間違いなかった。
ぽたーん、ぽたーん…。
竹筒に水滴が落ちるたびプリンセスの悶えとくぐもった喘ぎが漏れる。
これぞ日本の正しき光景(?)。

 ミイラ取りがミイラになる、ではないがMr.Bを説得する使命を忘れかけドレサージュを施されるキャメロン妃の姿に心奪われてしまった僕だが、悪いことにさらに刺激的な光景を目の当たりにすることになる。
信じられない事実とともに。
 意識を失ったキャメロン妃はMr.Bの部下によって宿の地下へと幽閉された。
さんざん愉しませてもらいながら僕はMr.Bにこのドレサージュの中止を申し入れるべく彼の部屋を訪ねた。
が、声をかけようとした瞬間、中の気配を感じて僕は耳を澄ます。
 「お…、お願いいたします、Mr.B・・・私を・・・キャメロンほどにとまでは申しません、どうかご寵愛を」
 女の声だった。
どこかで聞いたことがある…。
そう、教会で出会った女官だ。
 「私も疲れているんだよ、れい・・・」
 「でも、私はこの気持ちを抑えきれない こんな女に仕立て上げておいて、何もして下さらないのですか?」
 女官はかなりエキセントリックになっている様子だ。
数日前に会った彼女は表情こそうかがい知れなかったが、穏やかで清楚な印象だった。
のぞきなんて趣味ではない。
でも、僕には興味があった。
そこで何が行われているのかを。
Mr.Bが絡んでいる以上ただの、「交わり」で終わるはずはない、そんな確信があった。僕はふすまを数ミリだけあけるべく指をかける。そして眼を凝らした。そこには…。

国家を揺るがす猿轡~4

週末、自宅に来客があった。
といっても僕が帰宅したときには客は帰るところだった。
その人物は衆議院議員石橋竜太郎だ。
彼は僕たちの家の選挙区で義父と付き合いがある。
由美子とも顔見知りで僕たちの結婚披露宴にも出席していた。
由美子は父親に代わって地元の集まりにも出席していたし、幼稚園で理事まで務める名士でもあるので別に彼が僕らの家を訪れることは不思議ではない。
でも、婿とはいえ亭主不在の美しい若い女の家に上がりこむのは少しぶしつけではないかと僕は少し不快だった。
 「お帰りなさい。あなた、石橋先生よ」
 由美子は僕をいつもどおり温かい女房の顔で迎えてくれた。
由美子はこういう場を作るのがうまい。
結婚以前から、僕が親戚中の集まりで輪に入れずにいると自然に引きいれてくれるような気遣いと聡明さを見せ、僕を惚れ惚れさせたものだ。
その「偏差値」に表れない天性の頭の良さは今もって輝きを失わない。
また不満や、予想外のことが起きてもそれをおくびにも出さない利口さ、悪く言うと人に腹を見せない部分を兼ね備えている。
しかし、この時僕に見せた笑みの中になにか、予定外のことが起きたという焦りにも不安にも似た表情が浮かんでいたのを僕は気がついた。
そして、どこかその表情が僕の大好きな妻由美子ではない、女神ニンフの顔に見えた。

 「石橋センセイは何のようだったの?」
 僕は少し皮肉交じりに訊いてみた。
僕は政治家とか名士とか言う類の人間が嫌いだ。
お嬢様とか、プリンセスとかいわれる女性は大好きなのだから自分でもあきれるが。
 まぁ~たそんな言い方して、と苦笑しながら由美子は答えた。
 「いつもどおりの選挙応援よ お願いしますってね・・・」
 由美子はテーブルに置かれたままの茶卓を片付けようとしながら答えた。
 「今度の選挙は入れてあげて下さいよ 日本を良くするためにって、ね」
 由美子は少しおどけて僕に微笑んだ。
可愛かった。
でも、茶卓をつかむ手がわずかに震えている。
直感で何かあると僕は思った。
 「ゆみ、君は僕に何か隠しているだろう? Mr.Bのことか? それとも・・・キャメロン妃のこと?」
 由美子は僕に背を向けたまま何かを思い悩むように立ちつくしている。
 「Uさん・・・だったら私もお聞きします あなたも何かを隠してますよね?」
 振り返った由美子の顔は本当に美しかった。
 「私たちは仲の良い夫婦よね 本当にそう思う・・・ 隠し事はあっては駄目よ、ね・・・」
 由美子は悲しげに瞳を曇らせた。

 由美子と僕はソファの上に仲良く並んで腰をかけ体を寄せ合い、そして話し合った。
僕たち夫婦は大事な話をするときは身を寄せ合って話すことにしている。
サマーセーターから伸びる白い二の腕が僕の腕に触れる感触が暖かい。
そして僕と反対方向にすっと揃えて伸ばした素足がまたたまらない。
結婚3年、まだ大切に思ってくれているんだな~と心の中で惚気てみたりする。
だが、由美子の口から漏れてきた話は、若い夫婦が自宅でいちゃつきながらするようなものではなかった。
 「実は、ね・・・ チームDが・・・あ、あのMr.Bのグループのことだけれど・・・」
 チームDというのか。Mr.Bの組織は。
 「今回キャメロン妃をさらったのは貴方も感づいている通りMr.Bです」
 「Mr.Bはなぜキャメロン妃を?」
 僕の疑問に由美子は聡明さを象徴するような瞳をそらしながらゆっくりと噛んで含めるように僕に話した。
 「世界の覇権を握っているのは間違いなく米国・・・ でもそれをコントロールしているのは‘白人の祖国’です・・・ あの国はアジアの国々、それも宗教的に対立する国に争いを仕掛けようと動き始めているの・・・ そうなれば未来に渡ってどれだけの犠牲が出るか想像できるでしょう? 国民啓蒙のために様々なプロジェクトが今も進行している その中心に誰がいると思う? 王室の人々よ・・・無論表向きは王室に実権はない でも、事実は違う 公にできないものと闘うためには裏の力、が必要なの」
 キャメロン妃と婚姻を結んだ王子はゆくゆくは実権を握る。
そうする前にキャメロン妃を捕え政治的に利用すべくMr.Bは奔走しているのか?僕は疑問をぶつけてみた。
 「それは少し違うと思う・・・ Mr.Bはドレサージュで王室を・・・国家の陰謀を壊そうと試みているんだと思うわ・・・ でもそれは無理なことだし危険が多すぎる」
 由美子はキッと表情を引き締めた。
キャメロン妃に厳しいドレサージュを施しているのは事実だがそれをもって国家の陰謀を壊すというのが僕には理解ができない。
しかし、それよりも由美子の言葉に僕は事の重大性を認識することになる。
 「キャメロン妃がさらわれたことは、あちらの国でもとっくに知られているわ もう当局の秘密組織がMr.Bたちの動きを探っています もし、キャメロン妃に過酷なドレサージュを施したことが知れれば彼らは実力行使に出るでしょう・・・Mr.Bはドレサージュの力を過信しています 石原先生はキャメロン妃を無事にお返しすればかの国に裏取引として策謀の方針転換を約束させことができるって・・・ でも無事返せなければ・・・ そうなる前にMr.Bを止めなくては でもここ数日間連絡が取れないの」
 由美子は憂い顔だ。
そういえば、Mr.Bは僕にも連絡をくれない。
もうK教会にはいないのかもしれない。
 「もう遅いかもな・・・Mr.Bは先だってキャメロン妃をドレサージュしたよ」
 「ええ!? ほんとうなの!?」
 由美子は一瞬驚いたように眼を見開いたが、すぐに聡明な瞳を取り戻した。
繰り返すが由美子は頭の良い娘だ。
事態が悪転しても他人や状況のせいにはしない。
すぐ打つ手を考える利口さと前向きさを持っている。
でも今回は話の規模がでかすぎる。
組織の総帥、由美子の知らないところで話は動いていて、亭主の僕だけは双方の事情を知っているというおかしな事態だ。
 「大丈夫、僕はMr.Bに通じているところがある 連絡を取ってみるよ」
 僕は胸を張った。
由美子は珍しく(?)僕を頼りがいのある目で見て、両手を胸元で握りしめ、すがるような瞳で見つめてくれる。
国家の危機、いや妻の願い、変な使命感を胸にすっくと立ち上がる。
でもその前に一つ聞いてみたいことがあった。
 「ねえ、ゆみ」
 「はい?」
 「Mr.Bのドレサージュを受けているとき・・・どんな気持ちだった」
 怒られても仕方のない質問だった。あれだけあられないドレサージュを徹底的に施された由美子。
しかもその依頼者は僕だ。
由美子は憤怒の表情を…と思いきや。由美子は恥ずかしそうに身体をじらし、僕から目をそらし口もとにに手を当ててもじもじしている。
泣きそうな表情で僕を見上げる目がたまんなく可愛い。
 「そんなことを・・・Uさんが・・・私に訊くの?」
 この時ばかりは由美子は僕の女房の顔になっていた。
 しかし、事態は早く、こちらの行動はすべてが遅かった。
Mr.Bから僕のもとに連絡が入った。
 「U君 キャメロンの最終ドレサージュを行う まさにラストミッションだよ 私はもう東京にはいない 場所は・・・Y県のK村だ」

国家を揺るがす猿轡~3

翌日、残業と由美子にうそをついた僕はK教会に向かった。
Mr.Bは僕を迎えると、その意志を再確認した。
僕が彼の大仕事を手伝う決心をしたのは、彼らのドレサージュを体験してみたいという好奇心からだ。
世界各国あまたの美女を捕らえ、DID趣向を開花させてきたMr.Bとその一党。
その所業をしかとこの目で見てみたいからだ。
僕の決心を聞き届けたMr.Bは僕をかつて秘密の宴の開かれた地下室へと連れて行く。
 古びた大広間の横に小部屋がある。
その扉を開けたMr.Bはご覧あれと僕にその中の「獲物」を見せてくれた。
僕は眼を見張った。
そこには生け捕りにされた白人の美女一人。
それは先だって拉致された「白人の祖国」の姫君。
そうキャメロン妃である。
キャメロン妃は地面から備え付けられた柱に後ろ手に縛められて、178センチともいわれる長身を捩らせる。
かしこまったドレス姿ではない。
友人たちとパーティでも開くときのような花柄で白のミニのワンピース姿だ。
胸元はぱっくりと割れ、大きな山が身を捩るたびにゆさゆさと揺れる。
しかもスカート部分の裾からはむっちりとした太股がむき出しになり、これまた不自由な身体を振り切ろうともがくたびに淫微にこすれる。
おまけに大サービスで足首まで柱に縛められており、彼女に逃れる術はない。
キャメロン妃は白人でありながらやや薄い褐色の肌をしていて、それが逆に健康美を引き立ている。
そんな美女が縛られているのだ。
しかもこの美女はお姫様。
文字通り囚われの姫君である。
そして、キャメロン妃の口には囚われの美女の象徴猿轡。
しかも鉄製の口枷が彼女のほほ肉にガキッと食い込んでいる。
キャメロン妃は薄いサファイヤ色瞳を見開き僕らを憎々しげに睨んでいる。
僕は一瞬にして股間を固くしてしまう。
 「日本人と違って、やはり勝気だよ、白人は…」
 Mr.Bは少し呆れたように、それでいて蔑むような眼で目の前の女囚を眺めている。
その口調にはどこか、目の前の若いお妃というより、白人社会先般への挑戦とでも言えるような攻撃性が含まれているように思えた。
 「キャメロン妃をどうするつもりです?」
 僕が尋ねるとMr.Bは背後に仕えていた女官に合図しながら答えた。
 「先だってお見せできなかったラストミッションを今日こそお見せするよ、U君…」

 僕の欲望のツボを突き切った光景が目の前で展開された。
ステージ上に用意されたお立ち台。
そこにまたがらされたキャメロン妃。
両手首は背後の柱から伸びる黒革製の拘束具に繋ぎとめられている。
脚首も台に備え付けられた拘束具にきっちりと捕えられキャメロン妃は大開脚ポーズで拘束されているのだ。
しかも、キャメロン妃がまたがらされた台は股間の真下がくりぬかれていて人がしゃがみ込んで覗けるような嬉しすぎる配慮までしてある。
 (やはりMr.Bはプロだな・・・)
 僕は思わず感心してしまう。
しかし、今回のMr.Bはどこかこれまでと様子が異なる。
由美子のドレサージュの時もそれ自体は厳しくとも、女性に対する愛を感じたし、それ以外の振る舞いでは紳士を絵に描いたようだった。
が、今日はキャメロン妃に対する女性への配慮は全くない。
どこか奴隷を扱うような、一口に言うといたぶることを目的としているような印象を受ける。
僕の心を一瞬にして察したようで、Mr.Bは静かに語り始める。
 「U君…DIDドレサージュは必ずしも、女性を愛でるためだけのものではない 時としては憎悪をあおるため、そして国家を揺るがすために行われるものなのだ」
 国家を揺るがす・・・?由美子が口にしたセリフと一緒だった。

 キャメロン妃の鉄轡の下からくぐもった声が響く。
彼女の舌が動くたびに金属音が響く。
たぶん、自害防止用にプレートを喉の近くまで押しこまれているのだろう。
西洋ではよく用いられる方法と聞く。
ドレサージュも完全に白人仕様といえる。
それにも増して驚いたのは、またがらされたキャメロン妃の股間からは下着が取り去られていたことだ。
そう、白人らしい栗色にも似た品の良い色の毛がお目見えしている。
ドレスの胸元からもブラは見えない。
さすがにMr.B、抜かりはないようだ。
 「さあ、始めようか」
 Mr.Bはかたわらの女官に命じた。
気がついたのだが、今日の女は丸で修道女のようなベールを身にまとい、目以外は全く肌を曝していない。
見ると彼女は剃刀を手にしている。
Mr.B直属の男たちが手に何やら薬品を塗りたくり、キャメロン妃の股間をまさぐり始める。
やがて、ぬるぬるに光り始めた彼女のその部分に剃刀を手にした女官の手が伸びる。
 「オォ~~・・・ヌオォ~~・・・」
 鉄轡の下でキャメロン妃の嗚咽が漏れる。
薄いブルーの瞳は悲しげに歪み、大粒の涙がこぼれ始める。
キャメロン妃は29歳と聞いている。
由美子とほとんど変わらない。
愛する妻がこんな目に遭わされたことを知った彼女の夫、すなわち王子はこんな光景を目にしたらどうなるのか?
今のキャメロン妃はプリンセスであれ、お嬢さまであれ、そんなことは関係なく囚われの美女でしかないのだ。
気の毒だ、と思う気持ちより嗜虐心が勝ってしまう。
 「羞恥心を壊す、というより弄ぶってことか」
 僕はひとりごちた。
 「わかっているじゃないか、U君…」
 Mr.Bは僕のつぶやきに応じた。

 Mr.Bの行動はなぜこうも僕を刺激するのか。
彼はキャメロン妃がアソコの「イチジク」をお披露目し項垂れる様をしばし小気味よく眺めていたが、満を持して、とでも言うように「大開脚の姫」のもとに歩み寄る。
そしてアソコが覗けるお立ち台のスペース部分にしゃがみこみ、指を「そこ」に滑り込ませる。
荒々しく、そして執拗に・・・。
キャメロン妃はまるで己の快感のツボをMr.Bに捕まれた、とでも言うようにビクッとナイスバディを震わせ、目を大きく見開いたり甘く閉じたり首を振り、そして鉄轡の下から嬌声を漏らす。
女性をドレサージュするプロのMr.Bにかかればたとえ、どんな貞操な女でも陥落しかねない。
そう、プリンセスでさえも・・・。
 はあはあと肩で息をするキャメロン妃はやはり色っぽい。
美貌を切なげにゆがめロングの栗色の髪を滴らせ項垂れるキャメロン妃。
しかもただでさえ大きい2つの山が膨張し、その上でそそり立つつぼみが大きくコリコリに膨らんでいる。
好みもあろうが、長身でナイスバディのキャメロン妃は男好きがする体なのだ。
そんな彼女があられもないポーズで拘束されドレサージュされているのだから、たまらない。
Mr.Bの指使いに姫君はすでに「いく」寸前なのだろう。
だがMr.Bは簡単にとどめを刺さない。
手首を震わせ小刻みに振動を与えたり、アソコのつぼみをつまんだりしているのだと思われる動きでさんざんキャメロン妃をいたぶるが、筒轡の下で歓喜の声を上げる寸前になるとそれをやめてしまうのだ。
 「プリンセスはすきもの、のようだね」
 美しい瞳を熱っぽく潤ませながら、哀願するキャメロン妃を徹底的に弄ぶ。
傍らにいた女官がなにやらキャメロン妃に囁いている。
たぶんMr.Bの言葉を英訳して伝えているのだろう。

 「ならば、少しドレサージュを厳しくしようか」
 Mr.Bはキャメロン妃の美しい顔を顎をかけて引き上げ、背後に手を素早く回し鉄轡の拘束具を外した。
僕の予想通り、彼女の口から自害防止用と思われる鉄製の丸いプレートが引き出される。
姫君の長いベロから離れたプレートがおびただしい唾液の糸を引く。
一時的に口は自由になったキャメロン妃は少し悲しげに、それでいてしっかりとした口調でMr.Bに何かを抗議しているようだった。
英語をまるで理解できない僕に通訳は無理だが。
由美子でもいれば面白いコメントを通訳してくれたかと思うと残念だった。
しかし、いつの間にかMr.Bの配下の女官が僕に近づき、囁くように教えてくれた。
 「お助けいただきたい、そうですわ、お金ならば祖国がいくらでもお支払いいたします、とも」
 「ふッ 選民意識に凝り固まった姫君の言いそうなセリフだね それが、めぐまれない国々、を支配する口実かね」
 Mr.Bは皮肉交じりの口調で吐き捨てた。
 「レイ、あれを用意しろ」
 Mr.Bにレイと呼ばれた女官はあるものを手渡した。
一見、何の変哲もないギャグボールだった。
まあ、ギャグボール自体変哲があるもの、かもしれないが。
それを咥えこませられて数秒後、キャメロンは無情の叫びとも言える断末魔の悲鳴を上げたのだ。
 「ヌオオオオオォォォーーーーッ!!!!!」
 「こ、これはいったい?」
 僕は驚いて尋ねた。
 「なに、少し姫君を日本風のやり方で歓待して差し上げたのさ」
 「あのギャグボールは、山葵仕様ですの 噛みこむだけで口の中で山葵の風味がよ~く漏れ出るように開発したものです」
 女官も傍らでニッと目で微笑む。
 まるでこの世の終わりでも目のあたりにしたようなキャメロン妃の叫び。
ロングヘアーを振り乱し、目をかっと見開き、涙を溢れさせ、鼻水まで噴き出させながら、ヌオォ~とわめくお姫様。
それはそれでたまらなく色っぽい姿だ。
まあ、鮨を食べ慣れた日本人が口にしても激痛同然の衝撃が走るワサビの風味は食べ慣れない西洋人が、しかも直接口にしたら誰でも我を忘れて悶え狂うだろう。
その山葵ギャグの効果は絶大だったようでキャメロン妃は何と失神してしまった。
山葵ギャグを噛み込んだまま口の端から唾液を漏らし、鼻の穴からも2筋の水が流れたまま瞳は固く閉じられている。
しかも、カクンと項垂れた後、股の間にちょろちょろと水の流れる音が…。
わずかに沸き上がる湯気。
僕は見てはいけない、そして見ることができるはずもない光景を目にして嬉しいやら興奮するやら…。
それでもこの小一時間のドレサージュはある種の感動を覚えるものだった。
実質何もしなかった僕だが、Mr.Bはここに立ち会ったことをひどく喜んでくれて固い握手まで交わして彼と別れた。
今後もドレサージュを行うたびに僕に来てほしいということだ。
魅惑のプリンセスのドレサージュ。
まるで夢でも見ているみたいな、感覚にとらわれながらも僕は今回のドレサージュの目的を聞けずにいたことが気にかかった。
そして、もう一つ気にかかるのはMr.Bの傍らに、ずっと仕えていた女官のことだ。
目もとだけでしか、彼女の容貌をうかがい知ることができなかったが、どこかで見たことのある切れ長の美しい目。
そしてやや言葉尻を持ち上げるように、それで言えて上品にすっと切るような口調。
やや京都弁にも近いような言葉遣いだ。
そして低くも通りの良い澄んだ声にも聞き覚えがある。
目もとから察するにかなりの色白だし、細身であることはベールの上からでもわかる。
誰だろう…?僕は思案したがその時は思い浮かばなかった。











国家を揺るがす猿轡~2

第2章

1カ月後。
ネット上で衝撃的なニュースが飛びかった。
先ごろ「白人の祖国」の王子とロイヤルウエディングを挙げたプリンセス、キャメロン妃がお忍び新婚旅行で来日し、何物かに拉致されたというのだ。
むろんテレビやラジオでは一切の情報は流されない。
報道協定が敷かれたことは想像に難くない。
しかし、ネットの世界は別だ。
動画投稿サイトには明らかにキャメロン妃と思われるやや栗色がかった長い髪の白人の美女が数人の男たちに担ぎあげられ連れ去られる様子と、新妻を奪われ泣き叫ぶ王子らしき青年の声が克明に記録された映像が流されている。
不謹慎なのは重々承知だ。
しかし、正直に言おう。
僕はこの動画を見たとき。凄まじい興奮を覚えた。
よその国の美しい姫君が何者かに囚われる。
僕にとって、いやDID趣向の男にとっては憧れのスチュではないだろうか?僕は画像を何度も停止させ妖しい興奮に心を昂ぶらせた。
担ぎあげられるキャメロン妃の手首は後ろ手に括りあげられており、さらに口には漆黒の猿轡がしっかりと咥えこまされていたからだ。
数人の男は何かの組織なのだろうか。
それにして相手はプリンセスだ。
警備をかいくぐりさらにさらった姫君を瞬く間に縛りあげ猿轡まで噛ませるとは…。
ネット上ではキャメロン妃をさらった相手の予測に混じり、拉致され囚われの姫君となったキャメロン妃がどんな目に遭わされているかを想像するサイトまで立ち上がり盛況を催していた。
当たり前に辱めを受けているという書き込みが乱舞する一方、キリスト教に牙をむく特定の宗教集団に捕まり拷問を受けているというセンセーショナルな予測も書きこまれていた。
重ねて言うが不謹慎であることは承知していながらも僕は興奮を抑えきれない。
世界を母国の共通語で括りたがり、世界のリーダーを自認する国の兄貴分的な立ち位置でアジアや後進国を見下ろす、かの国。
その姫君が捕まり見下ろしている人種から迫害を受け続ける。
たとえ、組織がどんな目的を持っていようと捕えたキャメロン妃を大切に扱うはずもなく、姫君は相当手ひどい扱いを受けていることは想像に難くない。
キャメロン妃があられもない姿で縛られ悲鳴を上げ悶える、そんな姿が数日間僕の脳裏に焼き付いて離れなかった。
だが、同じサイトに書き込まれた一言に僕はハッとなる。
キャメロン妃は調教されている。
調教…。
ドレサージュ…。
僕はある人物を思い出した。
日本の社会でああも見事に他国の姫君をさらい縛り猿轡を噛ませられる人物はほかにいない。
そう・・・その名はMr.B。

仕事を終えた深夜。
僕は文京区にある東京K教会に向かった。
ここはMr.Bと出席した秘密の宴の会場だ。
確信はない、でも僕には直感があった。
大聖堂の大きな扉を押しあける。
地上から50メートルはあろうかという美しい天井は芸術的な作りだ。
その神秘的な空間にたたずむ一人の男。
そう、Mr.B。
DIDドレサージュを男女の幸福と掲げ、多くの人々の利益のために活動する謎の男。
「Mr.B…」
僕はためらいながらも声を掛けた。
「久しぶりだな」
Mr.Bは驚くでもなく、笑みを浮かべながら僕を迎えた。
「また再会できるとは思いませんでしたよ」
僕は直感に反した言葉とともにMr.Bに歩み寄る。
「そうかね? 私は君とまた会うことになると信じていたよ」
Mr.Bはどこかスケールの大きさを示すようにゆったりとしたそれでいて核心を突くような口調で言葉を発した。
よく考えてみれば僕はMr.Bのことをほとんど知らない。
それどころか今日で会うのは2度目だ。
彼について知っていることは九州地方出身であることと、ご先祖様が渡来人であることくらいだ。
その程度の知識しかないのに、僕は数十年来の親友のような親近感を覚えた。
 「女神・・・ニンフとは…その後大丈夫かね?」
 Mr.Bは少し表情を曇らせて僕に訊ねる。
彼は彼なりに僕たち夫婦について心配してくれているようだ。
あの事件は彼にとっても衝撃だっただろう。
何せドレサージュした相手が僕の妻、由美子であると同時に自分の組織の総帥女神ニンフだったのだから。
僕が以前よりうまくいっていることを伝えると、彼は心なしか安堵した様子だった。
由美子に例の事件のこともMr.Bのことも尋ねたことはない。
どこか、暗黙の了解であると同時に立ち入ってはいけない領域に思えたからだ。
 「ところで・・・」
 僕は率直に切り出した。
日本の社会で非公式に秘密裏に持ち上がっている誘拐事件のことを…。
 「Mr.B・・・あなたはキャメロン妃をさらいましたか?」
 Mr.Bは答える代りにフッと気障な笑みを浮かべ、天を仰いだ。
まるで信じる神にまでニヒルな笑みを投げかけるように…。
 「君に…隠し事はできないな、U君・・・」
 「お認めになるんですね」
 多くの言葉はいらなかった。
Mr.Bと僕は同じ趣向でつながっている。
僕はMr.Bの早業を投稿画像だけで判断したし、また彼もさらわれた姫君に興奮を覚える僕の心理を察したに違いなかった。
Mr.Bはさらに衝撃的なことを告白した。
 「U君・・・今回の仕事には仲間が必要だ 同じ趣向を持った仲間が、ね」
 「あなたの目的はなんです?」
 僕は訊ねた。
 「すまないがそれはまだ言えない しかし、今回は個人の趣味ではない 国を揺るがしかねない大事業だ 手伝ってくれんかね?」
 Mr.Bは真剣だった。
 「ただし、女神ニンフには内密に、ね・・・」
 僕は今回の姫君拉致にうかがい知れない大きな影を感じていた。

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