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ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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US様投稿小説:美女は剣をとり、策士は思惑通り女に縄を打つ~11

第11章
由美子が一体橋本にどんな目に遭わされているか気が気ではない僕は‘秘密の花園’をこえ、ホテルのような建物の10階に駆け上がった。
ここは橋本のプライベートルームだという。
はらわたが煮えくりかえる想いで僕は橋本の部屋のドアの前に立った。
この中で由美子は・・・?縛られ責められ・・・ああっ!!ドアを蹴破りたい衝動に駆られた僕だが、ドアには昔ながらの覗き窓があることに気がついた。
マニアックな仕組みがアブノーマルな高級官僚らしいと思いながらも、状況把握が必要だ。僕はそののぞき窓のふたを下ろし眼を当てる。そこには・・・。

「あなたはわたくしの逆鱗に触れましたね・・・橋本さん」
由美子の声だ。
それと、くぐもった男性の声が漏れてくる。
目の位置をずらして室内の様子をうかがう。
そこにはベッドに座らされ、後ろ手に括りあげられ惨めにギャグボールを噛まされた橋本の姿!!しかも一糸まとわぬ姿だ。
まるで先ほどまでの僕のようだ。いったい誰にこんな目に遭わされているんだ!?やがてうーうー唸るだけのそんな彼に、近づく由美子の姿。
僕が見たこともない冷たい表情だ。
でも、信じられないほど美しい表情に笑みを湛えている。
まるでギリシャ神話の女神のような白い着物。由美子は憐れむように橋本の顔を見つめ、やがて白い手で彼の顎をぐっと引き起し自らの端正な顔を近づける。
「昔忠告したはずですよ・・・わたくしに近づきすぎるな、と・・・」
由美子は白い指を橋本の通った鼻筋に合わせて滑らせる。
まるで、相手を弄ぶかのような行動。覗き窓の視界から橋本の姿が消えた。
代わりにくぐもった橋本のむせび泣く絶叫が漏れてきた。
何が起こったのかは分からない。
いったい由美子は何をしたのだ。
連れ去られ窮地に立たされたはずの由美子はどうしたというのか。
これではまるで立場が逆だ。
そもそも僕の妻、由美子はいったい何者なのだ。
そんな疑念もわき起こり、この場にいてはいけないような気分になった。
次に何が起こるのか、大きなのぞき穴からも死角になった場でいったい何が行われているのか?そんな光景を見たくて眼を凝らした時、肩をポンと叩かれた
。Mr.Bだった。彼は首を振りながらこう言った。
「助けに行く必要はないようだね・・・ 言っただろう?彼女を娶った者として十字架を背負わねばならないと・・・」
僕はその場に立ち尽くした。

仕事を終え、帰宅した僕は由美子の手料理を愉しみ、彼女が入浴を終えてくるのを待っていた。
ベッドに投げ出した週刊紙には衝撃的な記事が掲載されていた。
「清純派女優石野ひかるの夜の顔!! 衝撃的!! 夫が激白 私が妻から受けたDV!!」
石野ひかるの夫が妻の緊縛趣向を赤裸々に告白した記事だった。
どうやら、Mr.Bはあの後、石野ひかるの趣向をさらに捩じ曲げてドレサージュしたらしい。
僕は今更こんな記事には驚かなかった。
それよりも衝撃を受けたのは朝刊の片隅に掲載された記事だった。
「XX省勤務若手官僚がビルから飛び降り」
記事はある高級官僚が自ら命を絶ったことを淡々と伝えているだけだった。
ところが関係者の証言としてここ数週間、まるで生気がないかのように無気力状態で鬱病の診断を受けていたという文面が目にとまった。
前途有望な青年官僚がなぜ非業の最期を遂げたのかは謎のままだった。
だが、その名前を目にした瞬間、僕はその理由がわかる気がした。
彼の名は橋本隼人だ。
あの夜由美子から彼がどんな仕打ちを受けたのか?僕は分からない。
だが、思うのは由美子のドレサージュを受けた男は皆、骨抜きにされるということだ。
僕がいい見本だ。
彼の末路は僕のいく末と同じかもしれない。
それでも僕は由美子との幸せな生活を続けていくつもりだ。
「おまたせしましたね~~あなたもどうぞ~~」
由美子は漆黒の髪をタオルで拭きながら寝室に現れた。
僕はためらうことなくバスローブの帯で彼女を後ろ手に縛め、一糸まとわぬ姿にしてベッドに座らせた。
「もう~~・・・ かくも男性はなぜ女を縛りたがるんですかね~~?でも、いいかぁ・・・この前は約束をすっぽかしたし・・・」
由美子はあきれ顔の後に頬笑みを浮かべ僕を見つめた。
「僕は君を守れなかった・・・」
僕は由美子に謝った。だが彼女は頭をふった。
「いいええ~~、私の方こそ貴方を危険にさらしてしまって・・・あなただけは守らなければならないのに・・・私たちの組織はもうさまざまなところから目をつけられているわ・・・今後も、油断はできません」
由美子は真剣な表情だ。
一糸まとわぬ姿で後ろ手にされながら憂い顔を作る妻が愛しい。
僕はあの覗き窓からのぞいた部屋の中で由美子が橋本に何をしたのか尋ねたかった。
それに一瞬でも由美子が僕の妻であることよりも橋本の僕を選んだ様に思えて心にしこりが残っていたからだ。
「ねえ、ゆみ 聞きたいんだけれど・・・?」
しかし、由美子は僕の真剣な表情を見て既に何を言わんとしているのか察したようだ。
「・・・言ったでしょう?あなた・・・ 捕えられた女は反撃のチャンスを待っているだけかもしれないって・・・あなたを守るためにはあなたを裏切ったと信じさせる必要があるかもしれない・・・そういうことですよ」
由美子は少し挑み加減の口調で、あの石野ひかるにも勝る様な小悪魔的な目で僕を見つめ返した。
確かに女はこわい。
石野も、菜々子も、美咲も。
そしてDIDとはある意味人生の心理を体現する行為のように思えた。
攻め手が必ずしも優位ではない。
時としては責めの気持ちこそ、受け手に陥る最大の弱点ともなりうるのだとMr.Bは教えてくれた。
そして由美子は大切なものを守るために、相手に陥落したように見せ、相手にとどめを刺した。由美子は笑っていた。
しかし、その魅惑の笑みの下にはどんな思想やプロジェクトが潜んでいるか僕には分からない。由美子の表情にぞくぞくしながらも、やはり自分も骨抜きにされていると実感させられた。
いずれ命を落とすかも知れない。
しかしそれもいいだろう。
Mr.Bの言うとおりソレが僕に課せられた十字架なのだから。                                                                                             

US様投稿小説:美女は剣をとり、策士は思惑通り女に縄を打つ~10

第10章

僕はMr.Bの姿が意外に見えた。
DIDの世界はSとかMとは異なる世界と彼は常々言う。
しかし、分類すれば責めてである彼が、今は逆に受け手に陥っている。
いや、正確にいえば責めての趣向を強く抱いているからこそ、傍らで縛めを受ける美女2人にあらぬ興奮をしてしまっているのだが、そのことが自らを逆に惨めで窮地に追い込んでしまい、男として惨めで無様な一番されたくない仕打ちを受けることになってしまっているのだ。
右翼と左翼が意外に共通点を見いだせる様に、対極にあるものは意外に互いの性質を潜在的に持ち合わせるものなのだと、僕はこんなところで認識させられた。
「どう? 生け捕りにされた部下2人、どっちが魅惑的? 菜々子? 美咲? どっち ククク・・・」
石野は小悪魔的な笑みを浮かべる。
「どっちも、なんていう答えはずるいわ・・・ さあ、2人ともご主人さまにその美しさを存分にご披露なさい」
菜々子も美咲も長身で白い身体が眩しい。
その2人が縛られ、魅惑の口に互いにギャグを噛まされのた打ち回る姿はDID趣向がなくとも、男性ならば目を奪われる光景だろう。
何せ2人とも下着姿だ。
しかも2人はくぐもった嬌声を上げながら、Mr.Bにわざと身体を触れ合わせるようにそばに寄り添い身悶える。
甘い体臭が少し離れている僕の鼻孔までついてくる。
「んん~~・・・はんむぅう・・・」
2人の美女の喘ぎにMr.Bはラバースーツを突き破らんばかりにアソコを突きたてる。僕はもう、彼をどう助けて良いか分からず思わず立ちすくんでいた。
菜々子が上体を起こし、不自由な身体のままMr.Bの顔を見つめる。
タオル地の猿轡の端から唾液が滲み出ている。
そして、美咲もMr.Bに寄り添いもの欲しそうな眼で彼を眺める。
長い髪がMr.Bの頬にかかる。
「はははぁぁ~~ッ もう限界みたいね、Mr.B!!」
石野がMr.Bのアソコを撫でまわしながら、大きな笑い声を上げる。
「どう? こういう趣向の拷問は? 白状したくても白状できないわね、猿轡をされていちゃあ・・・ まあ、あなたから秘密を聞き出す必要なんてないわ もう貴方の女ボスは私たちのボスに生け捕りにされたから」
由美子も橋本に捕まり、Mr.Bもこんな目に・・・。
もうこちらに勝機はない。そう感じ始めた時だった。
「フフフ、いいわ 菜々子と美咲 貴女たちは愛するMr.Bにとどめを刺してあげなさい」
Mr.Bにご奉仕してあげたい女になっている2人を自由にし、彼を昇天させて愉しもうという趣向らしく、石野は菜々子と美咲の縄を解き始めたのだ。しかし・・・。

目を疑う光景だった。
自由になった下着姿の菜々子と美咲は魅惑の瞳を潤ませながら石野に歩み寄る。
「ちょっ、ちょっと!! どうしたの、2人とも!?」
たちまち、2人は自分たちの手足を縛めていた縄を手にすると石野を捕え緊縛し始めたのだ。
「やめなさいッ! どうしたの、はぐッ」
そうこうしている間にも、菜々子は大きな身体を石野に絡みつかせるようにして抱きつき背後で縄をかける。
そして、美咲は床に転がっていた自らの口を塞いでいたコブつき猿轡を手にし、唾液が糸を引くそのコブを石野に噛ませる。
2人は一言も発することなく、実に手際よく石野をDIDしてしまったのだ。
悔しそうな表情を浮かべる石野はギッチギチに縛られて床に転がる。
「Mr.B、これはいったい!?」
僕はMr.Bの身体を自由にしながら、尋ねた。
「こういうこともあろうかと思ってね ドレサージュの趣向を変えておいたのさ つまり、責め手の気質を持つ相手を快感のターゲットに選択するように・・・」
Mr.Bは彼女達が敵の組織の刺客だと気が付いていたらしい。
そのため、自分がみじめな仕打ちを受けることを覚悟で、土壇場での逆転に勝機をかけドレサージュを施していたというわけだ。
「U君、今回は惨めな姿を見せてしまったな・・・」
Mr.Bは少し申し訳なさそうな顔だった。
「そんなことより、由美子が橋本に拉致されたんです!!」
慌てふためく僕を妙に冷静な目でMr.Bは眺めた。
「たぶん、君が心配するようなことにはなるまい むしろいかない方が・・・」
Mr.Bは困惑の表情を浮かべていた。

US様投稿小説:美女は剣をとり、策士は思惑通り女に縄を打つ~9

第9章
鉄の扉を押しあける。大きな蝋燭のたかれたうす暗い部屋。
ある意味、そこは秘密の花園だった。
緊縛された2人の美女が、先ほどの由美子同様、芋虫状態で転がっている。
その2人とは、そう・・・Mr.Bと行動を共にしていた、女優菜々子と美咲の二人だ。2人ともなんと下着姿だ。
菜々子は花柄のピンクのブラパン姿。
そして美咲はブラックの蝶をあしらったデザインのブラパン姿だ。
2人とも、後ろ手に荒縄で縛められて、脚首も同様に縛られている。
そして、囚われの美女の象徴、猿轡が2人の唇にしっかりと噛み込まされていた。
口の大きい、菜々子の方はタオル地の手ぬぐい。
そして少し厚ぼったい美咲の唇にはコブつきのギャグが噛まされ、より魅惑の唇を魅力あるものに変えている。
2人はともに地面を這う様にのたうちまわり、白い肌に汗を光らせ、身悶え、苦悶の表情を浮かべ、くぐもった嬌声を上げる。
暗い室内で目を凝らした僕は、女優2人のDID姿よりも遥に驚くものを発見した。
それは・・・。2人の女優の間によこたわる男の影。
それは紛れもなくMr.Bその人だったのだ。

「Mr.B!!」
僕は叫んだ。
「あうん・・・」
聞いたこともないMr.Bのくぐもった声。
彼の口にもまた猿轡代わりのギャグボールがプレゼントされていたのだ。
「フフフ・・・ようこそUSさん 奥さんを守れなかった哀れなご亭主・・・」
背後に気配を感じて振り返るとその先には全身黒づくめの美女がいた。
彼女にも見覚えがあった。
ボーイッシュだが、清楚な魅力を持つ女優。そう、石野ひかるだった。
石野は靴音を秘部枷ながらあやしげね瞳で僕を眺め終えると、床に横たわるMr.Bに近づきしゃがみこんだ。
「この人も哀れな人ね・・・ 私をドレサージュしたことで、今度は自分がこんな目に遭うなんて思いもよらなかったでしょうけれど・・・」
僕には分からなかった。
なぜ石野がここにいるのだ?その疑問には石野自身が答え始めた。
「私のドレサージュを主人が依頼したのは何故だと思います? ククク・・・それはMr.Bの組織を探るためよ」
ということは石野の亭主も橋本の組織の一員なのか?
「だが、君はMr.Bのドレサージュを受けて身も心も変貌したはずだ」
僕は言った。
Mr.Bのドレサージュに変貌しなかった女はこれまで一人もいない。
「フフフ、男は馬鹿ね 快楽を与えさえすれば女が自分の趣向通りに変わると思ってるの? しいて言えば私はね、真逆の趣向を身につけたわ」
石野は冷徹な笑みを浮かべると、Mr.Bの傍らにしゃがみこんだ。
「さあ、おバカさん これから私があなたをドレサージュしてあげる・・・」
石野は白い指をMr.Bの黒いラバースーツに追われた身体を滑らせる。
そして股間部分で指を止めた。
「いいえ、正確には私たち、ね」
「どういうことだ?」
僕が訊ねる。
「ここで縛られている菜々子と美咲・・・彼女たちの立場をあなたはどう見ているの?」
僕は口ごもった。
ぼくはMr.Bの支配下にいる菜々子と美咲が彼とともに組織に囚われている図を想像していた。
しかし、石野はその僕の当たり前の予測を敢え無く覆す。
「この2人はね・・・私たちの組織の送り込んだスパイよ そう・・・DID体質にドレサージュをしてもらうためMr.Bにわざと預けたの おかげでMr.Bはいとも簡単に私たちに‘生け捕られた’というわけよ」
2人の女優はつまるところスパイだった!?Mr.Bがいとも簡単に組織に拉致されたのもそういう理由か。女性とは恐ろしい。
「でもね、本当の目的はこれからよ よ~~くごらんなさい 縛られることに心底快感を感じている2人の姿に興奮せざるをえない無様なMr.Bを」
縛られた菜々子と美咲はMr.Bを左右からはさむように身悶え、魅惑の姿を見せつける。
「んッ・・・んんッ!!」
Mr.Bはたまらない、という表情で身を捩らせたが、仰向けに転がされたままの状態で石野に頭髪をつかまれていて身動きできない。
「ほぉ~~ら、ほら・・・どうしたの? 興奮するんでしょ? 貴方の可愛い部下の美人2人が私たちに生け捕りにされているわよ よ~く見ておあげなさい、その無様な姿を・・・猿轡を噛まされて貴方に助けを求めているわよ さ~~あ、どうしましょ・・・」
石野がMr.Bに囁く。
するとMr.Bのラバースーツに覆われた股間部分がみるみるうちにモッコリと膨らんで来る。
「あら、あらぁ~~ 可愛いアレがビンビンじゃないの~~ ククク・・・部下の縛られている姿に膨らんじゃうなんて相当のヘンタイさんね」
石野は白い指をMr.Bの股間でせり上がる山の頂上に滑らせた。
そしてそれを弄ぶようにくりんくりんと弧を描くようになぞる。
「はぐうぅ!!」
Mr.Bが猿轡の下で快楽にむせぶ。

US様投稿小説:美女は剣をとり、策士は思惑通り女に縄を打つ~7

第7章

「由美子!!」
僕は横たわる由美子に必死で叫んだ。
「う・・・U・・さん・・・?」
由美子は苦しそうに美貌をゆがめながら、上体だけを持ち上げ僕の姿を信じられない、という表情で見つめた。
しかし、その姿勢を維持すること力すら残っていないといううように、ああっと声漏らし、再び突っ伏してしまった。
傍らにはフルーレと呼ばれるフェンシングの武器が落ちていた。
「ココがわかるとは、さすがに由美子嬢を射止めただけのことはありますね」
由美子に歩み寄る男の影。嫌味なほど精悍な顔つきに180センチ以上はあろうかという長身。僕は、瞬時にそれが橋本隼人であると察した。
「貴様、由美子に何を!?」
由美子の様子からして、彼女に危害を加えたとしか思えない。
「彼女とは賭けをしましてね」
橋本は冷徹な顔を無表情にしたまま、僕に語りかけた。
「賭けだと!?」
「フェンシングで一戦交えましてね フルーレの先端には相手にヒットすると電流が流れる仕組みになっています あなたも自分の妻がどんな人間かはお分かりでしょう? 私としては彼女の組織に暗躍されては困るのですよ 肉体を縛められ、猿轡などをかまされて悦ぶ女を量産され、その上利益を得るなど品性のない行為をされては我が国の信用に傷がつきかねない しかも、某国の王室の威信まで怪我しては、ね」
既にキャメロン妃ドレサージュの裏事情まで知り尽くしているのだから、この橋本は裏社会を知り尽くし監視する役目を負っていることは明白だ。
橋本は続ける。
「あなたは知っているかどうか・・・彼女は私と学生時代、親しくしていまして、ね」
もったいつけたような言い方が高級官僚臭い。
「本来ならば、裏組織の手筈どおりにすべてを闇に葬っても構わないのだが、彼女にチャンスを与えたのですよ 私と対戦して勝利を収めれば今回はこれまでの行状に目をつむってあげよう、とね」
かつての恋人だからと手心を加えるつもりで弱みをつかみ、いたぶるやり方に僕は怒りを覚えた。
しかし、由美子も橋本も鉄格子のなかの人間だ。
僕は外界に置き去られたままの傍観者でいるしかない。
「しかし、彼女は僕に負けました 学生時代からね、奥様は私には何をしても及びませんでしたから」
橋本は残忍な笑みを浮かべる。
「ま、まだッ・・・まだ終わっていませんッ」
由美子がよろめきながら立ち上がった。電流で相当のダメージを与えられている様子だが、その姿は健気だ。
黒髪が額にかかり、聡明さを象徴する美貌がたまらなく眩しかった。
Mr.Bが言っていた通り、何かを守ろうとする女は強い。そして美しい。
「わたくしがギブアップしない限り・・・対戦は続くのでしょう?」
由美子はキッとした表情を橋本に向けた。
「まだやるかね? ならば今度は真剣勝負と行こうか」
橋本はコンクリート張りの壁に掛けられていた金属製と思われる刀を手にし、一刀を由美子に放った。文字通りの真剣勝負、ということだ。鉄格子内の競技場に緊張が走る。

競技場内にフルーレの触れ合う音が響き渡る。
美貌の女剣士となった、僕の妻由美子の闘いは続いていた。
なにせ、真剣だ。
一歩間違えれば、命の危険もある。僕は何も妻にしてやれない。
ただ、この通路と競技場を遮る鉄格子をわし掴んで戦況を見守るだけだ。
僕にフェンシングのルールは分からない。
だが攻撃権を持った一方が相手の身体に有効打を加えることで点数を稼ぐことはおぼろげながらに理解できた。
目の前の相手を打ち果たさんと、剣を突き出す妻の表情は美しかった。
黒髪が激しく揺れて美貌にかかる。
仲間のため、己のポリシーのための闘いだった。
しかし、どう贔屓目に見ても、由美子の動きはすべて橋本に知りつくされているようで明らかに劣勢だった。
あっという間にパラードされてしまい、逆に由美子は攻められる側に・・・。
「ほらほら、由美子 動きが遅いぞ もう疲れたか!?」
そして橋本の弄ぶような一撃が由美子を捕える。僕はみていられず、目を背けた。
恐る恐る眼を向けると、由美子の白い頬に橋本の剣の先端がすすっと赤い糸を引いていた。額からかかる漆黒の髪が断ち切られ、ホワイトのコスチュームにかかりながら床にちらばった。
由美子は肩で息を切らしながら、敗北を認めたように俯いた。
「どうやら、もう限界のようだね、ユミ姫・・・ 君も私に立ち向かってくるからには相当の覚悟があろう? ご亭主の前で君を存分に歓待するっていう趣向もなかなかオツなものだろう? 後悔させてあげるよ、私に逆らったことを・・・」
橋本はにやりと冷徹な笑みを浮かべた。

US様投稿小説:美女は剣をとり、策士は思惑通り女に縄を打つ~6

第6章

僕が意識を取り戻したのは空が赤みがかった午前4時だ。
あれから5時間も眠りこけていたことになる。
由美子は!?そう、捕えられているであろうMr.Bを救出するために一人で、謎の組織のもとへと赴いたはずだ。
しかもその相手は元カレ・・・。
そんなさなか僕は妻の温もりに股間をビンビンにしながら惰眠を貪っていた駄目亭主、ということになる。
どうやら由美子は唇に睡眠薬を仕込んでいたのだろう。
そして僕を口付けで眠らせた。
それもこれもすべては亭主を巻き込みたくないためだろう。
僕は由美子を密かにつけていくつもりだったわけだから、すでにそんなことはお見通しだったというわけだ。
(助けに行かねば)
僕はまだ美貌の妻が見せた艶姿に股間を熱くしながら回転の悪い頭を必死に稼働させた。
「どこへ行ったんだ、ゆみ!?」
手掛かりはまるでない。
いや、あった。
あの橋本という由美子の元カレが残したであろう、脅迫状だ。
「再開場所はメトロ」の一文が僕の頭に引っ掛かっていた。
どういうことか?地下鉄の駅で何かをするというのか?それにしてもどこの路線で?都内は東京メトロ、都営線だけでも無数の駅がある。
その中から謎の敵と対峙しているだろう、妻の援護をするなど到底不可能だ。
そもそも相手の目的すらわかっていないのだから。
とはいえ、僕も彼女のもとへたどりつかねば始まらない。
メトロの意味は・・・。その時、僕はあることを思い出した。
Mr.Bが言っていた一言を・・・。
(君は都市伝説を信じるかね)
以前僕は何かで東京の地下鉄にまつわる都市伝説を読んだ気がする。
東京メトロ千代田線のK駅は政治家センセイ型を非常時に守るため、核シェルター用意されていてそこに通じる通路が用意されているという話だった。
由美子の元カレ橋本が霞が関に勤務する高級官僚ならば、Mr.Bを捕えた組織は国家組織である可能性もある。
核シェルターがあるかは別として「都市伝説」と「メトロ」この2つのキーワードをもとに導き出した答えをわらをもつかむ心境で、僕は家を飛び出していた。

僕は自らを何の才能もない人間と思っている。
けれだ、一つだけ自信があるとすれば「勘の良さ」だ。
それは今日、見事に的中したと言っていい。
東京メトロK駅のホームの恥を観察した僕は、業務用ともましてや客用とも思えぬ、古びた煉瓦作りの扉を見つけたのだ。
意を決して忍び込んだ僕は薄暗い通路を何百メートル歩いただろう?やがて左手の視界が開けていく。
鉄格子が張り巡らされた巨大な檻があった。
そしてその中には煌々と明かりがついた、小さな競技場があったのだ。
そしてそこには・・・。
打倒された一人の美女の姿が。
女はフェンシングのコスチューム姿で横たわり、端正な顔をこちらに向けている。
その美女は紛れもなく僕の最愛の妻、由美子だった。

US様投稿小説:美女は剣をとり、策士は思惑通り女に縄を打つ~5

第5章

2人して帰宅したのは既に夜の10時を過ぎていた。
「今、開けますね」
両手を荷物で塞がれた僕を気遣いながら、由美子は玄関に歩み寄った。
しかし、だ。
由美子の表情が強張った。
「あいてるわ・・・」
由美子が不安そうな顔を僕に向けてきた。
「もしかして・・・ドロボーさん?」
由美子はたいていの人に「さん」をつけるおかしな癖がある。
それはそれで萌えるのだが、さすがにこの時は僕も焦った。
都心も治安が悪い。最近ではさすがに由美子がひとり住宅街を歩くのも僕としては心配な時がある。
僕は恐怖を押し殺して、家に入った。

「これといって何も取られてはいないみたい 二階も全然あらされてませんでしたよ」
由美子の声を背中に聞きながら僕はリビングに立ち尽くしていた。
確かに、これと言って被害はない。
だが、ある意味、ただのドロボーに侵入されたというレベルの衝撃より、はるかに恐怖を感じる不吉な爪痕が残されていたのだ。
テーブルの上に置かれた僕たち夫婦の結婚写真。
緊張でひきつった面持ちの僕の傍らでウエディングドレス姿の由美子が微笑むお気に入りの写真だった。
その写真が刃物で切り裂かれたようにざっくりと半分に引き裂かれていた。
まるで僕たちの未来を引き裂くと予告するかのように・・・。
「誰がこんなことを・・・」
由美子は悲しそうな表情で2つに割かれた写真を手にした。
僕はテーブルに置かれた白い紙に気がついた。
そこには衝撃的ないわば脅迫が記されていた。

親愛なる由美子嬢へ
貴女の忠実なシモベは我々の組織の掌中にございます。
貴女さえ、御厭でなければ交渉の席に着く準備があります。
人妻となった貴女と再会できることを心から願っております。
再開の場所は「メトロ」にて  H・Hより

「どういうことだい?ゆみ」
由美子は脅迫文を手に端正な表情をこわばらせていた。
「わかりません・・・けど」
由美子は口ごもる。
僕も心から不安な気持ちになっていた。
由美子の忠実な僕・・・。それはMr.Bに他ならない。
まさか、万事抜かりのない彼が誰かの手に堕ちたというのか?そもそも彼を捕え、由美子をおびき出そうとする組織の目的とは一体・・・。
由美子はその相手を知っているのか?短い文章の内容から察するに、相手は由美子の昔を知っている。
僕は文面の最後に記されているH・Hのイニシャルに目を奪われた。
まさか・・・橋本隼人・・・。由美子の元カレ、なのか?
「由美子・・・このH・Hというのは君の昔の・・・」
そこまで僕が言うと由美子はまっすぐな顔で僕を見つめた。
「Uさん、今は詳しくは話せません だけれど、私たちの理念に反対してプロジェクトをつぶそうとしている人はたくさんいるの・・・」
由美子は悲しげな表情で続ける。
由美子の平和と博愛の精神は僕もよく理解しているつもりだ。
彼女は単にDID官房を持った男たちの欲望をかなえる組織のリーダーではない。
「少し調子に乗りすぎていたのね・・・国にまで咎められる組織になってしまったわ」
「まさか、君はひとりで乗り込むつもりじゃ・・・」
「残念ですけど、今晩のハンティングは中止してください 約束を守れなくて、ごめんなさいね」
由美子は悲しげな表情で、それでいて微笑みながら亭主の顔を見つめてきた。
夜の御愉しみを奪われた悲しみよりも深い別れの予感に僕は苛まれた。
由美子は単身で相手の要求通り、出向くつもりらしい。
「僕も一緒に行くよ 女房一人どこの馬の骨か分からん連中のところへやれるわけないだろ!!」
僕は哀願に近い口調で由美子の肩を掴んだ。
「ありがとう、貴方 でも私にも責任と・・・プライドもあるの・・・お願いです 必ず帰ってきます だから今は黙って優しく見送って・・・」
由美子はこちらが悲しくなるほど、美しい表情で僕に哀願した。
由美子は優しい女だ。
だが突飛で芯が強く、他人の評価など気にせず、冷静かつ大胆に事を運ぶ癖もある。
言い出したら僕の意見も聞かないだろう。
「相手は・・・元カレ?」
僕はなおも未練がましく訊いた。
「愛しているのは・・・あなただけ、とだけ言っておきます」
由美子は僕の問いかけには直接は答えず、亭主のすべてを包み込むような顔で囁いた。
そして・・・。
「一つだけお願い・・・しばしの別れ、です キスをして・・・」
妻がこうも露骨に口付けを欲するのは珍しかった。
拒む理由があろものか。
僕は言われるがままに、端正な顔に手をかけ自分の唇のもとへいざなう。
ひときわ白い象牙色の花が視界に迫る。
聡明な額もかすかな甘い黒髪の匂いとともに僕の視界でぼやける。
やがて温かな感触が僕の唇に伝わる。
由美子はほどなく舌を絡めてくる。
混ざり合う2人の唾液。ひときわ由美子の口付けは甘かった。
魅惑の瞳を閉じ、まつ毛をかすかに震わせる美貌に僕は興奮した。
下腹部がみるみる膨らむと同時に、急激な眠気が僕を襲った。
「ん・・・んん?」
急に意識が遠のく。
足がふらついた。
直後、由美子に抱きとめられる柔らかな感覚を覚えた。
そして唇にまとわりつく唾液をぬぐってくれる由美子の指の感触の後、額に改めて温かな彼女の唇のぬくもりを覚えながら僕は急激に深い眠りに落ちて行った。
「ありがとう、貴方・・・」
由美子の囁きが耳元で聞こえた気がした。

US様投稿小説:美女は剣をとり、策士は思惑通り女に縄を打つ~4

第4章
数日後の土曜日。
僕たち夫婦は久しぶりにデートをした。
恵比寿で待ち合わせてから渋谷に出た。
あまり縁のなかった渋谷だが、由美子の通っていた名門女子校が渋谷にあるのでどこか親近感がある。
人ごみの中を妻に腕をとられながら歩いていると、妙にHな気分になる。
特に女子高生を見ると、由美子もセーラー服に身を包み青春期を送っていたのだなぁ、という感慨に浸るのだ。
由美子の高校時代の写真は多数持っている僕だが、とりわけお気に入りの一枚はいつも持ち歩いている。
それは彼女が一生に一度だけ体験したというガングロ写真だ。
薄チョコレート色の肌に、今よりふっくらした幼さの残る顔はたまらなくチャーミングで、ある意味犯罪的に可愛い。と、そんなことを考えていたらまた股間のモノがむっくりと起き上がってきてしまった。
「どうしました?」
そんな事とはツユ知らず、由美子は怪訝そうに僕を見る。
「い、いや別に・・・」
その後コーヒーショップで一休み。
向かい合ってオープンテラスに座る。
由美子はこの秋初めてブーツを履いている。
ブラックのブーツは彼女のふくらはぎまで覆い隠し、逆にその脚線美と長さを際立たせていた。
そのブーツの両脚をピッと綺麗に揃え、斜めに傾けて椅子に腰を下ろす仕草に以前から僕はメロメロで、それは結婚後も変わらない。
その仕草にもまたしてもモッコリしながら僕はアプローチをかける。
「ねえ、ゆみ」
由美子は注文したコーヒーを大切そうに両手で抱えるようにしながら唇をつけている。
「今晩、君をDIDしたいんだけれど・・・?」
最近、僕は由美子を縛る際にこうお願いしていた。
「・・・・・・」
由美子はコーヒーを静かにすすりながら、少々あきれた瞳で僕を眺める。
以前、Mr.Bにドレサージュを受けるというアクシデントに見舞われた由美子だが、僕との生活を見る限りにおいて、彼女は肉体的にそうしたことを歓ぶ体質には変貌を遂げていないようだ。
それが僕には残念であり、自分自身に課せられた至上命題と思っている。
しかし、今日の願望はそれだけにとどまらなかった。
僕の頭の中を占めているのは、あの由美子の学生時代の恋人という、橋本隼人なる人物だ。セーラー服時代の由美子、女子大時代の由美子、それぞれを知っているであろうまだ見ぬ彼への嫉妬だった。
妻は自分の専有物。そして、肉体的自由を奪い取って彼女を満足させられたときに、本当の意味で‘いい亭主’になれるのでは、というおかしな感情を抱いていた。
「カクモ男性諸氏は、女の自由を奪いたがるんでしょうねぇ~~」
由美子は呆れたように僕を見た。
「それは男はハンターだからさ」
「ハンター?」
由美子はおかしそうにクスリと笑う。
「そう、女という獲物を狙うハンターだ」
僕も微笑みながら妻を見る。
「なるほど~~わたしは貴方に狩られる獲物、ですか・・・」
「そう」
由美子は微笑みながら、それでいていつもは穏やかな瞳を一瞬だけ妖しく光らせながら囁いた。
「いいですよ、どうぞ今晩はわたしをハンティングしてください・・・ でもね、Uさん 女は捕えられ、縛られたからといって、相手の男性に屈伏するとは限りませんよ」
屈服という言葉に僕はゾクリとさせられた。
由美子は静かな口調でさらに僕の欲望を刺激する。
「むしろ、囚られながら、反撃の機会をうかがっているかもしれない・・・ な~~んて、ね」
最後はいたずらっぽい表情で僕を見返したが、どこかDID組織の女総帥の表情が垣間見える一瞬だった。

US様投稿小説:美女は剣をとり、策士は思惑通り女に縄を打つ~3

第3章

「さっき石野ひかるの言ってた言葉、なんか気になりますね」
僕は石野を解放した後、Mr.Bに語りかけた。
「な~に、ドレサージュを受け自分の知られざる本性や隠れた性癖を開花させられて、それを受け入れられないだけだろう 今回、ほかにもドレサージュした女はたくさんいる その反応も様々だよ」
Mr.Bはこともなげに言った。
僕にはどこか彼が自らのドレサージュ能力を過信しているように思えてならないのだが、あえて口にはしなかった。
「ところで、U君・・・君は都市伝説を信じるかね?」
「はあ?都市伝説ですか」
都市伝説。
Mr.Bの口から意外な言葉が出たのに少し戸惑った。
都市伝説って言うと、口裂け女とか、トイレの花子さんとかそういう類の話だろう。
「私もね、オカルトな世界で仕事をすることになったよ」
Mr.Bは少し苦笑しながら、何処か達成感に満ちた声で目をつぶった。
何かを夢想しているようだった。
都市伝説・・・。
いったいどういう意味だろう?

Mr.Bに見送られてK教会を出た。
僕に微笑みかける彼の傍らには2人の美女が仕えていた。
夜の大都会でもひときわ目につく人影に僕は眼を奪われた。
それは2人の女性だった。
2人とも長身だ。
サングラスにスーツのいでたちは一緒だ。
鼻も高く、そのラインはくっきりと通っている。
「USさまお気をつけて・・・」
一人が僕に向かって頭を下げた。
「新たな‘部下’ですか?」
僕はMr.Bに囁いた。Mr.Bはあいまいに笑う。
「私の名は・・・菜々子とお呼びいただいて結構です」
「私は美咲です」
菜々子に美咲・・・。どういうことだ?
彼女らもMr.Bにドレサージュを受けた人間なのか?
「Mr.Bよりお話はうかがっていおりますわ」
Mr.Bが僕のことをわざわざ他人に話す?それも少しおかしいと思った。
Mr.Bにとって僕は由美子といういわば自分の上司の亭主だ。
そんな人間をわざわざドレサージュした相手に紹介するだろうか?
「Mr.Bのドレサージュを受けた身としてはその‘幸福’は忘れられません 今夜もその絶頂をご教授いただきます」」
「いずれ貴方様にも、改めてご挨拶を・・・」
3人は風が吹き抜ける様にすっと闇に溶け込むかの如く再び教会の中に消えて行った。
2人の正体に気がついたのは再び歩き出してしばらくたってからのことだ。
菜々子のほうは最近メディアに姿はめっきり現さなくなったが、何処か文化人を気取ったあの女優だ。
もう一人も女優だった。
確か、オタク青年と令嬢の恋物語でヒロインを演じたとかで、一時有名になったことがある。どうやらMr.Bは根っから女優や美女が好きらしい。
もはや彼が誰と一緒に時間を過ごそうと、僕は最近驚かなくなっていた。

US様投稿小説:美女は剣をとり、策士は思惑通り女に縄を打つ~2

第2章

Mr.Bは慰めのつもりか何かは分からないが、今夜もドレサージュの様子を見学させてくれた。
僕はチームBの一員でも何でもないが、Mr.Bからすると崇拝する女神の亭主、という位置づけだけでなく、同好の士という友情に似た感情が芽生え始めていたのは事実だ。
彼とは秘密組織を相手に一緒に戦ったし、白人の姫君をドレサージュしたこともあるのだから。K教会の地下室に案内された僕はおおっと目を見張った。
世界を股にかけるMr.Bのこと。どこの美女をドレサージュしようと驚きはしない。
天井から垂れさがった細い鎖に手首を縛められ立たされる一人の美女に僕は釘付けになった。
ショートカットのある種、中性的な美しさを放つその女は女優の石野ひかるだ。
石野は姉のゆりかとともに美人姉妹として10代にデビュー。
すでに不惑に届こうか、とでもいう年齢のはずだが、姉妹揃って年齢を感じさせない透明度のある外見が話題の女優だ。
姉のゆりかは映画女優としても地位を確立する一方、ひかるは番組プロデューサーと結婚し家庭を持ったのでメディアからは少し遠ざかっていた。
でも僕は幼少期、彼女が見せた清楚だけれども、小悪魔的という不思議な魅力を忘れられずにいた。

その石野ひかるが今、僕の目の前にいる。
しかも、一糸まとわぬ姿だ。さすがに若いころに見せた水着グラビアほどの肉感的な体つきではない。
しかし、中年期を迎え子供をもうけてもなお、ハリのあるボディは別の意味で魅惑的だ。ひかるは僕たち2人の姿を認めると熱を帯びた瞳で、どこかあきらめの境地を知ったような表情をつくった。
その理由はひかるの秘部を見ることで容易に察しがついた。
彼女の秘部はすでにすべて毛がそぎ落とされている。
そして腰とVゾーンを括る形でバンドが巻きついている。
秘部には謎のマークが刻まれたコケシがニッチリとひかるの「下の唇」に埋め込まれていた。
巧妙なMr.Bのことだ。
たぶんこのコケシを時折、振動させるのだろう。
一度に絶頂に追いこむのではなく、ジワリジワリと快感を高めていって、縛られ自由を失った今の状況を彼女の記憶に精神的にも肉体的にも刻みこむように・・・。
よくよく観察すると彼女の秘部はコケシが埋め込まれた周囲にすでにぬるぬるとした液体が光っている。
彼女の歓喜のお汁だけでなく、このコケシには媚薬が混ぜ込まれているのだろうと僕は察した。
一定の時間振動させると、その先端から男のシンボルと同様に、女の理性を奪い取る甘い蜜が溢れ出るのだろう。
それも次第に次第に女を狂わせていくように・・・。
全くいつも思うことだが、Mr.Bのドレサージュは手抜きがない。
女としては抗いようがないのだ。
拉致され自由を奪われ、恐怖と苦痛がちりばめられた中に女性としての美しさを称賛するかのような快感を伴う責め苦。
誰もが持っている快楽という欲望を刺激され続け、それに打ち勝つことは容易でないはずだ。
今までどれほど多くの女たちが、Mr.Bのドレサージュに陥落していったことか。
今日、ここで石野ひかるもその犠牲者の一人に名を連ねるのだと思うと異様な興奮を覚える僕だった。
相当長い時間ドレサージュを受けていたのだろう。
白い肌は赤みを帯び、胸元の2つの丘はビクビクと大きく震え、その頂上でサクランボがにゅっとそそり立っている。
今日のドレサージュは今までと一つ異なっていた。
それは石野ひかるの唇には薄い茶色の粘着テープが御馳走されていることだ。ほんらいほど良く小さな彼女の口ブルはテープの下で艶めかしくその形を浮かび上がらせていた。
「さあて、石野さん 仕上げと行こうかね」
Mr.Bは石野ひかるが哀れにも秘部に頂戴しているご褒美を振動させるべくリモコンを操作した。
「はぐぅッ!!」
石野ひかるは全身を一瞬仰け反らせる。
「はッ、はッ・・・はむッ!! はうあッむッくぅッ!!」
塞がれた口から卑猥なくぐもった声を漏らすたびに、粘着テープをべっとりと覆われた唇が不自由から逃れようと上下左右にうごめくのがたまらなく刺激的だった。
ぼくは石野ひかるをあちらこちらから視姦してあげたくて後ろに回り込んだ。
するとまたまた刺激的な光景が目に飛び込んできた。
彼女の下唇でも卑猥な音が漏れだす。
コケシはランダムに強い刺激を与えたかと思えば、今度はしばらくいたわるようにゆっくりと、というように動きを変える。
散々いたぶられた石野はすでに快感の限界を迎えているのだろう。
それでも、達しそうな表情を作るたびに尻の肉を必死に引き締め、快感に打ち勝とうとしているのが僕の目にも理解できた。
また、時折素足の裏をぐっと立て、快感をこらえている姿も艶めかしかった。
「フフフ、U君 なかなか刺激的だろう?」
僕は頷いた。
「この仕事を生業にしている男が何に一番興奮するか・・・ それは自分の女九点を握りしめられ、もうどうすることも出来ないことが分かっていながらも必死に抗う女の姿を見ることだ」
Mr.Bは急に真剣な表情をつくると、声のトーンを落として続けた。
「前にも言ったように我らのドレサージュには抗えないことは君も知っているだろう? だがね、一番この抵抗を続けるのはどんな女と思うね?」
僕には答えられなかった。
「それは、母性を持った女だ・・・言いかえれば己の欲望のみに身を委ねることができぬ者、守るべき相手がいる女だ 亭主、子供…」
石野ひかるは家庭を持っている。
ゆえにここまで往生際が悪く、ドレサージュに耐え忍んでいるということか?
「だがね、残酷な通告をしよう、石野さん 残念だが君の誘拐そしてドレサージュを我らに依頼したのは愛するご亭主だ」
石野の粘着テープ顔がハッとするように変化した。
さすがに驚くだろう。
亭主が自分の拉致とこんな卑猥なドレサージュを人に依頼していたなんて言うことが分かったら。まあ、僕が言える立場でもないのだが。
Mr.Bは明らかに動揺した女優に引導を渡す。
「さあ、愛する家族の趣向を受け入れてさらに愛される妻、そして女優になるのだよ」
「はむッ、ひいぃぃッ!!」
石野ひかるの健気な抵抗もそこまでだった。
手首を縛めた鎖を揺らし、卑猥な悲鳴を発した彼女は女芯に伝わる熱き快楽にとどめを刺された。
溢れでるじゅわりとした液体が太腿やその周囲に巻かれたバンドをぬるぬるに光らせる。陥落した石野ひかるはそれでも肩で息をしながら、僕らをぐっと上目遣いに睨んだ。
「ほう・・・大したものだ 普通快楽から解き放たれれば、意識を失っても可笑しくないはずだが・・・私のドレサージュを受けた女の中でも屈指の強さだ」
たしかに、透明度のある外見とは裏腹に、彼女は相当に気が強そうだ。
「まあ、いずれにしろドレサージュは完結した 君の肉体からはこのドレサージュの記憶は一生消えないさ」
そう言ってMr.Bは石野ひかるの口から粘着テープを外した。
ところが、石野ひかるは屈辱感に身体を震わせながらこんなことを口走ったのだ。
「あなたたち・・・私をこんな女に変貌させたことを・・・きっと後悔するわよ・・・ふふふ、すぐにわかるでしょうけれど・・・」

US様投稿小説:美女は剣をとり、策士は思惑通り女に縄を打つ~1

第1章
緊張した空気の張りつめる中、僕は全身ホワイトのコスチュームを身にまとった女剣士に目を奪われた。
主審が彼女と対戦相手双方に目をやる。
「Rassemblez! Saluez!」
その合図とともに
「En garde!」
 という僕には聞きなれない掛け声を境に彼女はその美しい顔をマスクで覆う。
 「Etes-vous Prêts?」
 再び主審が声を発する。
 女剣士はマスクの下で澄んだ声で答えた。
 「Oui!!」
 女剣士はフルーレと呼ばれる剣を対戦相手の持つ剣に傾けた。
「Allez!!」
主審の掛け声とともに対戦がはじまった。

「少し身体がなまっちゃったかな」
試合後、女剣士はマスクを外し、清楚な美貌に笑みを湛えた。
その剣士とは誰あろう、僕の妻、由美子である。
ここは都内某所にあるフェンシングクラブだ。
由美子は高校の終わりから大学時代まで、ここでフェンシングを習っていたという。
「いやぁ~~ユミ姫、なかなかいい動きでしたよ」
妻の父の友人で、このクラブのオーナーという男が、まんざらお世辞でもないという様子で由美子に笑顔を見せる。
「大学時代までと何ら変わらないな」
「まっ、失礼なぁ~~、まだ、それほど歳じゃありませんよ~、先生」
由美子はオーナーの言葉にわざとらしくちょっぴり頬を膨らませて見せたが、すぐ親しみのこもった優しい表情を見せた。
そんな妻の姿に、ぼくはもう悶もんだ。
美しいのである、由美子の姿は・・・。
恥ずかしながら結婚して3年以上も経過するのに、由美子がフェンシングを嗜むなんて知りもしなかった。
以前からたち振る舞いがシャキッとしている、というのは感じていたが、こんな趣味があったなんて。
最愛の女の意外に戦闘的かつ気品のある姿に、亭主としてはメロメロなのである。
由美子はコスチュームを身につけたまま、少し離れた場所で見とれていた僕に歩み寄ると昔馴染み達に紹介してくれた。
「あのユミ姫がもう人妻とはねえ~~」
さまざまな声が飛び交うが、僕は妻の上気した端正な顔に無意識のうちに見入ってしまう。
「旦那さん、よっぽど惚れてるね」
メンバーの一人が呆れたように言った。
「そういうふうに、‘洗脳’してますから」
由美子はククッ、と笑うと僕に優しい笑みを投げかけた。

「どうでしたあ? ‘あなたの妻’の雄姿は?」
由美子は少し恥ずかしそうに僕の顔を見上げた。
はっきり言って僕にはフェンシングのルールはさっぱりわからない。
ただただ、今目の前で自分の妻が見せたしなやかで美しい動きがVTRのように頭の中で再生されていた。
まるで時代劇で可憐で弱いばかりと思っていたヒロインが、窮地に立つと歴戦の猛者を打倒す女剣士でした、というオチでも見るような気分だ。
その可憐で輝くような由美子を前に、どう評していいのか分からないようなある種の歓びと興奮を覚える僕だった。
「ああ・・・いや、なんていうかさ・・・」
なんでそんなに、お前は魅力的なんだ!?と叫びたい衝動を抑えるのに必死だった。
「んん? どうしましたぁ?」
由美子は恥ずかしがり屋の幼稚園児をみつめる先生の表情で、夫の僕を見つめる。
僕はそんな妻の姿にまたしても心奪われる一方、心中は荒れ狂う様な動揺を覚えていた。
なぜかと言えば、先ほどこのクラブの応接室に飾られていた一枚の写真が原因だった。
そこには大学3年くらいだろうか?女子大時代と思われる由美子がメンバーと微笑む姿が写り込んでいた。
まだ、今よりは少し頬のあたりがおさなっぽく、美しくも愛らしい由美子。
しかし、その傍らに寄り添う、長身のイケメン青年の姿があったからだ。
このクラブは中高年が圧倒的に多い会員制のクラブだ。
学生の場合、大学のサークルやクラブ活動でスポーツをするのが通例だろう。
写真に写り込んだメンバーの中で明らかに由美子とその青年の間だけ、年齢的にも共通する空気が流れていることを僕は察していた。
その写真を見入る僕にオーナーが少し気まずそうな顔をしたこともその理由だ。
「あのさ・・・応接室の写真見た?」
僕は平静を装い由美子に訊ねてみた。
「写真?」
由美子は写真を見ていないようだ。
「長身のイケメン君が君の傍に立っている写真があるんだけれど、もしかして元カレ・・・かい?」
情けない話だが、僕は嫉妬しかかっていた。
由美子ほどの女ならば当然モテモテで、いくらでも男は寄って来る。そんなことは十分理解している。
それに僕は由美子と結婚しているのだ。
そんなことでヤキモチを焼くほど子供のわけはない。
しかし、由美子の傍らで微笑む男は、こちらのそんな余裕を打ち砕くほど大きな存在に思えたのだ。
「ああ・・・ はい 当時のお友達、です・・・」
由美子は一瞬、気まずそうな表情を見せたがすぐにいつもの冷静な顔に戻って僕を見た。
元カレ決定・・・。僕は確信した。
「一ツ橋を出て今は、霞が関に御勤めだって聞いたことがあるけど・・・」
由美子はどこか急に憂い顔に近い表情を作り、瞳を伏せた。
この表情が僕のジェラシーを本格的に昂ぶらせた。
(当時のことでも思い出してるのか、由美子!?)
心の中で動揺する僕だが、つとめて平静を装う。
ヤキモチを妬いているなんて間違えても気づかれてはならない。
しかし、由美子の憂い顔の理由は僕の浅はかな嫉妬などとは比べるべくもないほど、深い理由があることに後々気がつくことになる。

「どうしたね、U君? 随分、気持ちがささくれ立っているようだが・・・」
Mr.Bは太い眉をかすかに動かしながら、ワインのグラスを傾けた。
彼は僕を見ていないようで、心の中まで見透かしていた。
まあ、それくらいのいわば人間洞察力がなければ、綺羅星のごとく世に燦然と輝く女性を心酔させることができるはずもない。
僕は彼に隠し事をしても無駄なのは分かっているので、率直に心境をぶちまけた。
由美子の女騎士としての美しさを称賛したい気持ちと、元カレに対する嫉妬、2つのことがここ数日僕の頭から一秒たりとも離れることはなかった。
「ハッハッハ・・・そうかね ニンフ様がフェンシングを・・・」
「そりゃあもう、カッコいいというか、可憐というか、妖精みたいというか・・・時代は変わりましたね、女房の姿を見て亭主がキャーキャー言うなんて一昔前じゃ考えられませんでいたからね」
僕はスポーツはからきしだめなので、何処かコンプレックスを抱えているのかもしれない。
「しかも、元カレらしき男の写真を見たんですが、嫌味なほどにいい男なんですよ」
他人にはとても話せないことだが、Mr.Bには自然と話せてしまうから不思議だ。
「まあ、無理もないよ わが組織にも女神に心酔している男は数多いからね 素顔を隠したとて、一般社会でもその魅力は滲み出るものだ 彼女ほどの女性を射止めた男として君が一生背負うべき十字架だろう」
Mr.Bは達観したような表情で頷いた。
「ところで、その男性はどんな人物だったんだね?」
「それがねえ、一ツ橋を出て今は霞が関で役人をしているらしいですよ」
僕は相手の名前をフェンシングクラブのオーナーから聞いていた。
「橋本隼人、とかいったなあ・・・思い出しても腹が立ちますよ」
その名を聞いたとき、Mr.Bの表情が一瞬だけ変わった。

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