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ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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Time travel IN 大江戸 美女と媚薬と猿轡 最終章

第13章

田沼の失脚こそならなかったものの、民衆の力でお由美さんの元夫、仁科氏の嫌疑は晴
れた。「百花繚乱」も部洲人さんの手元に残ったままだ。
「本当に、平成の世にお戻りになるのですかぁ~~」
お由美さんは妙に色っぽい口調で僕を見つめる。お猪口を前にため息混じりだ。お酒が大好きなところも、誰かさんに似ている。
「ずっと此処にとどまって戴きたいわぁ・・・」
お由美さん救出作戦以降、僕とお由美さんは本格的に親密な関係になっていた。
よくよく考えてみると、僕は大したことをしていないのだが、部洲人さんの計らいで、
彼女にとって僕は英雄扱いらしい。
とはいえ、現代に戻らないわけにもいかない。
といって、戻る方法はない。
「いっそ、このまま・・・江戸に、いえ、私のもとにとどまられては・・・?」
お由美さんは今まで見たことのないほど妖艶で美しい瞳で僕を見る。
本人には言えないが、辱めとも言える拷問に耐えるお由美さんは本当に美しかった。
あの体験以降、お由美さんの美しさに磨きがかかったことだけは確かだ。
「はあぁ~~」
お由美さんは甘い吐息を再び漏らすと、僕の胸に顔を寄せてきた。
大人の恋…据え膳食わぬはなんとやら・・・妻へのロイヤリティ。
僕の脳裏にいろんな想いがよぎった。
しかし、一つだけ確かなことはお由美さんを愛おしいと思う自分がいたことだ。

「困ったことになりましたな、US殿」
部洲人さんの書斎に戻った僕は、さっきまでの「色事」を思い返し、嬉しい悩みに浸っ
た。部洲人さんはすべてを察している様子だ。
「住めば都っていうじゃない ここに残っちゃいなよ」
おさとちゃんはどこまでも楽天的だ。
「お由美さんと所帯を持つもよし、平成に戻る手を考えるもよし・・・といっても、何
の手助けも出来ず、心苦しい限りだが」
部洲人さんは頭を掻いた。
彼も、おさとちゃんも、僕にここにいて欲しそうだし、僕の方もそんな気がしているの
も事実だ。現代にはない、深く温かな人間関係がある。
「ところで、US殿 明日、例の祠に『百花繚乱』を封印しようと決めた だが、封印す
る際は『縛女蔵』に暗号を決めねばならん その暗号にする文字をUS殿、あんたが考え
てくれんかね?」
「いいですよ」
僕は快諾した。
縛女蔵を手にした僕は、その女像の台座に付属する、豆粒のように小さなダイヤル式の
あらゆる文字を見つめながら思案した。
現代で言うところの暗号式のダイヤルロックだが、ハングルや、アラビヤ文字のような
見慣れぬ文字とともに、ローマ字も連なっていた。僕はその4列のダイヤルを左読みで「B」、「E」、「S」、「T」と合わせると部洲人さんに返した。
「US殿この文字は?」
ローマ字をまだ知らぬ、部洲人さんは不思議そうに尋ねた。
「部洲人さんの名を平成の世で国際的に表すとこの文字なんですよ 伝説の媚薬を封印する、至高の縛り絵師の貴方に、ふさわしい暗号と思います」
僕の心からの賛辞に彼は目頭を熱くした。
この数週間で親交を深めたのはお由美さんとだけではない。
彼のおかげでスリリングな冒険を楽しむことができたのだ。
しかも、江戸時代のDID体験まで・・・。
他人には認知されていない嗜好を共にする友情が強固なのは昔も同じだ その時だ、身体
が激しく揺れ始めた。
地震!?いや違う、揺れているのは僕の身体だけだ。次
第に周囲の光景がTVの砂嵐のように流れていく。
部洲人さんの声も遠のいていく・・・。お由美さん・・・。
そんな中でも今日の別れ際に見せた美貌が脳裏に焼きついたまま離れなかった。

「貴方! 貴方!! Uさん!!」
お由美さんの心配そうな顔が次第にはっきりする。
いや、お由美さんではない。黒髪の美女、それは由美子!!
「よかったあぁ~~気がついたぁ 大丈夫? 皆さん本当に申し訳ありません、気がつい
たようです」
由美子は涙を瞳に輝かせ心配してくれている。
だが、僕には何が何やらわからない。
「ここどこ? 部洲人さんは?」
「べすとさん・・・?」
今度は由美子が??の顔だが、すぐに記憶の混乱と判断したらしく相手にもしてくれない。
「大丈夫、あなた? ここは江戸村よ 看板が上から落ちてきて少し頭を打ったの 私が
わかります!?」
そうか、僕は意識を失っていたのか。
そういえば、由美子と江戸村に来ていて…。
僕はようやく、記憶を失った当時のことを思い返すと同時に、この数週間の出来事が夢だ
ったことを認識させられた。
夢とわかっていてもどこか、寂しく切ない別れの感情に僕は言い知れない悲しみと虚しさ
を覚えるのだった。
部洲人さん、おさとちゃん、そしてお由美さん・・・。

しかし、この話には衝撃の後日談がある。
東京に戻ってほどなくしたある夜のこと。
僕は久しぶりにMr.Bに呼び出された。
電話で言うには相談があるという。
「実は私のご先祖が残した‘財宝’があるらしいのだが、暗号が解けずに困っている 知
恵を貸してくれないか」
ということだった。謎の男であり、どこかユーモラスなMr.Bらしい誘いだった。
世田谷区内の目的地に案内された僕は、Mr.Bが説明する前にあっと声をあげた。
目の前には、夢の中の江戸で魔の媚薬「百花繚乱」を封印したあの祠が鬱蒼と茂る小さな
森の中に見えたからだ。
そしてその石扉の前には緊縛を受け、猿轡を噛まされた黄金の女人「縛女蔵」が鎮座まし
ている。僕のただならぬ様子にMr.Bが??の表情だ。
も、もしや部洲人さんはMr.Bのご先祖!?
そんなバカな、あれは夢のはず・・・。でも・・・。
僕は意を決して、縛女蔵の台座の暗号を「BEST」合わせた。すると中には・・・。
小さな宝石つきの小箱。
そして破れかけた巻物が出てきた。
小箱を開けると、そこには見覚えのある白い粉。
「百花・・・繚乱・・・ 夢じゃなかったんだ」
「US君、なぜその媚薬の名を?」
Mr.Bは驚いている。
それには答えず、僕は巻物を手にした。
それにも見憶えがある。
そう、源内を改心させた名作「哀愁縛女」だ。
猿轡を噛まされ緊縛を受けた美女が、観る者の淫心と憐薇を掻き立てる名品だ。
そうか、部洲人さんは予定通り、この媚薬を封印したんだ。
僕は感慨に耽った。
しかし、僕はもう一つの「宝」を見つめた。
それは、江戸時代に置き忘れてきた僕の携帯電話だった。
部洲人さんも、お由美さんも、そしておさとちゃんもこれには興味を示していたのを懐か
しく思い出し、僕は目頭を熱くした。
しかし、本当に僕が切なくなるのはこれからだった。
携帯のデータは数百年前から保存されているというのに無事なままだった(もっとも、時
間にしてみれば、僕と同じだけしか時間を消費していないことになるのかもしれないから
当然なのかもしれないが・・・)。
動画を起動すると僕が撮影したもの以外に、メッセージが残されていたのだ。そこには・・・。
「US殿・・・お元気かの? そなたが急に消えてしまって本当に寂しいが、平成の世に
無事に戻っていることを信じておるよ・・・」
部洲人さんだった。
「私もおさとちゃんも寂しいが、もっと寂しいのはこのお方じゃ」
画面が切り替わり映っているのは、そうお由美さんだ。
「お由美さん!!」
僕は叫んだ。
「US様・・・お別れも言えず、無念でございます ですが、数百年の時を超えて想いは生きております どうかお元気で・・・」
お由美さんは涙をこぼした。
「平成に飽きたら、また遊びにきなよ、おじさん!」
おさとちゃんが元気にお転婆な口調でカメラに話しかけている。
最後に部洲人さんがメッセージを送ってくれた。
「US殿、『百花繚乱』の封印を解いた際には、それを正しき道に仕える者に授けて下さ
れ それが時を超えた友であるそなたへの願いじゃ・・・」
部洲人さんの感慨無量という表情で江戸時代からのメッセージは締めくくられていた。
(正しき道に仕える者・・・ 確かにあなたの末裔はそういう人ですよ 安心して下さい、部洲人さん)
いまだ、??の表情のMr.Bを向き直り、僕は彼のご先祖とその偉人が遺した宝物の秘密
を教えるのだった。                        完

Time travel IN 大江戸 美女と媚薬と猿轡 その12

第12章

夜更けだった。
平賀源内の屋敷に忍び込んだ僕らは部洲人さんの書きあげた芸術作品とも言える「哀愁
縛女」と名付けられた作品を前に、立ち尽くすこの家の主の脱力感に満ちた表情を前に
確信した。
ソレは紛れもなく彼の愛人お礼を預かって辱めている、という脅迫の意味合いもあった。
だがそれだけではない。
源内の部屋に掲げた絵は囚われ、縄を打たれ、女の快楽の源を突かれ、その喘ぎを漏ら

権利まで失った女の哀れさと美しさが滲み出た名作だ。
彼も人情を持ったひとりの人間であれば、このある種、扇情的な絵画から人を思い遣る
心を取り戻すであろうという、逆説的な思想を部洲人さんは持っているようだ。
人の心を動かすのが芸術・・・
そういった意味でも、「哀愁縛女」は人心を打つ名作と思う。
源内は改心する、と僕は踏んだ。

「部洲人さん、おじさん 大変!! お由美先生が磔にされちゃうって!!」
おさとちゃんが半泣きで飛び込んできた。
町中にはお由美さんの処刑を知らせる立札が立つ。
『紫頭巾を名乗る、寺小屋女師匠お由美 老中田沼意次私邸に忍び込み、暗殺を企てた
罪により市中引き回しの上磔に処す』
やはり、お由美さんは田沼にあの後、三日三晩責め苛まれ続けたのだろう。
それでも、部洲人さんの所有する「百花繚乱」に刺客の手が及ばなかったわけだから、
彼女は淫微な責め苦にも口を割らずに耐えしのんだのだ。
そう思うと、彼女の健気さが愛おしくもあり、命がけで僕たちを守ってくれた美女を僕
は心底想う。
しかも、愛する妻にウリ二つの美女だ。死なすわけにはいかない。
しかし、それもこれも今日の作戦にかかっている。
町中は町内のマドンナの処刑に騒然だ。
後ろ手に縄を打たれ、籠のような檻の中に正座させられたまま引きまわされるお由美さ
んの姿をまるでお通夜のように見つめている。
寺小屋の子供たちは縄目の恥を受けたお由美先生に駆け寄ろうとして、町方におしとど
められている。
「せんせ~~い」
「お由美せんせいをはなせ~~」
「お由美さ~~ん」
老いも若きも、心優しい美貌の寺小屋師匠の処刑を恨んでいる。
「皆さん、どうかお元気で・・・」
「ひろきちゃん、おはなちゃん みんな、お父さんお母さんの、言うことをよく聞いて
一生懸命学んで頂戴・・・」
お由美さんは檻の中から、世話になった人たちや教えていた子供たちに別れを告げてい
る。
縛られ、胸の膨らみがはっきりしたお由美さんの緊縛姿は想像を絶する美しさだっ
た。
しかも、お由美さんはあまりに町の人々からの声に応じるため、途中籠を外され、猿轡
を噛まされるという屈辱まで受けてしまった。
正座で緊縛され、猿轡まで噛まされたお由美さん。
その妖艶なまでに美しい彼女と僕は処刑上で目があった。
籠から出されたお由美さんは一時的に縄を解かれた。
そして猿轡も外された。
もはや、亭主のことで異議を申し立てるような様子はなかった。
潔さも、武家のご妻女のなせる業かもしれない。
死を覚悟して、凛とした輝きにも似た美しさを放つだけだった。
お由美さんは僕と目が合うと、ふっと優しげに微笑んだ。
僕は心臓がわしづかみにされたように痛んだ。
美しい。そしてタイムスリップして路頭に迷った僕を支援してくれたのもこの人だ。
短い間だが、ともに冒険もした。
紫頭巾となって僕を守ってもくれた、お由美さん!!
いよいよ、彼女が白い十字架に寝かしつけられ、白い手首をそれぞれ縛められ、脚首も
揃えたまま拘束される。
磔となったお由美さんが、天に向けて晒された。
彼女の足もとに藁が揃えられ、いよいよ火がつけられる。
マドンナはもうじき、燃え盛る火の餌食となる。
僕は竹で拵えられた柵をわしづかんで見守る。その時だ!!
突如磔台からモーター音が響いた。
小さなのこぎりの歯が回転し、お由美さんと磔刑台を縛っている縄を切る。
そののこぎりは脚の縄もたちきり始めた。
「今だ!!」
僕は叫んだ。
その時、お由美さんの周囲で爆竹が鳴る。
僕は現代人の身体能力を(?)発揮し、柵をよじ登り、磔台にダッシュ!!お由美さんの
もとへ向かう。
お由美さんは縄を切られたとはいえ、磔台に立ったままだ。
「お由美さん!跳べ!跳ぶんだ!!」
僕は白装束で身をこわばらせるお由美さんに向かって叫ぶ。
「US様!!」
お由美さんも意を決して磔台から飛び降りた。
それを何とか受け止めた僕はお姫様抱っこしたまま一目散に走る。
追っ手はこない。
爆竹の煙幕が邪魔し、何が起こっているか分からないためだ。
「た、助けに来てくださったのですね、あなた・・・いえ、US様・・・ありがとう」
お由美さんはあまりのことに混乱しているのかもしれないが、僕の胸元で涙をにじませ
ている。
可愛い。現代人にはない健気さと可愛さ・・・。
由美子でもここまで愛らしい仕草はできまい(?)。
あれだけ淫微で残酷な拷問を受けたというのにその表情は凛としていて、逆に以前より
も美しさを増しているようにも思える。
とにもかくにも、僕は処刑上の端に部洲人さんが用意していた馬までお由美さんと愛の
大脱出だ。
遠くに、昨夜までの敵、平賀源内の姿が見えた。
その傍らにはお礼が寄り添って・・・。
彼は目覚めたのだ。
部洲人さんの名作を目の当たりにし、自らが愛する女が受けた仕打ちの辛さと、お由美
さんの夫の汚名を晴らすべく責め苦に耐える姿の美しさ哀れさに、正義感を呼び起こさ
れたのだろう。この一連のカラクリは彼の作戦だ。
敵までも巻き込む部洲人さんの手腕に僕は恐れ入った。
しかし、カラクリはこれだけでない。
そして最後のからくりには僕が絡んでいる。
僕が平成から持ち込んだ唯一の道具。
携帯電話のレコーダー機能を用いた僕は、お由美さんが拷問を受けている最中に、仁科
宇之丞にかけられた疑惑の真相を田沼意次がバラシタ際に、すべて録音していたのだ。
それを源内が発明した拡声器、今で言うスピーカーで処刑上に集まった民衆に流す作戦
なのだ。爆竹の煙が治まる頃、あたりによく響く音量で田沼の声が流れるのを確認した
僕はお由美さんを馬にまたがらせた。
それを傍らで見ていた部洲人さんが目配せして作戦の成功を祝った。

Time travel IN 大江戸 美女と媚薬と猿轡 その11

第11章

翌日。ここは部洲人さんの書斎の床下に掘られた小部屋。
小さな階段を数メートルほど下りていくと室内は淫微でねっとりした熱気と、それでい
て真剣な芸術家が放つ「気」のようなものが発せられていた。
部洲人さんは意外な行動に出た。
そして僕はそれをサポートした。何をしたかと言えば、女の「拉致」だ。
いや、ここは江戸時代らしくかどわかしとでもいうべきか・・・。
ターゲットは源内の家であった「お礼」という名の美女だ。
最近見ることは少なくなったが、女優の高●礼子そっくりの美女。
細面に、切れ長の瞳が印象的だ。
「責め苦には、責め苦で応じるべきだ」
部洲人さんは真剣な眼差しで言った。
そして、額に汗をにじませながら、筆を丹念に走らせる。
「私はね、US殿 単なる縛り絵師、そして責め絵師だ しかしね、誰かの尊厳を死守す
べく筆を使いたいと常々思っていた その時がついに来たというわけだ」
彼は続ける。
「お由美さんは大切な方だ 私たちにとっても、この町の人たちも、皆あの方を慕って
いる そのお由美さんを救うには私にできることはこれだけだ」
部洲人さんは時折、モデルとなっているお礼をちらちらと眺めながら、筆を丹念に動す。
そこへ、お茶と簡単な食事を持ったおさとちゃんが現れた。
「部洲人せんせ・・・きゃっっ!!」
おさとちゃんはあまりにも恥ずかしい、という表情で顔をそむけた。
無理もない。その視線の先には・・・。
ぎい、ぎい、という縄のきしむ音。
女の荒い息遣い。柔肌を伝う汗の匂い。
そう、お礼の緊縛姿だ。
お礼の肉体は宙を浮いていた。
なぜならば、天井の梁から吊るした竹竿に腕をかけられたお礼は後ろ手にくくられてい
た。白い脚は胡座をかいたような恰好で緊縛され、まるで後ろ手に座禅をさせられたよ
うなポーズで浮いているのだ。
しかし、江戸の女は気性が荒い。
お礼は素っ裸のまま恥ずかしい姿で捕えられているというのに口だけは達者だ。
「あんたたち、こんな若い娘まで引っ張りこんで、お盛んだねぇ~」
恥じらうおさとちゃんを熱っぽい瞳で眺めながら、粋な口調で僕たちを牽制する。しか
し、部洲人さんは冷静だ。信念の下に行動しているからかもしれない。
「申し訳ないね、お礼さん 私らも大切な人を救うためだ 協力してもらいたい」
「あの、お由美とかいうお武家の奥様だろ? この界隈でも噂の美人だったよ 気だて
が良くて、頭も良くてって、私とじゃ、突きとすっぽんだ 田沼様がお熱になるわけだ
よ」
縛られたお礼は自嘲的に言った。
彼女も美人だが、確かに、お由美さんの品位と知性を兼ね備えた立ち居振る舞いには到
底及ばない。
「さあて、それはどうかね 私は源内の人間性に掛けてみたいのだ 奴が心底あんたを
愛しているならば、私の絵を見て改心してくれるはずじゃ そのため、あんたには至極
の快楽を感じてもらう」
部洲人さんは急に策士、そして責め師とも言うべき、淫靡な顔つきとなった。
「US殿・・・例のモノを」
僕は意を決して宝石のついた小箱を開けた。そう、中身は「百花繚乱」・・・。
僕はその白い粉を小皿にこぼし、水を混ぜ合わせた。
そして粘着質の液体となったそれを指ですくう。
そして、いざ、お礼の女の部分へ・・・。
うっそうと茂ったお礼の女陰に、それを滑り込ませると・・・。
「ひゃああっくうううぅぅぅんんッ!! あううぅぅぅんんんッ!!」
信じられないほどにお礼の身体は女芯を起点に、ビクンと跳ねあがった。
「わ、わたしをどうっしようってんだいぃ~~ッ!!くうううぅぅぅ~~~ッ!!」
お礼は悔しそうに、あぐら緊縛姿のまま、細面の顔をいやいやとよじる。
「ひいいいいいぃぃ~~ッ」
僕の指使いに合わせて、愛液が吹き出す。
クリトリスが脈打つのが良く実感できた。
白い肌が紅く輝き、息で冷徹とも言える表情は甘く歪んでいる。
それでいて、単に性的快感に溺れているのではなく、囚われ、なすすべない状況で快楽
のツボを赤の他人の男たちに弄ばれている哀れな女の表情も燃え隠れした。あらゆる女
の様々な姿を浮き彫りにする。これぞ、「百花繚乱」の魔力か?
「べ、部洲人先生、この人大丈夫なの? 死んだりしない?」
おさとちゃんは部洲人さんの肩をつかみながら、恥じらいながらも女囚のお礼を案じている。
「百花繚乱は真の女の幸福にもつながる媚薬だ 命に支障はない だが、私は安易に至
福を求めることを防ぎたいだけじゃ」
部洲人さんは真剣な眼差しで筆を動かす。
「駄目じゃ、それだけでは・・・」
彼は興奮した様子で、ある行動に出た。古びた太めの筆の良端を丸くくりぬいた。
そして、おさとちゃんにその穴にひもを通すように命じた。
「先生、これどうするの?」
おさとちゃんはキョトンとしている
。そう、彼がしたことは容易に想像がついた。
「おさとちゃん、この人にそれを噛ませて猿轡にするんだ」
僕が代弁してあげた。
部洲人さんは我が意を得たり、という顔で僕を満足そうに見つめている。
まるで師弟関係のような感情が芽生え・・・ても困るのだが。
「猿轡って、なに、おじさん?」
おさとちゃんは昨日自分が噛まされていたというのに、この娘はまるでそれを分かって
いないらしい。
「口を塞ぐんだ! 早く!」
僕に急かされたおさとちゃんはおずおずと、それでいて思いっきりよく、お礼の甘く歪
む顔に押し当て、白い歯と歯の間にカキッと噛ませた。
そして紐尻を合わせて後ろで縛る。
かくして全裸のお礼のあぐら緊縛猿轡絵図が完成した。
お礼のくぐもった喘ぎと、きしむ縄の音。
その中で部洲人さんの格闘は続いた。


Time travel IN 大江戸 美女と媚薬と猿轡 その10

第10章

お由美さんへの残酷かつ淫微な責め苦は深夜まで続いた。
僕は拷問にかけられるお由美さんを正視できない。
「『百花繚乱』とまではいかぬが、ワシの南蛮仕込みの媚薬はいかがかね、お由美殿?」
お由美さんへのいたぶりはさらに、エロチックなものになっていく。
荒縄に挟まれた乳房は膨張し、その上で激しく勃起する乳首。
象牙色の肌は荒い呼吸に波打ち、赤みを帯びている。
責め具を挿入されている性器は、
時折、じゅわじゅわと泡交じりに愛液が吹き出し、振動を与えるソレにまとわりついて
いる。
肛門からはわずかながら糞便まで滴っていた。
エロキテルを稼働させられるたびに、縄を打たれた肉体がぎゅうぎゅうと歪み、女陰か
らエロティックな液体があふれ、肛門が卑猥な音とともに震える。
これだけの辱めを受けても、気丈に武家の妻女らしく気高く振舞っていたお由美さんだ
が、今はその美しい瞳も甘く潤んでいる。
源内は謎の白い粉を蝋燭で焙り、お由美さんの端正な瓜実顔に近づけてかがせている。
現代で言う「あぶり」というやつか?
「さあ、お由美様 これ以上生き恥をさらすのは武家のご妻女として、御家の名誉にか
かわりますぞ!?」
家名を盾に脅しにかかる源内。しかし。
「く・・・生け捕りにされ、あられもない姿にされ、縄をかけられ、汚物にまみれ、女
の誇りを穢し尽くされた私に、何がありましょうか・・・」
「おっと!!」
源内はすばやく何かを察し、お由美さんの品の良い口に手を伸ばした。
「あぐぅ~~・・・」
口をこじ開けられ悲しげに呻くお由美さん。
「舌を噛み切られては元も子もない わずかに生き残った『百花繚乱』のありかを知る
生き証人だ」
源内は懐をまさぐると鉄精の細い、T字型の棒を取り出しお由美さんに強引に噛ませた。
T字なので、一本の棒はお由美さんの口内に侵入し、その自らの命を断つため、噛み切ろ
うとしたであろう、舌を押し込み、加えて、その口を塞ぐことにも成功した。
「あおうぅ~~ッ」
自害防止用の鉄轡だ。
「我が家中でも、一、二を争う、美貌と教養を兼ね備えた女だったお由美の痴態、なか
なか愉しめる」
自ら、愛する夫の名誉を守るべく命をたち、あの世で添い遂げる唯一の手段すら奪われ
た無念そうなお由美さん。対照的に田沼は満足げだ。
「さあ、お由美殿 口は利けずとも拷問は続きますぞ」
源内は蝋燭を手にすると、勃起したお由美さんの乳首を火炙りの要領でいたぶる。
「ううッ、はむッ」
「私の媚薬はね、責められれば責められるほど、感じてしまうのですよ、お由美さん 痛
みも熱さも、あま~~い心地よさに、ね」
お由美さんの形の良い頬に食い込む鉄枷の脇から、唾液が泡を作り、時折それが風船の
ように膨らむ。
乳房の間に、汗が滴り落ちる。
「さあ、さあ、お由美さん こんなに感じてしまって、もうお武家の女じゃないね 性
の感も、肛門も、そして、あんたの心も、もうのっぴきならない状況だね」
源内はいたぶる様にお由美さんを追い詰める。
「さあ、白状しませんか? それとも、こっちをもう少し責めて差し上げましょうか?」
「はぐうう!!!」
秘部の責め具を再び振動させる。
もはやお由美さんは肉体のどこを責められても感じてしまう、恥ずかしい身体に変貌し
つつあるらしい。
しかし、源内は女を責めるプロらしく、お由美さんをイカせない。
イク寸前でいわば寸止めの要領で別の責め苦に切り替える。
そのため、責められる女は、新たな責め苦に耐え、次第にエスカレートしていく仕
組みだ。
しかし、責めては強し、身は弱し、でお由美さんは精神的にも、肉体的にも激しく追い
詰められていることは明白だ。
「また失神しおったか、お由美」
お由美さんは半白眼をむき、天を仰いで意識を失っている。
「まあ、よい 時間はまだたっぷりある 三日三晩責め抜き、泥を吐かせるのだ!!」
田沼は残忍な笑みを浮かべ命じた。
「ひどい・・・お由美先生をあんな目に」
傍らで拷問を見つめていた、おさとちゃんは部洲人さんの裾をつかんで涙ぐむ。
「助けに・・・」
正直言おう。
僕は拷問にかけられるお由美さんの姿に、アソコが勃起しっぱなしだ。
捕まった女の美しさと惨めさ。
そして愛する男の信念を守るため、責め苦に耐える女の輝きを見たからだ。
しかも、身分の高い、高値の女が、下世話な発明家にの手この手でいたぶられる様は、
DIDファンならずとも感じてしまう。
だが、僕はお由美さんに恩があるし、江戸では数少ない友人だ。
何としても助けねば。
「今は助けられんよ、US殿」
「でもこのままじゃ・・・」
「お由美さんはこれからも責められるじゃろうが、『百花繚乱』を手に入れるまでは、
命は奪われまい こちらも策を打つしかない」
部洲人さんは再び策士の顔で頷いた。

Time travel IN 大江戸 美女と媚薬と猿轡 その9

第9章
おさとを庇いながら、僕たち二人は大邸宅の離れにあるわずかな明かりの洩れる
小屋をそっと覗いた。
そこはまさに拷問部屋。
天井から縄が垂れ下がり、拘束用の枷もある。
壁には竹刀がかかり、水桶も用意されている。
どうやら、田沼は常習的に拷問を行うサディストらしい。
妖しげに灯る蝋燭。
その室内で僕は衝撃的なものを目にした。
それは天井から荒縄で細く白い手首を頭上で縛められ、立たされたお由美さんの姿だ。
紫頭巾の衣装はすべてはぎとられていて、まるで覚悟を決めたような白装束のような肌
着一枚だ。
髪が解れていて、それが彼女の持つ翳のある美貌を大いに引き立てている。
「お由美先生・・・」
おさとが声を出しそうになるのを、制止する部洲人さん。
「むふふ、お由美・・・一度、お前をこうして引き据えてやるのが夢だった 中々良い
様じゃ」
田沼は舌舐めずりでもしそうな顔で、お由美さんをねっとりと眺める。
「おのれッ! 田沼・・・わが夫の敵・・・」
お由美さんは意外にも男言葉で、田沼を睨む。
それにしても夫の敵、とは!?
「ククク、お前の亭主は馬鹿な男よ 『百花繚乱』の密輸を暴いたばかりにワシとして
は奴を葬り去らねばならなくなった 無限の快感を制しようとするなど愚かな男よ」
「クッ、やはり、貴方方が手を組んで主人を嵌めたのですね!!」
お由美さんは悔しそうに美貌をゆがめ、両手首に食い込む荒縄を断ち切らんばかりに身
悶える。
白い肌着の下で乳房がゆさっと揺れた。
「その通り、あの媚薬が手に入れば、江戸中の女が快感を求めて集まってくる 金も入
る 世は潤う いいことづくめじゃ それを、奴はつまらぬ道徳心から、百花繚乱の禁
止令をわしに迫ってきおった」
そういうからくりか・・・。
僕にもようやく合点が行った。
「さてお由美殿・・・そなたはどうしてくれようか? ワシに逆らった罪は大きい 夫
の後を追い、あの世に行ってもらうことになるが・・・?」
田沼はお由美さんの白い顔に自らの手顔を近づけると、シワガレタ手でその美貌をわし
づかむ。
「構いませぬ!! もとより死は覚悟のうえッ!! たとえ、生け捕りの身となろうとも、
夫の遺志を曲げるとつもりはありませぬッ」
お由美さんは凛とした口調で言い放つ。
やはり亡くなったご主人を愛しているのだ。
「まあ、死に急ぐこともあるまい その美貌、捨て置くには勿体のうことじゃ そなた
が部洲人なる輩に渡した『百花繚乱』のありかを白状すれば、命だけは・・・」
そうか、わずかに密輸された「百花繚乱」を発見したのはお由美さんのご主人なのか。
それを部洲人さんが遺志を継いで守ろうとしているのだ。
田沼はいやらしい目つきで、お由美さんに言い寄る。
「何度お尋ねになられても同じことッ 主人の敵に命乞いは致しませぬ!!」
またも凛とした険しい表情で言い放つ。
「フフフ、思った通りの強情さ それもまたウイものじゃ 宇之丞も常々そなたを自慢
しておったぞ、ククク・・・ だが、どうしても言わぬとあらば、そなたを責め苛むし
かなくなるが?」
「それも覚悟のうえ・・・どんな苦痛にも屈しませぬ」
お由美さんが拷問されてしまう。
「フフフ、田沼別邸の拷問部屋・・・何一つ白状せず、耐え抜いた気丈な女などいない 
だが、お由美、拷問は必ずしも苦痛のみとは限らんぞぉ~~」
田沼は、配下に目くばせをする。
「お由美! そなたを責め抜くに相応しい男を呼んである」
そこに現れたのは・・・。

「いやあ~~そなたが、仁科殿のご妻女、お由美さまですか 噂には聞き及んでおりま
したが美しい 縛られているとなお、ね」
いやらしい目つきで現れたその男は、僕に「縛女蔵」の鍵を渡した発明家だ。
「フフフ、平賀源内よ お前の淫微なからくりでこの女から『百花繚乱』のありかを聞
き出せ!!」
なんと!あの男は平賀源内だったのか!?
僕が驚いている間にも、お由美さんに淫靡な拷問の危機が迫る。
配下の男たちに、手首を縛っている荒縄を解かれたお由美さんは、身悶え、抵抗を試み
るが、そこは女でしかない。
2人の侍に組み伏せられてしまう。
「お由美様、武家の奥方らしく、往生際は良くなさいませ 媚薬の在りかを白状しない
ならば潔くワシのいやらしぃ~~責め苦にのた打ち回っていただくより道はありません
ぞ」
源内はSMの師匠も真っ青というセンスの良さで、侍2人に命じてお由美さんをあられも
ない姿勢で縛めるよう命じる。
予想通り、まず白い肌着をはだけられ、形の良い乳房は露出させられる。
その上から2本の縄でお由美さんの乳房を挟み込む。
その縄で後ろ手に縛められたお由美さんは抵抗するすべを失い、ああ、と嘆声をあげ、
力尽きたように項垂れる。
しかし、武家の奥方に対する縛めはそれだけでは済まなかった。
床には被拷問者の脚を拘束するための枷が用意されている。
その枷にお由美さんの両脚首を左右それぞれ拘束する。
乳房を丸出しにしたまま、まるで排泄でもさせられる時のように股を開かせられ、しゃ
がまされたお由美さん。
「お、おのれ・・・この恥辱・・・忘れませぬッ」
お由美さんは口惜しそうに、本当に切なそうに美しい瞳を潤ませながら、源内を睨む。
「滅多なこと言うもんじゃありませんよ、お由美様 あんたに本当の恥辱を味わっても
らうのはこれからだ この私の発明したエレキテルでね」
源内はポンと木製の小箱を叩く。
エレキテル。
平賀源内の代表的な発明とされるが、それを用いて何をしようというのか?
「外国ではね、お由美様 女を昇天させるような行為をエロティズムというのだ 私の
発明はエレキテル だが、それを改良した名品で貴方の口を割ってあげようと思いまし
てな 名づけてエロキテル!!」
源内は木箱を開けるとあるものを取り出した。
それは紛れもなく男根をかたどった女陰の責め具だ。
さらにもう一本。
まるでお団子のように、無数の珠のついた細い棒。
2つとも何やらコードらしきものが付いていて、木箱につながっている。
源内は2つの責め具に何やら油のようなものを丹念に塗りこんでいる。
「ククク・・・お由美さん 貴女、女に生まれたことを後悔しますよ」
源内はニヤつきながら、責め具を一本ずつ、配下の侍に手渡す。後は予想通りだ。
「あッ!ああッ・・・、お、おのれ・・・くうぅッ・・・」
まず、団子のような責め具がお由美さんの肛門に挿しいれられるのを目の当たりにした。
お由美さんの美貌が激痛に歪み、その直後、怒りと絶望を交えた複雑な表情に変貌する。
だが、それだけで許されるはずもなく・・・。お由美さんの真正面にしゃがみこんだ侍
は、その白い褌をはぎとると、恥毛に覆われる女陰に、男根をかたどった責め具を挿入
した。
「あ、ああぁぁ・・・」
今度はお由美さんの甘く切ない悶え声が、拷問部屋からに漏れる。
「はっはっは・・・まだ、挿しこまれただけでそんなに、感じていてはこの先が思いや
られますぞ」
「夫を死に追いやった相手に生け捕られたばかりか、こんな辱めを受けようとはぁ~
~・・・」
お由美さんは涙交じりに、嗚咽を漏らす。
だが、源内は残酷だ。
「もっと辱めて差し上げますよ、お由美様 まずは女だけの穴から・・・」
源内は木箱の中のスイッチらしきものを操作する。
すると・・・。
お由美さんのムチッとした白い太腿の奥で、性器にものの見事に差し込まれた男根が他
の責め具が、ウインとモーターのように唸り、徐々に動き始める。
しかも、その動きはまるで本物の男根のように動く、というより何か女の快楽のツボを
求めてまさぐる様に蠢く。
まさに、江戸時代バージョンのローターだ。
「あッ、あふうぅッ、はうあッくうぅ~~ッ」
お由美さんも最初は快感を認めまい、と気丈な表情を見せていたが、そこは神ならぬ女。
性感を次第に昂ぶらされてしまっている。
「あッ、あッ、ああぁぁ~~~~~ッ こ、こんな淫らな仕打ちに感じるとは・・・は
したないッ」
ひちゃひちゃひちゃ・・・。
お由美さんのいやらしい声に混じり、下の口からも淫微な声が漏れ始める。
「ふふふ、なかなかいい感じ方じゃな、お由美殿 亭主以外の男は知らぬと申すか? な
らば、亭主に先立たれて、以降、女の悦びを忘れたそなたに、恥辱と苦痛の果てに垣間
見える快楽を与えてくれるわ。やれ、源内」
「はい、仰せの通り」
源内が再び木箱を操作する。
今度は再び、低い音とともに、お由美さんの臀部が震えているのに気がついた。
そう、肛門快擦の責めだ。
「あッ!! あぐうぅぅッ!!」
お由美さんの美貌が激しく歪む。
おそらく、肛門に走っているだろう違和感に縄を打たれた上半身を悶えさせる。
「どうです?お由美様 あなたの大の腸まで責め具は達してしまいます 今は痛くてお
辛いでしょうが、じきに心地よくなりましょう もっとも、『百花繚乱』のありかを白
状すればすぐにでもやめて差し上げますが、いかがかな? どうせ、あの部洲人という
浮世絵師と、未来から来たというキチガイも生きているはず 奴らの居場所も白状しな
され」
聡明そうな額に脂汗を光らせ屈辱に耐えるお由美さんを弄ぶように訊ねる。
「なんど・・・お尋ねになっても、同じこと・・・責め苦には屈しませぬッ ましてや、
夫の無実を信じ、共に闘ってくださる大切な方々をあなた方などに売り渡すものですか
ッ」
「ほほお、何とも強情なお方だ ならば、今度は少し悲鳴をあげていただくしかありま
すまい」
再び、木箱の中をまさぐる源内。すると。
「きゃああぁぁぁぅぅ~~~ッ」
お由美さんが白目を剥いて激しく身悶え泣き喚く。
「ハハハ、肛門にエレキを流される感想はいかがかな? これをしますとな、肉体のい
ろ~~んな場所の感度が良くなりますぞ」
ひどい、肛門に挿しこんだ浣腸器に電流を流したのだ。
白い太腿の奥から、じゅばじゅばという水温が漏れてくる。
電気ショックのため、失禁してしまったらしい。
開かされた股の間から湯気を立てながら、尿が白い肌を伝って地面に水たまりを作る。
がっくりと項垂れたお由美さんは、意識を失ったようだ。
「源内、手ぬるいぞ お由美をもっといたぶり抜け!! わしに楯突くとどうなるか、骨
の髄まで分からせてやれ 『百花繚乱』の在りかを吐くまで徹底的に責め苛むのじゃ!!」

Time travel IN 大江戸 美女と媚薬と猿轡 その8

第8章
部洲人さんは忍者のような身のこなしで屋敷内に侵入すると、僕を天井らに
引っ張り上げた。
「部洲人さん・・・ここはいったい誰の屋敷です?」
僕は、本当はこの文化人の正体にも興味があったが、それよりも直近の謎を問いかけた。
「やはり予想通りでしたな、ここは老中、田沼意次の秘邸・・・」
田沼意次。
僕は歴史には疎いが、田沼の時代も平成の世と似ていて財政赤字に
苦しんでいた社会を活性化させるべく、重商主義政策を採った改革者のイメージがある。
株仲間の結成したり、銅座などの専売制の実施、鉱山の開発、蝦夷地の開発計画、
俵物などの専売による外国との貿易の拡大等の政策を実施したことなどが
実績として知られている。
しかし、何事にも裏はある。
彼について回る賄賂の話。
大商人、敦賀屋と秘密の水路でつながるほどの仲であることから、
双方はかなりヤバい取引を時代劇さながらにしているのかもしれない。
そして、権力を手にしたものがもう一つ欲しがるもの、それはズバリ女!!
それを僕は今、目の当たりにしていた。

そう、そこにはまさに囚われの町娘、おさとちゃんが桃色の着物姿のまま
厳しく縄を打たれ、後ろ手に縛められている。
脚首も短めの帯のようなもので縛られているのが、はだけた着物の裾から見え隠れし
ている。
「い、いやあぁぁ~~ッ」
おさとちゃんは、半泣きで御尻を滑らしながらもがくように後ろに逃げる。
それを這うようにして追い詰める老人。時代劇さながらのお約束の光景だ。
「いいではないか! いいではないか!」
老人は愉しむようにおさとちゃんを追い詰める。
察するにこの老人が、田沼意次らしい。
ついに壁を背にし、逃げ場を失ったおさとちゃん。
縛られた小柄な身体を後ろから抱きすくめられてしまった。
「たまらんのぉ~~、若い娘は 今宵は存分に可愛がってくれるぞ、んん?んん?」
「だ、だれが、あんたなんかにぃ~~」
おさとちゃんは可愛い顔をして結構言うことはきつい。
しかし、所詮は縛られた少女。
いかに悶えようと、エロ爺と化した田沼から逃れようもなく・・・。
桃色の着物の肩がずらされ、白い肌が露わになる。
少女とは思えぬほど、むっちりした乳房が田沼によって取り出される。
薄ピンク色の乳首を弄ぶように愛撫し始める。
「あッ! い、・・・いやぁぁぁ~~・・・」
今にも消え入りそうな声で、嗚咽を漏らすおさとちゃん。
言葉とは裏腹に女の扱いに慣れきっているであろう田沼の愛撫に、
おさとの乳首は縄の上でピンッと音がするほどそそり勃っている。
少しお転婆だが純情そのものの優しい町娘が、かどわかされたうえに縛られ、
敵から性的な辱めを受けるというのもお約束のパターンだ。
しかし、現実にこんなことがあっては本人は生きた心地がしまい。
おさとちゃんが舌を噛み切らない、という保証もない。
田沼は自害をしそうなヒロインに用いる秘密道具を取り出す。
そう、猿轡だ。
田沼は短めの帯紐を手早く、結び目を作り、いやいやするおさとちゃんの口にねじ込む。
「あふッ、あむうぅぅ~~ッ」
現代風にいえば、タラコ唇のおさとの口が上下に激しくこじ開けられ、
ぐいぐいとコブを噛ませられる様はかなり、コケティッシュだ。
「うむむ・・・」
部洲人さんは天井の隙間から、唸りながらも事態を見守るだけだ。
「はむぅ~ッ!!」
身体の抵抗も、口の抵抗もできなくなったおさとちゃんは、力尽きたように
畳の上に投げ出され、涙をこぼした。
腕を戒めるため架けられた縄の上で乳首は相変わらず勃起した侭田。
「さぁ~~て、アソコの方も存分に湿ってきたであろうのお~~」
田沼は無残に横たわるおさとの女陰を目指すように着物の裾をめくり、
自らの頭をソコに近付ける。
あぶない!!たぶんバージンであろうおさとちゃんの操の危機!!
「部洲人さん・・・」
僕が彼を促そうとした時だ。
部屋の外から、配下の者たちが忍び寄る気配がした。
「恐れながら申し上げます 敦賀屋護衛部隊から仁科宇之丞の妻、
お由美を捕らえた旨、報告がありました 今、お由美は拷問部屋に捕えてあります」
「なに!?お由美を!? ククク、ついに捕えたか ようし、すぐにいく」
田沼は股間部分で猛り立った一物を気にもせず立ち上がると、
すんでのところで処女喪失を逃れたおさとに言い捨てた。
「おさと、後でじっくり可愛がってくれる 待っておれよ むふふ・・・」
田沼は急ぎ部屋を出て行った。
「よし、いまだ」
部洲人さんは頷くと、すっと部屋に降り立った。
まるで忍者のような身のこなしだ。
僕も、まねしてどさっと部屋に落ちる。
「もぐもがぁ・・・はっくぅ~~」
部洲人さんはおさとちゃんの乳房をいち早く隠すと、猿轡を外してあげている。
ねばぁ~~とした唾液がおさとのタラコ唇を伝って着物にかかるのが艶めかしい。
「先生!おじさんも・・・き、きっと!きっと来てくれると信じてたぁ~~」
おさとちゃんは泣き出してしまった。
しかし、困った事態はまだ続いている。
お由美さんがここへ連れてこられたという。
敦賀屋で罠にかかり捕まってしまったであろうことは予期していたが、
彼女と田沼はどういうつながりなのか? 

Time travel IN 大江戸 美女と媚薬と猿轡 その7

第7章
敦賀屋の内部では勧善懲悪の時代劇さながらに、チャンバラが展開されていた。
と、いっても、闘っているのは紫頭巾こと武家のご妻女、お由美だ。
お由美さんはマジで強い。
「はッ!、やッ!、えいッ」
凛とした気合とともに刀を振り、敦賀屋の下っ端をみね打ちで眠らせていく。
着物の裾から同げ色の美脚が垣間見える。美しい…。
頭巾お由美の活躍の後ろから部洲人さんと僕はついていく。
「お2人ともご無事?」
お由美さんは余裕の表情で僕たちを振り返る。
刀を持った用心棒らしき者たちも、バラバラと現れるが、お由美さんは動じない。
腕力の強そうな男が、強烈な太刀を食らわし、押し込まれる紫頭巾お由美!!
ピンチに僕は身を乗り出すが、部洲人さんはそれを背後から押しとどめる。
「安心なされ、お由美さんは新陰流の使い手 女に生れなければ、免許皆伝の塾頭、
と言ったところでしょう」
強い・・・。
美しく才に恵まれ、武術に長けそして優しい・・・。
妻を娶らばこういう女・・・。
「敦賀屋さん・・・おさとちゃんの居所はどこ? 卑劣なまねをすると許しません」
僕たちはいよいよ、敦賀屋を追い詰めた。
お由美さんは、刀を敦賀屋に突き付け、すごむ。
低い声がかっちょ良い~~。
「教えて下さらんかね、敦賀屋さん あんたの背後で『百花繚乱』を狙っているのは
誰か?」
しかし、敦賀屋は窮地に立たされているとは思えぬほど落ち着き払った様子だ。
「あんたたちの方こそ、おとなしく約束のモノを出した方が身のためだ」
「残念だが、ここには用意していないよ あんたらに渡す気はないんでね 
おれより、おさとちゃんはどこだ?」
僕も敦賀屋を睨みながら、言った。
「残念だが、あの娘はここにはいない 大事な貢物ですからな 
そしてもう一匹、極上の貢物が今手に入りましたよ、ククク・・・」
敦賀屋は背後にある天井から垂れた綱を引いた。すると!!
「きゃああぁぁ~~ッ!!」
何と床が割れ、巨大な網が現れ、紫頭巾お由美を掠め取ると天井に向けて引き上げる。とんだカラクリを用意していたというわけだ。
「ハハハ、かかりましたな!!」
「くッ、ひ、卑怯ですわよ!!」
お由美さんは身悶えるが、衝撃で刀を床に落としてしまい、
まるで罠にかかった獲物で、なすすべはない。
僕たち二人は網の中に生け捕りにされたお由美さんを眺めるしかない。
下から見ると、着物の裾から艶めかしいお由美さんの素足と太股が・・・。
すらりとしているお由美さんだが、意外にもむっちりとした臀部は女の色香ムンムンだ。
「あッ、ああッ!!」
お由美さんは悔しそうに、美貌を歪めている。
自らを捕えた縄を握りしめるお由美さんの白い手が無念さを表してた。
また、ナマ脚に食い込む網がまた何ともいやらしく、囚われた女の美しさを
演出している。
「お由美さんをおろせ!!」
囚われの彼女に駆け寄ろうとした僕たち二人だが、今度は床がぱっくりと開き、
お由美さんとは正反対に奈落の底に真っ逆様!!
「媚薬を持ってきていない以上、お前さん方、二人に用はない」
敦賀屋の冷酷な声を聞きながら、僕たちは井戸のような冷たい水にたたき込まれた。
「USさまぁ~~ッ!!」
お由美さんの悲壮な声が頭上で響いた。

こうして、紫頭巾お由美は敵の手に堕ち、僕たちはあの世に送られた、はずだった
部洲人さんと僕は冷たい水をかきわけ、細い水路をアップアップしながら泳ぎ切った。
一般に、江戸時代はカナヅチが多い。
浅瀬でも溺死する人間が多いのはそのためだ。
敦賀屋も僕らを葬ったつもりだろうが、そこは目論見が外れたわけだ。
ずぶぬれになった身体を犬のようにプルプル震わせて這い出た先は、
立派すぎる庭園の池のほとりだった。
察するに、この邸宅の主はこの池から危険な刺客を送り込んでいるのかもしれない。
と、すれば・・・。ここに住む人種とは?
「US殿・・・ようやっと役者がそろいましたぞ」
部洲人さんは妙に浮かれた口調で僕を向き直った。



Time travel IN 大江戸 美女と媚薬と猿轡 その6

第6章
「実はな、『百花繚乱』を私に封印する様に託したのは、お由美さんのご主人なのだよ その裏事情をこれから探らねばならないが・・・」
僕は衝撃を受けた。
なぜ、そんな疑問を抱きつつ簡単な旅支度を終え、
再び2人の鞍馬天狗になった僕たちの背後に気配がした。そ
れは、まさしくお由美さん。
僕は、その姿にグッと見とれてしまう。
紫の頭巾に忍者のようないでたち
以前、松坂慶子が紫頭巾、なんていうヒロインを演じたがまさしくそのスタイルだ。
腰元には短刀を指している。
切れ長の瞳に象牙色の肌。
それに、あやしく光る紫の着物。胸元の膨らみも普段よりかなり目立つ。
すらりと長い脚も見栄えがする。
僕は涎をたらさんばかりに、美しいお由美さんに釘付けだ。
「やはり、主人は『百花繚乱』にかかわったがために汚名を着せられたのですね 
部洲人先生、US様・・・足手纏いにはなりません どうか、お供をさせてください 
主人のことに関わることならば、どうか・・・」
お由美さんは哀願する。
「ふむ、行くなと言ってもお由美殿は芯の強いお方、無駄じゃろう 
これで役者はそろいましたな」
部洲人さんはまるで水戸黄門の黄門様のような口調で言った。
「だがな、ご両人 さっきも申したが、背後には大きな力が蠢いておる
 真っ向勝負は無謀じゃ わしに策がある・・・」
部洲人さんは策士の顔になっていた。
いったいこの人は?それにしてもこの人誰かに似ているな。僕は思案した。

「しっかりおつかまりになってッ はッ!」
凛とした気合とともに、馬を走らせるお由美さん。
馬上で、僕は照れながらもそっと、お由美さんの腰に腕を回す。
あまぁ~~い髪の香りが僕の鼻孔を突く。
そういえば、由美子の乗馬に付き合った時も、一緒に馬にまたがった記憶がある。
それにしても江戸時代に来ても、女性の背中にしがみつくとは、
男の弱さを象徴するシーンである。
目指すは、あの祠だ。
人気のない祠の周囲は、明かりもない。
僕は厳かな気持ちで伝説の媚薬「百花繚乱」の入った小箱を、石扉の中に安置した。
その時だ。
周囲に無数の人影が散らばる気配がした。
そう、刺客だ。
十数人はいるだろうか?
全て時代劇の悪役の配下さながらに、頭巾をして刀を向けている。
こ、怖い。
「US様、私の傍から離れてはなりません」
お由美さんは僕を背後に庇いながら、短刀を抜く。
そして右から切りかかる男の刃を受け止め、いなす。
そして逆手に持った剣でそれを払う。
「はッ!」
気合とともに、かかってくる3人の男に短刀を一閃!!
「うおおっ!!」
「くううっ!!」
肩や腕を切られ、蹲る刺客たち。
それにしても強い!!お由美さんは一体何者?
「これ以上刃を向けるなら、容赦は致しませぬ!!」
しかも、美しくカッコええ~~!!
たじろぐ男らを前に、部洲人さんが黄門様のように現れる。
「うおっほっほ、かかりましたな 敦賀屋惚兵衛!! 
ここにあなたが探す『百花繚乱』はありませんぞ」
「くそう、図ったな、部洲人!!」
そうなのだ、部洲人さんは「百花繚乱」を狙う者たちはこの祠に
僕たちを誘い出す罠を張っている、と予期していたのだ。
刺客たちの背後で敦賀屋惚兵衛と呼ばれた小男が歯ぎしりしている。
「さあ、敦賀屋さん 観念してあなた方の背後にいる者の野望を話したらいかがかの?」
「覚えておけよ、部洲人 私どもの後ろにはお前たちなど握りつぶせるお力を
持った方がおられる これで終わりと思うなよ お前の弱みはすでに握ってある!!」
敦賀屋惚兵衛は部下たちに見向きもせず、数人の腹心らしき男らに
守られながら姿を消す。
お由美さんに切られた刺客たちも、傷口を抑えながら逃げ伸びて行った。
「部洲人先生、ここで逃がしてしまっては?」
お由美さんが駆け寄る。
「いやいや、ここは泳がせるべきです」
策士はあくまで余裕の表情だ。
「しかし、部洲人さん 僕に『縛女蔵』の鍵をわたしたのは奴らの一味なんでしょうか?」
「いや、敦賀屋ではなく、彼らを操る誰かの一人、でしょうな」
て、いうことは、僕は嵌められたのか?
僕が部洲人さんの仲間と知り、「縛女蔵」を用いて「百花繚乱」を封印することを
予期したため、あえて黄金の鍵を渡したのだ。
あの男はいったい。
この件は意外と深い。
だが、僕に謎ときはできない。
それより、敦賀屋惚兵衛の言った一言が僕には気になった。
部洲人さんの弱みを握っている、と言っていたあの一言だ。
普通時代劇などで正義の味方の弱みを握ると言えば、
大切な女を人質に取ること・・・。DIDファンならではのカンが僕には働いた。
「部洲人さんッ 帰りましょう おさとちゃんが危ない!!」
僕は叫んだ。

おさとちゃんの長屋にたどりついた僕と部洲人さんは息をのむ。
粗末な長屋の中は、現代のように蛍光灯などあろうはずもなく、
しんと静まり返っている。
しかし、人間が争った跡だけは見て取れた。
僕は携帯のライト機能を用いて室内を照らす。そこには・・・。
「おさとは預かった 返してほしくば、『百花繚乱』をもって一人で敦賀屋へ来い」
古びた障子戸に紙が貼り付けられていた。
やはりおさとちゃんはすでに捕まってしまったのだ。
「部洲人さん、おさとちゃんが・・・」
「かどわかされた、ということでしょうな」
彼は淡々と話したが、おさとちゃんを娘のように可愛がっていることは
これまでの生活で僕は察していた。
「これは罠ですよ!」
「でしょうな、しかし・・・いかねば・・・」
「でも、部洲人さんが行ったところで・・・」
僕は口をつぐんだ。
確かに、彼がひとりで立ち向かったところで結末は目に見えている
媚薬「百花繚乱」は奪われ、悪玉はそれを用い、
江戸中の女をかっさらい酒池肉林の世。
おさとはうら若い肉体を愉しまれたあと、女郎に身を落とす・・・。
そんな悲劇的な結末が、頭に浮かぶ。
「US殿、私ももう一度罠を張り直すと致しましょう 
そうすれば、背後の悪党も引っ張りだせるかもしれん
もしかするとお由美さんのご亭主の仇打ちにもなるやもしれん・・・
お二人とも協力いただけますかな?」
僕とお由美さんは顔を見合せて、頷き合った。

Time travel IN 大江戸 美女と媚薬と猿轡 その5

第5章
数日後、僕はお由美さんの診療所で、昼食を御馳走になっていた。
『縛女蔵』の鍵を探す日々は結構楽しい。
その間、部洲人さんとは十数年来の親友のような関係になっていた。
無論、お由美さんはまるで由美子のように僕の世話を焼いてくれた。
まるで、平成の世界に夫婦で住んでいるのではと、錯覚することもあった。
そして、時折、部洲人さんのところにひょっこり顔を出す、おさとちゃんも
僕を和ませてくれる。
「大変なことになったねぇ、おじさん 部洲人のおじさん、結構ひとづかい
荒いんだから んふふ・・・おいしぃ~~」
おさとは白い頬いっぱいにお団子を膨らませながら、僕を見上げた。
宗教法人〇〇学会を信仰している女優にそっくりの顔を微笑ませ、
魅惑の唇をモグモグさせる仕草はいかにも純な町娘という雰囲気だ。
「いいかげん、未来に帰っちゃったら?」
「それができれば苦労はしないよ」
僕は町娘を軽く睨んだ。
「ほんとは帰りたくないだけじゃないの?おじさん・・・
お由美先生のことが気にかかって・・・」
たしかに、お由美さんに僕は日々心を奪われつつある。
あれほど優しく美しい女人は江戸の町でもそうはお目にかかれまい。
おまけに、タイムスリップしてきたという僕の心を慮る聡明さも兼ね備えている。
「馬鹿言えよ、・・・っておさとちゃん、いい加減、そのおじさんって呼び方やめない?」
僕はおさとちゃんを軽く睨んだ。
確かに僕は30過ぎているが、「おじさん」呼ばわりは気に入らない。
と、いっても江戸時代は一般に平均寿命が短かったと言われるので、
僕も年齢的には「いいおじさん」になる。おさとちゃんは、きゃっきゃっと
華やいだ笑声をあげる。
ちょっとだけムカついた僕は、前から気にかけていたことを指摘してやった。
「おさとちゃん、君の方こそ部洲人さんのことが好きなんじゃないか?
だからこうして頻繁に現れる 違うかい?」
僕のカンだが、このおさとは明らかに父親ほど年の離れている文化人に
心惹かれている。それは図星だった。かあっとほっぺが赤くなり、狼狽した口調で
まくしたてるおさと。
「ベ、別にあたしは・・・そんなんじゃないよッ だけど、あたしおとっつあんを
早くに亡くしてるし・・・なんだか、あの人の傍にいるとなんだか暖かい気持になれて・・・もう、そんなこと言うなんて、おじさん嫌いッ!!」
おさとちゃんは脱兎のごとく、駈け出していった。振られてしまった。
「あらあら、USさま…駄目ですよ 娘心を察してあげなくては・・・」
お由美さんは僕に新しいお茶を入れてくれながら、優しげな瞳で僕を見る。
この人と、一緒にいられるなら、平成に戻らなくても・・・。そんな考えさえ
頭をもたげてくる。
それにしても、江戸時代の娘は純だなぁ~~。僕は再び腰を上げ町に繰り出した。

江戸時代も古道具屋は多い。でもほとんどが、生活用品で、
今日のようなアンティークショップなど当然のごとく皆無だ。
1軒、2軒と金の鍵を求めて捜し歩くが、そんなものは見つからない。
疲れた町人スタイルの僕は、懐に手をやった。
元台から持ってきたものといえば、このカシオのGショック携帯電話だけだ。
(そうだ・・・こんな記念はないよな、平成に戻れるかは分からないが・・・)
僕はこっそりと道行く人に気づかれないよう、撮影を試みた。
その時、背後から肩を叩かれた。
「お前さん、なにをしてなさる? いったいそれは・・・?」
部洲人さんとはまた別の趣の文化人スタイルの男性だ。
だが、それほどは穏やかな表情ではなく、何処か大物然とした尊大さも見受けられた。
どうするか・・・?僕は思案した。
平成からタイムスリップしてやってきて、記念に携帯で写真撮ってます、
と言ったところでキチガイ扱いは目に見えている。
僕の話を理解してくれるのは、部洲人さんとお由美さん、それにおさとちゃんの
3人だけだ。
しかし、その男は僕の携帯に興味深々で離れようとしない。
「まあ、立ち話も何だ わしの家へ来なさい」
僕は言われるがままに拉致されてしまった。

男は同居していると思われる細面の美女にお茶をいれさせ、
僕に勧めながら正面に座り、懐から懐中時計を取り出した。
「はあ…時計、ですか?」
「時計・・・んん?」
(やばい、余計なことを言った)
僕は内心しまったと思った。
時計などあろうはずはない
だが、丸まっこい金色に鈍く光るそれは時計に見えた。
「これはな、量程器という代物じゃ 日々、何歩、表を歩いたか分かるのだ」
「はあ…現代で言うところの万歩計ですか・・・」
まずい、と思いながら、壁に目をやると何やら目盛りのついた、
棒のようなものがかかっている。
「今日は寒いのお あれはな、寒暖計といってな、暑さ寒さを測れるのじゃ」
男は手をこすり合わせながら、見慣れない火鉢に手を焙る。
そして色艶の良いキセルを吹かせ、僕を見た。
「あんたはいったい・・・?」
不思議な男だ。
こいつは発明家か何かか?しかし、別段下心があるようにも思えない。
僕は毒を食らわば皿までの気持ちで、今自分の置かれている状況や事の顛末を
話して聞かせた。
男は興味深そうに僕の話を聞いていた。
「すると、あんたは部洲人という男の厄介になる代わりに、
『縛女蔵』の鍵を探しているわけか?」
「まあ、そうですね」
男の目が一瞬妖しく光った。
横で、高●礼子に似た女も妖しげに微笑む。

(嘘だろぉ~~こんなことってあるのかよぉ~~!?)
僕は内心ルンルンで部洲人さんの家へと戻った。
僕の手には小さな横長の小さな金隗が握られていた。
あの、発明家の文化人はなんと渡航歴もある商人だったのだ。
事の顛末を話すと、『縛女蔵』の鍵を所有しており、それを譲ってくれたのだ。
僕は大急ぎで部洲人さんのところへ戻った。
しかし、事態は急変していた。彼の室内は荒らされつくし、家財道具や書物が
散乱していた。
明らかに、複数の人間が何かを物色して行った証拠だ。
「部洲人さん!! 一体これは!? もしや『百花繚乱』を狙った誰かが・・・」
「フン、そうとしか思えますまい・・・ もはや猶予はならんな、
あれが奴らの手に渡れば江戸中のオナゴが生き地獄に堕ちてしまう」
「奴ら・・・とは誰か分かってるんですか」
「うん・・・表向きは、敦賀屋の主人、惚兵衛・・・」
なんだか急に、事態は風雲急を告げてきた。
「裏側には・・・?」
「まだ、わからん だが・・・」
部洲人さんは口を噤んだ。
「あ、そうだ!! 部洲人さん!! 見つけたんですよ アレを!! 例のモノを!!」
僕は小さな金隗を彼に差し出した。
『縛女蔵』の口元にそれをはめ込んだ瞬間、僕はよく考えたなあ~という一種の呆れと、そのフィギュアの持つエロティズムにモッコリした。
その鍵というのは口にはめ込む、
猿轡になっているのだ。
緊縛を受けた和風美女。
それが、口元にカキッと猿轡をかまされると、人形の底部からグッと芯棒を
突き出し、地面に根を張る仕組みになっているのだ。
この機能のおかげで、背後にあるものを門外不出にするいわば守り本尊と変貌を
遂げるのだ。
現代風にいえば、まさにDIDフィギュア付きの金庫のカギだ。
「これこそ、『縛女蔵』の鍵に相違ありませんね、部洲人さん 
いち早く、祠に行って扉を封印しましょう」
僕は少し得意になった。
「US殿、一体、これをどこで?」
部洲人さんは真剣な眼差しで尋ねた。
僕が、昼間の出会いをすべて話すと部洲人さんは表情を強張らせて呻くように
つぶやいた。
「US殿 どうやら、これは罠だな こちらも策を労せねばならん 
背後には私の予想通り、大きな力が蠢いているに相違ない 
これは、お由美さんのご亭主のことにも絡んでいる」
罠?大きな力?そしてお由美さんのご亭主?全てが絡む陰謀とは?
僕には想像もつかなかった。

Time travel IN 大江戸 美女と媚薬と猿轡  その4

第4章

「どこへいっておられたUS殿」
僕は後見人的な存在の、部洲人さんの長屋に戻った。部洲人さんは柔和な顔で僕に訊ねた。鋭さはないものの、すべての事態を理解しているような表情だ。
「お由美さんは・・・お美しい方だからのお~」
「いや、別に僕はそう言うつもりじゃ」
慌てて、手を振る僕。
部洲人さんは少し真剣な表情でつぶやく。
「お由美さんのご亭主は・・・そういえば・・・そなたに少し似ているかもしれんな」
「お由美さんのご主人だった、仁科宇之丞様というのはなぜ、公金を横領など・・・?お由美さんが言うには嵌められたと言っていました ならば誰に?」
部洲人さんは少し目を光らせた。
「実は、ですな・・・私の江戸での仕事も、それに関係がありましてな」
そういえば、この人の世話になって以来、部洲人さんが何か仕事をしているのを見たことがない。僕は思い切って訊ねてみた。
「ねえ、部洲人さん・・・あなたの本業、つまり生業というのは何です?」
部洲人さんは僕を促すと、彼の今でいう書斎のような場所に連れて行った。そこには、である。なんと!!
縛られた美女の絵、絵、絵!!それもどれもこれもが妖艶で、今日のコンピュータを
用いたイラストなど比較にならぬほどの艶めかしさを描き出した、
芸術的なものばかりだ。
中でも、着物の両肩がはだけ、片乳房だけを露出した美女が、
荒々しく縄を通した竹轡を噛まされている様は圧巻だった。
「これは・・・」
僕は名品というべき、作品群を前に言葉を失う。
ついでに、股間がせり上がる。
DIDマニアの悲しいサガはタイムトラベル中も消えることはない。
「そなたは、私が見込んだ通りの人物のようだ 本業はご覧の通りの秘密絵師、
いや縛り絵師とでも言っておこう・・・だが、江戸に滞在する目的は別にある」
部洲人さんは妖しげに笑うと、納戸からあるものを取り出した。

ソレを目にした僕の感想は・・・。
(いつの時代も同じことを考えるやつがいるもんだ・・・それにしても人間、
金を持つとロクなことに使わないな)
僕を呆れさせたものとは、金の彫刻品。それも、縛られた女人が激しく
悶えている様をリアルに再現した高さ50センチほどの置き物だ。
「いかがかの?大陸で買い入れた、魔の名品『縛女蔵』 これには秘密があってな」
部洲人さんは立ち上がると、宣言するように言った。
「US殿 ご一緒願えぬか?」
「は、はあ、いいですが」
「だが、そのいでたちはなんとかならぬかの?」
部洲人さんは僕の服装を眺めてつぶやいた。
お由美さんに髪を整えてはもらったが、服装はここへ来たときのままだ。
僕はファッションにはこだわらないが、さすがに江戸時代にきてこの格好は
人目につきすぎる。
由美子がユニ●ロ見立ててくれた2011年バージョンの服装では、奇人変人の扱いだろう。

数分後、僕は鞍馬天狗のような黒一色の姿で、部洲人さんの背中にしがみつき、
荒れ狂うように疾走する馬の背から落ちないように必死だった。
「ちょっと!!おっかないんですけどぉ~~~ッ!!」
叫ぶ僕をかっかっと笑い飛ばし、この謎の文化人は馬を走らせた。
怖かったが、車もなにも恐れずに闇の中を新鮮な空気を切り裂きながら走るのは
実に爽快だ。
部洲人さんが馬をとめたのは、とある神社の鳥居の前だ。
彼は、その中をずんずん進んでいくと、小さな祠の前にひざまづく
小さな石扉を開くとそこには、これまた宝石で飾られた小箱が姿を見せた。
その中にはきらめくような白い砂・・・。
「これは・・・?」
僕が訊ねる。
「これは、『百花繚乱』 大陸にわずかに残るという媚薬じゃ・・・ 。
女の理性を失わせ、世では味わえない艶心を掻き立てる麻薬じゃ。 
私が、長年求めていたモノ・・・ 私の縛り絵を極めるためには必要なものだ 。
しかし、これを世のオナゴ達に用いるのは危険すぎる・・・ 理性ばかりか
心の臓を止めることになりかねんのじゃ だが悪いことにこれを狙っておる奴らが
江戸にはおる 江戸のオナゴ達を意のままに操るために、な 
そこで、この祠に封印しようと試みておる・・・ この石扉をご覧あれ」
部洲人さんは祠の扉を指差した。
そこには小さなお地蔵様を置けるようなスペースがある。
だが、そこは小さな穴が開いているだけで何も置かれてはいなかった。
「ここに『百花繚乱』を封印したとて、ならず者に奪われては元も子もない 
そこでじゃ・・・あの『縛女蔵』の隠れた力が役立つ」
部洲人さんによると、あの黄金の緊縛像は「蔵」の名がつく通り、
何かを封印するための大きな不動の守り蔵、つまり鍵の役割を兼ねているらしい。
「これを使えば、『百花繚乱』を封印できるんですね」
「それが、な」
部洲人さんは『縛女蔵』の口元を指差した。
よく見ると縛られた女の口元に、小さな穴がある。
「この『縛女蔵』には本来、カギがあるのじゃ・・・ 口元からそれを貫くことでこの女人像は不動のものとなり、背後に隠すべき宝を守ることができるのじゃ」
「そのカギは・・・」
「残念ながら、私の手にこれが渡る前に、別の倭人の手にカギだけが
渡ってしまったらしい US殿、そなたを見込んでの頼みじゃ、
平成の世に戻る手を考える間、その『縛女蔵』のカギを一緒に探して欲しい」
「でも、ほかにも隠す方法はあるでしょ?」
僕は素朴な疑問を投げかけた。
「しかし・・・私にも信念があるのだよ 色事に関しては人後に落ちぬ私としては、
この魔の媚薬を自分の流儀で封印したいのだ 私は思うのだ 『百花繚乱』は
使用方次第ではいかようにも力を生み出す。
この媚薬を必要とする者が後世に現れるとすれば、
それは私と趣向を同じくするものだろう その者たちに託す意味でも、
『縛女蔵』にこの媚薬を守らせたいのじゃ」
彼の主張はなんとなく筋が通っているし、同じ趣向の者として僕は賛同した。
これはおかしなことになったぞ。でも、この部洲人さんの行動はどこか面白い。
いわば、江戸時代のDIDファンだ。また、僕はアンティークに興味がある。
江戸時代の骨董屋巡りをするのも悪くはない。
僕は翌日から、江戸の町人になり済まし、『縛女蔵』のカギを探し求めることとなった。


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