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ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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大岡越前外伝 恋女房の謀略 雪絵散華!!その8

第8章

稀代の大盗賊の恋女房と名奉行の勝負は、女頭目の勝利といってよかろう。
大岡忠相は毒蝮の頭、侠次ら首謀者に遠島を申しわたすことで決着をつけた。庶民感情を取り計らったともいえるお裁きだが、その裏で妻のかどわかし劇が、影を落としていたことは言うまでもなかった。 
雪絵の阿片責めが始まって一刻もせぬうちに、そんな裁きが下ったことを知った桔梗はほくそ笑んだのち、やや寂しげな表情を作る。
「あんた…命を助けるにとどまっちまった…すまないね…」
盗賊の妻というよりも、恋女房の貌だった。
もとより、知略に優れた桔梗のこと、どうあっても狭次の開放があり得ぬことはわかっていただろう。
死刑を免れただけでも、彼女は勝利を納めたといっていい。
いっぽう、もう一人の恋女房、大岡雪絵は無残だった。

口に蛇の頭を咥えこんだ雪絵は、唇の端からとろりとした唾液を幾重にも垂れ流し、端正な貌を歪ませ、虚ろな瞳で喘ぐだけだ。
女陰からも、無数の淫らな滴がいくえにもしたたり辱めの厳しさを物語っていた。
夫の誇りを守るためにも打ち勝たねばならぬ恋女房同士の闘いに敗れたともいえるだろう。
「奥様、すいませんでしたねぇ 辛い思いをしていただきまして…あんたの御亭主はうちの旦那の命は救ってくれるようだ 約束通り、あんたはお返ししますよ」
すでに雪絵は、淫靡な拷問者の言葉すら耳には入らぬ様子だ。
「でもね、奥様! 私は納得はしていないんですよ、亭主は島流しだ 生きて会える保証もない あんたをこのまんま、無事にお返しするだけじゃあ、私の気が済まない あんたを私流のやり方で‘処刑’させてもらいますよ」
再び、桔梗が残忍な笑みを浮かべた。

雪絵は手首と足首に食い込む縄の痛みも忘れ、ただ本能の赴くままに裸身を悶えさせている。
処刑の如く大の字に柱に四肢を縛められた雪絵は、相変わらず阿片の甘い痺れに白い身体を痙攣させている。
しかし、彼女を生理的に追い詰めているのは媚薬の効用にはとどまらない。
女として晒してはならぬ秘部をさらけ出したばかりか、その性穴にはあるものが銜え込まされている。
異常なまでの痒みが女陰を襲い、やがては全身から脂汗が滲んでくるのが分かる。
ただでさえ、阿片で熱り切った性感が極度の痒みと相まって、雪絵に想像を絶する苦痛を与えるのだ。
彼女にここまでの苦悩を味あわせている「あるもの」とは、山芋だ。
皮をむかれ白い地を出した山芋が雪絵の局所に深々と捻じ込まれている。
痒みはじんじんと女陰を核に広がってゆき、その身をかきむしりたい欲求を抑え込むことはできない。
白い肌を汗で光らせ、腰をくねらせ、捻じ込まれた山芋にも淫らな液体を滴らせる雪絵は無残だ。
しかし、そんな雪絵の無残な姿はたまらない淫心をそそる姿でもあった。

毒蝮一派最後の投げ文には、かどわかした大賀忠相が妻、雪絵の幽閉場所が記してあった。
神山左門率いる南町の役人たちが、女郎部屋に踏み込んだ。
「雪絵さま!」
村上源次郎がさけぶ。
皆、雪絵を慕う感情を持ち合わせている者たちだ。
「ちょっと旦那! 何か聞こえやしません?」
すっとびの辰の声に、みんなが耳を澄ます。
地下から聞こえる奇妙な声に誘われ、座敷牢に入った彼らが見た物は…。

「あああぁぁぁ~~~むむぅぅうッ いひやああんッ あ、ああああッ、ああんんぅッ」
奇妙な喘ぎ声を漏らす一人の美女。
全裸の女は四肢を大の字に括り付けられて、豊かな乳房を激しく揺らし、美貌を甘くゆがめ、乱れた髪を引きちぎらんばかりに振り続ける。
口には煙の立つ蛇の貌を模した奇妙な猿轡を噛まされ、唾液を滴らせていた。そそり勃つ乳首を恥じる様子もない。
ただただ本能の赴くまま身悶え喘いでいる。
手首足首に巻き付いた麻縄を引きちぎらんばかりに身体を震わす彼女の陰部には奇妙な詰め物がしてあった。白く長い物体はそう、山芋だった。女は阿片がもたらす甘い痺れと、女陰に走る激しい痒みに身悶え、生理的な快感と不快感に石造りの口枷を噛み壊さんばかりに悶えている。
その妖しい美しさに息をのむ一同。その女が淑女にして美貌の大岡の妻、雪絵であることに気が付くまでしばし時間を要するのだった。
そして、そのそばに柱にはこう記されていた。
「大岡雪絵磔山芋責めに処す」   完




大岡越前外伝 恋女房の謀略 雪絵散華!!その7

第7章

ようやく瘻付の猿轡を吐き出した雪絵の綺麗な口元に、今度は冷たく固い石造りの口枷が嵌められようとしていた。
蝮の貌のような形をしたそれは口元に小さな穴が開いており、そこに桔梗は楽しげに「奇妙な粉」をまぶしている。
蝋燭の火で蝮の頭ごと火にあぶると、丸い目の部分から妖しげな煙が立ち上る。
「くくく、毒蝮一派が使う極楽の道具だ さぞかし、良い~~気持ちになれるだろうよ、雪絵さん!」
それが阿片による煙であることは、雪絵にはすぐ察しがついた。
その効用すさまじきことは心得ている雪絵だが、それを吸わず抗う術を彼女は持ち合わせていない。
毒蝮一派の名の通り、蛇の頭部を模した口枷をかまされてしまえば、いやがうえにも秘薬の煙は雪絵の鼻腔を突き、その理性を狂わすこと請け合いだ。
「あ、あなた方は、阿片までッ! わたくしはそれを取り締るべき奉行の妻ですッ そんなものを口には、あぁあぁ~~、い、いやっ、はぐ、はぐぅ~~」
言葉が言い終わらぬうちに、雪絵の整った口に強引に蛇轡が押し付けられる。いやいやと頭を振るようにして抗う雪絵。
だが、厳しい縛めに遭い、背後からも白い肩を強靭な力でつかまれ、細い身を捕えられた雪絵に勝ち目などあろうはずもない。
2人がかりで小さな美貌を取り押さえられた雪絵の唇を、ゆっくりと大柄な手でこじ開ける桔梗。
引き結んだ唇の裏が、ねちゃりと音を立ててめくられ、小さな白い歯を上下に押し開いた桔梗は、妖しげに煙を立てる蛇の口枷をぐりぐりと捻じ込む。
最後の抵抗にと、引き結んだ前歯が厭な音を立て始める。
ついに力尽き観念した雪絵は蝮の頭を噛みこんだ。
口枷の両端についた括り紐を首の後ろに回され、それを引き縛られるとああっと気の抜けた喘ぎを漏らすのだった。

くぐもった雪絵の嬌声と、男たちの密やかな嗤い声が漏れる座敷牢。
相変わらず、全裸で胡坐をかいた姿のまま緊縛を受けた雪絵は、その不自由の身体を男たちに愛撫されている。
今の彼女には武家の妻女としての気高さは見られない。
身分卑しき男たちの餌食と成りつつある事への嫌悪感も屈辱感も薄れ、ただ鼻腔をつく、気怠く甘い快楽に身をゆだねていた。
相変わらず、木彫りの一物は挿入されたままだ。
陰部が異常に熱い…。
夫との交わりでも、およそ想像の付かぬほどの悦楽が雪絵を襲う。
これも間の媚薬阿片のなせる業か?たとえ、下らぬ不逞の輩にでも、このまま愛撫を続けられれば秘穴から淫らな噴射を漏らさぬ自信は雪絵にもなかった。
「本当に…抱きたい女だ」
「白い肌をしてやがる…おひい育ちは違うぜ」
男たちは口々に雪絵上玉ぶりを賞賛し、桔梗に姦通を哀願した。
だが、女頭目は頑としてそれを許さない。
「馬鹿を言うんじゃないッ お頭が辛い思いをなさっている時に女を抱いて愉しもうなんて、毒蝮一派の風上にも置けないねッ お奉行のお内儀の裸を触らせてもらえるだけでもありがたいと思いなッ」
桔梗は雪絵をいたぶるのと同じくらい厳しく、部下たちにも有無を言わさぬ威厳を見せる。
だが、禁欲を命じながらも、適度な甘い蜜を吸わせる。そんな桔梗の才覚も毒蝮組の結束を強める要因であった。
「おい、奥様の責め絵をもう一枚仕上げて、お奉行に届けなッ! 毒蝮の子分に、あなた様の可愛い恋女房が蛇の口枷を噛まされて、阿片の餌食になってますよ、という絵を!」

大岡越前外伝 恋女房の謀略 雪絵散華!! その6

第6章

「ううぅぅ~~~ッ… くふううぅう~~ッ… ひやあうぅぅぅ~~ッ…」
白い頬肉に激しく食い込んだ猿轡をさらに噛み締めた雪絵の貌が恐怖と、そして後ろめたい密かな痺れに歪むのを愉しげに眺める毒蝮残党。
雪絵が悶える飲む無理はない。
蛙が胡坐をかかされ仰向けにされたような格好で縛められた雪絵。
菱形に縄がうたれたその腹部、そして縄に挟まれた乳房の上を大きな蛇が伝う。
蛇は雪絵の白い肌を心地良さそうに這い、ぺろぺろと舌を出しては裸身の上を行き来する。その恐怖から逃れようと、身を捩る雪絵。
しかし、悶えれば悶えるほど膣に食い込んだ張形は若き妻の敏感な源泉をねちっこく嬲るのだ。
いかに貞淑な雪絵といえども、燃え上がった愛豆の痺れには抗い様もなく、猿轡の下から苦悶の喘ぎを漏らす。
いやがうえにも乳房は膨らみを帯び、乳首はそそり勃つ。
雪絵の肉体の熱りっぷりの尋常ならざる様子を盗賊の男たちは劣情を持って眺め、桔梗は嘲笑する。
(ああ、あなたぁッ、ゆ、雪絵は、雪絵は…卑劣な罠にはまり、あなたの仇敵の魔手に堕ちてしまいました む、無念ですッ、無念ですわ、あなたッ!!)
苦悶に打ち震える雪絵をさらにいたぶるべく、桔梗は手慣れた所作で棒を使って蛇を興奮させ、より緊縛を受けた大岡奉行の内儀の白い肌を這わせる。
蛇の頭部が雪絵の美貌に触れるまでに迫る。
「はんんッ!」
恐怖と嫌悪感に、瘻槻の猿轡を噛まされた白い顔をひきつらせて顎を上げる雪絵。
しかし、首に巻きつけられた縄がその動きに合わせて引き締められ、股縄に連動した木彫りの一物が女陰に深く食い込んだ。
ずぶぶという、卑猥な感触とともに淫らな液体が張形を激しく濡らす感覚に雪絵は意識を失いかけた。
肉体的苦痛を与えられるよりもはるかに壮絶な責め折檻。しかし、助けは来ない…。

蛇は夜行性。
空が白む頃まで雪絵はこの屈辱に耐え忍んだ。
だが、蛇責めから解放されたとて、責め苦が終わるはずもなかった。
「姐さん、やはり大岡の野郎は、お頭を解き放ちませんでしたぜ」
いずこからか、奉行周辺の人物の様子に探りを入れているらしき一味の者が桔梗に報告する。
「そうかい、恋女房がこれだけの目に遭わされているっていうのに名奉行も案外冷たいお人だねぇ」
桔梗はあてつけがましく、無様な姿勢で縛められたままの雪絵を見下ろす。
(当然でしょう…あの人が、盗賊になど屈するはずがない)
奉行の妻女らしく、気高い信条を夫と共にする雪絵は心の中で言い放った。
だが、その一方で愛する夫に一刻も早く救出してほしい、そんな淡い願いも抱かずにいられない。
そんな彼女の願いを踏みにじるように桔梗が嘲笑する。
「いいことを教えてあげようかい、奥方様? あんたがここで受けた仕打ちは事細かに書状にしてお奉行のもとへお知らせしてるんだよ! しかも、毒蝮一派には立派な絵師もいてねぇ… 由緒正しいお家柄の美しい雪絵さまが我ら盗賊に生け捕られ、憐れ淫らな責め折檻の餌食におなりになって、愛する夫君の助けを待ちわびいる絵図を合わせてお届けしているって寸法さ!」
残忍に笑う桔梗のそばで、興奮しきった様子で絵筆をとる初老の男がにやついている。
雪絵はまたしても、直ちに舌を噛み切り命を絶ってしまいたい衝動に駆られた。
昨日かどわかしにあって以降、ここで自分が盗賊たちから受けた仕打ちを事細かに記され、それを忠相に読まれる…。
いや、忠相にとどまらず、友人の伊織や千春、配下の者たちに見聞きされようものならば…。
己の武家娘としての誇りは無論、忠相の妻として申し訳が立たぬ、つくづく無様に敵の手中に堕ちた自分が憎らしい雪絵だった。
しかし、一糸まとわぬ素っ裸であられもない座蔵緊縛を受け、女陰にはご神体まで戴いた身にはどんな虚勢を張ろうと虚しいだけだ。
目の前にいる桔梗という残忍な拷問者の責め苦をいかにして耐えるか、それ以外の道は残されていない。
「いいだろう、お奉行がその気なら、こっちは雪絵さまへの責め苦をより厳しくするだけだ! 準備にかかりな!」
再び、桔梗の威勢の良い声が座敷牢に響く。 


大岡越前外伝 恋女房の謀略 雪絵散華!!その5

第5章

しゅっしゅっお縄をさばく音とともに、雪絵の肉体が首尾よく亀甲縛りでまとめあげられてゆく。
後ろ小手に縛られ、上乳と下乳を縄を挟まれきつく締め上げられた瞬間、雪絵はああっと絶望にも似た喘ぎを漏らす。
「ふふふ、縛られた位で色っぽい声を出すんじゃないよッ 男たちが盛っちまうだろうが! さぁ、ここからが本番だ」
桔梗は項垂れる雪絵の貌をぐいと引き起こすと、首に新たに縄をかけ、その縄尻で引き締まった雪絵の腹部に菱形を描く。
徐に、再び項垂れた雪絵の貌を悪戯するかのように眺める。
「奥さん これがなんだかわかっている顏だねぇ お奉行の若奥様ともあろうお方も、なかなか…うふふ」
桔梗は縄尻にくくられているあるものを眺めてほくそ笑む。
それは木彫りの男根だ。
いわゆる張形だ。
根元に穴が売り抜かれ、縄の端から端を自由自在に動き回るその人工一物を愉しげに弄んでいたが、やがてそれを手に雪絵の女陰を見つめてにやけた。
「奥様は当分の間、あたし等に囚われの身っていうわけだ 愛するご亭主に可愛がってもらえない分、たっぷりと楽しんでいただこうっていう寸法でございます」
おどける桔梗の声に男衆が野次を飛ばす。
対照的に怒りに打ち震えながら雪絵は唇を震わせる。
縄の間の豊かな乳房も小刻みに揺れるさまが、盗賊の劣情をそそる。
「い、いいわッ あなた方がそのつもりならば、わたくしは地獄の鬼にも閻魔にでもなります 死んでもあなた方には屈しませぬ」
すました表情を無理に作り、健気にも盗賊たちの卑劣な責め苦に挑もうとする雪絵。
だがそれは勝ち目のない戦いの始まりでもあった。

吉本作左ヱ門のもとで実の令嬢以上に蝶よ花よと大切に、かつ品行方正に育てられた雪絵にとって、それは生まれて初めて味わう恥辱だった。
上半身の亀甲縛りは言うに及ばず。一糸まとわぬ裸である以上女陰も隠し立て仕様はない。そればかりか、むしろ淫心をそそるかのように、大またに開かれた太腿、そして白い脚は胡坐をかかされたように方足のふくらはぎの裏に、もう一方の足の甲を重ねられ固く縛められていた。
屈辱的な全裸胡坐縛りの仕打ちに、さすがの気丈な雪絵も綺麗な瞳に涙をにじませている。だが、奉行の恋女房が受けた仕打ちは、それにとどまらず。愛する忠相の立派なご神体以外は受け付けた経験のない、聖なる陰部には盗賊たちが多くの女を辱めることに用いたであろう張形を見事に頂戴していた。
控えめな無花果が引き裂かれた様に左右に押し広げられ、そこに食い込む無粋な黒々とした木製の一物は上身を縛った縄と繋がっている。
そのため、雪絵が屈辱に裸身を震わせるたびに振動が縄を伝い張形をより深く食い込ませ、敏感な花びらを嬲る結果となる。
「お、おのれ…毒蝮一派… この恥辱末代まで忘れぬッ」
涼しげな瞳に憤怒の色を湛えた雪絵に残された道は、自害―――。
舌を噛むことだけだ。武家の妻女として、何よりも奉行の妻として誇りを穢されることは何にもまして耐え難いことだ。
しかし、そんな彼女の一縷の‘望’も敢え無く打ち砕かれることとなる。
「おおっとぉ、死なれちゃあ、責め折檻にならないんだよ! このくらいで舌を噛まれちゃあ、困る うちの亭主はこの何倍もつらい拷問を受けたんだ 奉行の奥方のあんたにだって少しはその辛さを味わってもらうからね! さぁ、人質にはなくてならないものがある 猿轡だッ! 何をぼやぼやしてる 雪絵さまに猿轡を噛ませるんだよ!!」
桔梗は自害を試みた雪絵の動きを察し、小刀の柄をグイグイとその形の良い口に捻じ込む。無念そうな喘ぎを漏らす雪絵。
「あふん、むはあぁぁ~~~」
黒い布をぎりぎりとねじりながら迫る男を招き寄せると、雪絵の気品ある鼻穴に指を突っ込む。そして、刀をの柄を抜く。
「はぐぅ~~ッ」
呼吸の術を失った雪絵は大きくこしらえた布瘤を噛みこまされ、この屈辱から逃れる唯一の手段すら奪われ、悔しげに猿轡を噛み締めるのだった。

大岡越前外伝 恋女房の謀略 雪絵散華!!その4

第4章

そのころ、命からがら、役宅に戻ったおはなは、伊織や源次郎に事の次第を伝えた。
無論のことそれは忠相の耳にも届けられたが、名奉行は己の妻の危機を知っていた。
「忠相…雪絵さんが毒蝮の残党に」
「ああ…今さっき、奉行所に投げ文があった」
伊織の言葉に、青ざめた顔の忠相は投げ込まれた書状を差し出す。
『奥方は預かりし候 返してほしくば、毒蝮一派を無罪放免せよ なお、当方、何時までも雪絵さまのお命を保障するものではない 解放が確かめられぬまでは毒蝮流のありとあらゆる手段を用いて奥方様を責め苛む由にて候…』
伊織はかすれる声で読み上げた。
庶民からはびた一文盗まぬ、毒蝮一派だが敵対する組織やお上に対しては並々ならぬ敵意を燃やすことで知られていた。
残忍な仕打ちに命を落としたものも少なくはない。
愛する妻がその魔手に生け捕られたのだ。
忠相の心中は察するに余りある伊織だった。

まるで、悪代官に狙われた町娘の如く、藤色の着物を刀で切り裂かれ肌着の腰ひもを引かれた雪絵は、くるりくるりと回転する。
「ああッ、な、何をするのですッ! あぁッ」
はだけた肌着の前を隠そうとする雪絵だが背後から男の一人に捕まり、肩から白い最後の召し物をはぎ取られてしまう。
「け、汚らわしいッ 放して!」
武家の妻女の気高さで言い放つ言葉も、正面に立った男の厳しい平手打ちでかき消されてしまう。
肌着が床に堕ち、そして荒々しい男たちの手が下腹部の腰巻にも伸びる…。
かくして雪絵の肉体を匿うものは白足袋以外、何一つなくなった。
「ははは、こりゃあいい お奉行様の奥方が盗賊の前で裸一貫とはね」
「あなた方は…人間ではありませんわ」
わなわなと裸身を震わせて言い返す雪絵。
しかし、桔梗はそんな彼女を弄ぶかのような目つきで言い放つ。
「毒蝮一派の拷問は裸一貫でうけるもん、と相場が決まってるんだ なぁ~に悲しげな顔をしてるんだい 一度受けたら忘れられない毒蝮の桔梗の折檻を受けるなんて、あんた江戸一番の幸せ者だよ!」
桔梗は男に取り押さえられ、裸をさらす屈辱に唇を噛み締める雪絵の貌に、一本の麻縄を突き付けた。
それを目にした雪絵はハッとして羞恥心、恥辱感に顔を背けた。
なぜならばその縄には…。

大岡越前外伝 恋女房の謀略 雪絵散華!!その3

第3章

かどわかされた雪絵が味あわされたのは恐怖だけではない。
屈辱と無念の思い。
奉行の妻女を護送する籠は僅かな隙間から外の様子が垣間見える。
彼女の視界には見慣れた馴染みのある町が映り込む。
南町奉行所にほど近い番所には、村上源次郎が小者と茶を飲んでるではないか。
(あぁ…源次郎さん、助けて…)
縛められた手首を捩じり、唇の間の竹轡を音がするほど噛み締める。
だが、外界の人々には駕籠屋で運ばれているのが、大岡の令妻だとは夢にも思うはずはなく、ただの籠屋に扮した盗賊が担ぐそれを注視していたとしてもどこかの大店の奥方とでも察するのが関の山だろう。
愛する夫が篤く信頼を寄せる部下がすぐそばにいるというのに、助けすら求められない。
(あ、あぁ…この口枷さえなければ…)
竹轡を心底呪う、雪絵の凛とした大きな瞳から涙が一滴流れ落ちた。

毒蝮一派の隠れ家は意外にも遊郭の地下にあった。
遊女の責め折檻に使われる座敷牢に監禁された雪絵は、かどわかされたそのままの姿で牢の中に幽閉されていた。
(わたくしを、かどわかすには理由があるはず…思い当たる節はただ一つ…)
過酷な仕打ちを受けようと、そこは大岡忠相の妻だ。
自分を窮地に陥れた者たちの素性を冷静に考察していた。
武家の妻女は夫の務めの話に口を挟むことを良しとしない。
だが、忠相が配下の者たちを役宅に招き入れ、毒蝮一派についての談議を開いた際、耳にしたことを心で反芻していた。
(毒蝮一派には残党がいると忠相さまは仰っていた 今、忠相さまを狙う相手は他にはない)
結論を見出した時、座敷牢に降りてくる足音に雪絵は身を固くした。

雪絵の形の良い唇から竹轡が外され、口元から一筋の唾液が糸を引いた。
「どうです、雪絵さま? 虜の身になった御気分は」
水滴の滴る口枷をニヤリと一瞥した桔梗が、獲物を見据えるようなまなざしを送る。
「あなた方は毒蝮一派の残党…一体私をどうするつもり?」
縛られた身を捩りながら、キッと女頭目を睨み返す雪絵。
「私どもの素性をご存じとは話がはようござんす 雪絵奥様には大切な人質になっていただきます」
「わたくしを盾に、仲間を解放しろと主人に迫るのですね?」
聡明な雪絵は、桔梗の目的も察してた。
「ほほう、さすがは名奉行ご自慢の妻女…ご存じのとおり、私の亭主、毒蝮の侠次は、南町に捕えられかなりつらい折檻を受けましてね」
棄教は気の強い姉御の貌を幾分湿らせて話を続ける。
「どんなに厳しい責め苦を受けても、うちらのことを一言も漏らさず、お沙汰を待つ身だ…このまま、あの人を逝かせたらわたしゃ、毒蝮の女房の名が廃る…」
そんな侠気に満ちた桔梗の言葉を、雪絵は正義と正論に満ちた言葉で遮る。
「人の道に反した行いは償うのが当然でしてよ あなた方はそれに反したのだわ 毒蝮一派には大岡の厳しく正しいお沙汰が下るはず…」
理路整然とした雪絵の態度が癇に障った桔梗が声を荒げる
「粋がるんじゃないよッ!」
雪絵の白い頬が打ち鳴らされた。
「打ち据えたくば、するがいいわッ! わたくしをさらったところで、生かそうとも殺そうとも大岡の信念は変わりませぬ!」
雪絵も敵の女頭に負けじと、武家の妻女らしく凛とした気高い態度で応じる。
「ふ~~ん、そういう態度かい でもあんたという恋女房をかどわかされて、お奉行は正気でいられるかねぇ? 面白い、試してみようじゃないかッ お前たち、申し合わせた通り、事を運ぶんだよッ」
桔梗が威勢よく部下に命じた。



大岡越前外伝 恋女房の謀略 雪絵散華!!その2

第2章

大岡邸からほど近い、屋敷の塀の陰に蠢く複数の黒い人影。
「いいかい、生け捕りにするには手際が大事だ ぬかるんじゃないよッお前たち!!」
無粋な黒装束の男たちを率いるのは、なんと女だ。紫の頭巾をかぶった鋭い眼光を放つ女は、毒蝮一派の残党であり、その首領、侠次の妻、桔梗である。
彼女らが狙う相手は、夫を召捕り裁きにかけようと目論む大岡越前が妻、雪絵だ。
時の奉行、大岡の若い妻女をかどわかすという‘大仕事’に妖しい胸の高鳴りを抑えきれぬ様子の手下どもは声ならぬ声を立てて低く嗤う。
「しっ、来たよ! いいね、手筈を忘れるんじゃないよッ」
底知れぬ鋭さの中にも、気風の良い姉御を思わせる口調で獲物の接近を知らせた桔梗は、塀に沿った小道をしずしずと、それでいて奉行の妻らしい貫禄をもって歩を進める藤色の着物姿の麗女を睨む。


前後左右の四方から己の姿を射抜くような視線に、武家の名家育ちの聡明な雪絵がその不穏な気配を察せぬはずはなかった。
お付きの娘、おはなを背後に庇うと懐刀にそっと手を伸ばす。
「あなた方は何者です? わたくしが大岡忠相の妻、雪絵と知ってのことですか?」
凛とした口調で言い放つ雪絵。それに呼応するかのように飛び出す4人の男たち。
どれも、ただならぬ殺気と憎悪の目を向けている。
それぞれが腰のものを抜く。
「おはな、あなたは誰かに知らせに行って!」
「でも、奥様」
ためらう、おはなを守るように、短刀を居抜き、悪漢の太刀を受け止める雪絵。
非力にもかかわらず、体勢をかがめた彼女は相手の巨体を回転させ、さらに反対方向から人たちを喰らわそうとした男の刃を受け止める。
「さぁ、早く行くのですッ おはな!」
ギリギリと刀を押し込まれる辛さに、大きな瞳が細く歪む。
それでも、その美貌に降りかからんとする刃を交わし、キッと相手を睨む雪絵には悪漢たちが目を見張るほどの気高い輝きがある。
「武家の女房だからって何を手こずってるんだいッ!」
歯がゆい思いで見守っていた桔梗がついに姿を現した。それに鼓舞された男の一人が、胸元から秘具を取り出した。
それは、番所の小者が用いる捕り縄だ。
宙を舞う蛇のように投げつけられたそれは、短刀を握りしめる雪絵の右側の細い手首にくるくると巻き付き、締め上げる。
「あ、あぁッ…」
美貌をしかめやがて、手にしていた刀を恥面に落とした雪絵。
だがそれを拾う事もままならぬように、今度は左の手首にも縄が絡みつく。
そこは名だたる盗賊だ。
押し込みに入り、家人の動きを封じることなど茶飯事で、捕縛に立ち会った役人たちさえも逆にその縄目の恥を受けたことは数限りない。
ましてや、雪絵に些少の心得があるとはいえ、非力な若い女だ。
その気になった毒蝮一派に抗い様があろうはずもなく…。
手首をとられた雪絵は悔しそうに唇を噛み締めていたが、そんな仇敵の美妻をじわじわと追い詰める様に、縄を手繰り寄せていく悪漢2人。
やがて藤色の着物に包まれた雪絵の身体をしかと捕えると、荒々しく、粗暴な手つきで縄を打ってゆく。
「あッ、あぁ…、くッ、くうぅ…卑怯者…」
縄でか細くも成熟した女の肉体を締め上げられるたびに、慙愧の念に堪えない表情で喘ぎ悶える雪絵。
「ふふんッ、こりゃあ、良い様だねぇ 悪い奴らをとっかまえる親玉の女房が縄目の恥を受けるなんてさ! 名奉行に見せてやりたいくらいだよッ」
べらんめえ口調で、虜囚の屈辱を味わう雪絵の姿を子気味よく眺めながら詰る桔梗。
「あぁ~~、あなた方は主人の…お、大岡の何に恨みがあるというのですぅ~~ッ」
半身を這い尽した荒縄の苦しみに顔をしかめる雪絵を残忍な笑みをもって見つめる桔梗。
「ふふふ、それは後ほど存分にお教えいたしますよ、雪絵さま!」
捕縛の完遂した身体を取り押さえらた雪絵は項垂れながら、桔梗の前に引き据えられる。その恥辱に満ちた美貌をしげしげと眺めるべく、白い顎に手をかけ引き上げる。
「さすがにお武家の若奥さまだねぇ、雪みたいにきれいな肌だ! おまけに、大岡忠相の妻とあっちゃあ、責める方も悪人冥利に尽きるってもんだよ その綺麗な貌がゆがみきるまで徹底的に可愛がってやるから覚悟してくださいよ!」
いつの間にやら、籠が用意されており、強引にその中に押し込められる雪絵。
「おおっと、忘れちゃあならない お運びする途中で声でも出されちゃあ、かなわないからね」
篭の中には竹の筒がぶら下がっている。
竹筒の両端には紐がついていた。
「さぁ、奥さま こいつをしっかりと噛んでいてくださいな」
雪絵の顎を女のものとは思えぬ力で鷲攫みにした桔梗は、形と血色のよい唇を押し広げると、その口角が形を歪めるほどに竹を押し付け、首の後ろで引き結んだ。
「ん、あぁ…」
虜囚となった大岡奉行の妻が悩ましげな吐息を漏らし、白い歯で青竹をカキッと噛みこんだことを確認すると満足げに籠の覆いを下ろした。
間髪入れず、動き出す籠の中で青竹の固い感触を舌で味わい、これから受けるであろう過酷な仕打ちに思いを致し、縄を打たれたその身を強張らせるのだった。   






大岡越前外伝 恋女房の謀略 雪絵散華!! その1

第1章

時は江戸の中期。
徳川吉宗公が享保の改革を実現しつつあった頃。
「あなた、お気を付けて行ってらっしゃいませ…」
気品あふれる武家の御妻女、大岡雪絵は言葉少なに項を下げると愛する夫の背を見送る。
「うむ…行ってくる」
彼女の夫とは将軍吉宗のとりもちで三年前に祝言を上げた大岡忠相であり、名奉行大岡越前だ。
忠相は妻から受け取った二本の刀を腰もとにさすと、ふと思い出したように言葉をつないだ。
「雪絵…今日は、父上の屋敷にあがる予定であったな?」
忠相の父、忠高は四男の嫁である聡明な雪絵がことさら可愛いらしく、月一度の茶会を催す際には必ず呼び寄せる。
雪絵の生ける華に見惚れる者が後を絶たぬためだ。
忠相にはやや迷惑な話ではあったが、それが、愛する夫の父君を慕う雪絵には嬉しい。
「はい、昼の八つに伺います…」
「そうか…いやなにという事はないのだ だが、外出にはくれぐれも注意するように」
「はい」
武家の妻は多言を良しとしない。
だが、面長で端正な夫の顏を見つめるだけで、以心伝心、夫唱婦随の雪絵は忠相の絆を確かめられるのだ。
忠相も妻の凛とした瞳と色白の美貌をやや名残惜しそうに見つめると、再び踵を返し門前に向かう。
(どうなさったのかしら…いつもとご様子が違う)
雪絵は忠相の微笑みの中にも、何か晴れぬ思いがあることを察していた。
(やはりあのことかしら?)
雪絵が思いを致すのは、一月ほど前に捕縛された「毒蝮の侠次」一派の事である。
日本橋界隈の高利貸しや大店に次々と押し込み、何万両の金子を強奪し続けた稀代の盗賊一味だ。
二十数件にも及ぶ悪事を働いた末、忠相の名采配によって囚われたのは侠次以下一五名。
通例に倣えば侠次以下、首謀者は磔獄門のお沙汰が下ることは妥当と思われる。
だが、彼らが他の強盗と異なるのは貧しきものからは決して盗らず、いずれも庶民を虐げる敵と目される者たちから金品を奪い取ったことだ。
そのため、彼らを英雄視する人々が現れたのも当然のことだった。
名奉行と名高い、忠相がどんな裁きを下すのか、江戸市中万民の注視に曝されているといっても過言ではなかった。
裁きには情を欠いてはならぬ、かといって悪事は悪事。そんな信条を標榜する夫の葛藤は、恋女房には痛いほどに伝わってきた。







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