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Author:ベスト
ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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B’s DID 囚われの妻~17

第17章

車は意外な場所を疾走した。
目白坂下の交差点を折れて目白方面に向けて急な坂を登り始める。
そして間もなく大通りの喧騒から隠れるように右に折れて素早く暗がりの駐車場に停車した。
僕はこの場所を知っていた。
白鳥が翼を広げたような美しいステンレス製の建築。
日本を代表する建築家が1960年代に設計したカソリック系の東京K教会マリア大聖堂だ。僕は建築にはまるで素人だが、造形美というものには興味があり、学生時代から都内の有名建築を眺めて歩く趣味があった。
ここは何度となく訪れている大好きな場所だった。
「本日は我が組織の女神はカソリックでね 大きな儀式を執り行う際はここを使う・・・」
Mr.Bは僕を促すと大聖堂を見上げる。
見ると周囲に停車した車からもタキシードと仮面をつけた男たちが大勢、それでいて音もなく車を降り入口へと滑りこんでいく。
「我々も行こうか・・・ US君これをつけてくれたまえ ここでは浮世の顔を隠すならわしだ」
Mr.Bはアルミ製の仮面を僕に手渡した。

室内に通された僕は驚いた。
通常世間に知られているマリア大聖堂には地下があり、まるで秘密の舞踏会でも催されるような妖しい、それでいて厳かなムードが漂っていた。
やがてどこからともなく皆と同様に仮面をつけた白髪の男がマイクの前に立った。
「今夜はようこそおいで下さいました 本日も皆様の至福の出会いをご紹介できますことを喜ばしく想います」
短い挨拶だが、「至福の出会い」という事情を知る者にはたまらなく刺激的な言葉がちりばめられている。
「さあ、お楽しみだよUS君 誰が出てくるかな」
Mr.Bは仮面の下で囁くように言った。
教会の天井からカラカラという音とともに十字架がおろされてきた。
そしてそこに架けられた一人の美女。
十字架に変えられた女は力なく項垂れている
。顔には仮面をつけられて表情はうかがいしれない。
純白のパーティドレスの胸元は大きく割れて大きな乳房が露わだ。
やがて、先ほどの視界の男が磔刑の女に歩み寄り仮面を静かに外す。
その女は僕には見覚えがあった。
むろん知り合いなどではない。
それでも僕は眼をみはった。
何年か前まで何度となく夜のニュースで目にした顔。
滝川クリスタルだった。
僕は目の前の事実に信じられない思いだった。
口には鉄枷がはめられ通常であれば苦しくてたまらないであろう彼女だが、どこか恍惚の表情を浮かべているように見える。
僕はクリスタルの美しさと、まさに囚われている女の哀れな姿に心を奪われる。
周囲の参加者から嘆声が漏れる。
「本日の出品一人目でございます」
司会の男はこの目の前で晒されている美女が誰なのかあえて話さない。
それもこの組織の流儀なのだろうか。
「とくとこの美女の素性をご覧になって金額をお決めくださいますよう・・・」
Mr.Bの配下の女官らしき女2人が再び仮面をつけて現れ、クリスタルの両脇に立った。自由を奪い取られているクリスタルに何か耳打ちする一人の女官。
もう一人はクリスタルの髪をつかんで会場の男性たちにじっくりと品定めさせるように端正な顔を引き上げる。
プライドの高いことで知られる女子アナ達。
こんな目に遭わされれば、自由にならぬ身体を捩りながら普段のイメージをかなぐり捨てて騒ぎたてるのが普通だ。
しかし、クリスタルはされるがまま・・・。
それどころか瞳を熱っぽく蕩ける様に瞬かせ、白い肌を紅くほてらせている。
ドレスの下では大きな丘の上にピンとそそり立つ2つのつぼみ。
Mr.Bが絡んでいるということはクリスタルのブラは取り去られているだろう。
やがて、女官の一人がクリスタルの首の後ろに手をまわし、鉄枷の結び目を解く。
やがて鉄枷がクリスタルの口元から大量の唾液を引きながら抜き出された。
クリスタルは異様なまでに淫微な顔つきを浮かべ会場の人々の前で積年の念願がかなった、というような口調で言葉を発した。
「みぃッ、皆様ッ・・・ クリスタルでございます た、滝川クリスタルでございますッ ど、どうか・・・私の願望をッ 虜囚の轡を噛ませて下さる御方に…身受けをお願いいたします・・・」
 あまりに妖艶なその顔つき、そしてニュース番組ではとても耳にできないほど甘い声に僕は、いや、多分その場にいた男たちはみなアソコがコチコチだっただろう。
 「皆様・・・本日のお品の魅力をとくとご覧のうえ、ご入札を…」
 司会の声とともにクリスタルのドレスの裾がまくられ、秘部までが公衆の面前にさらされる。
ショーツは無論、白い太腿までもぬるぬるに濡れそぼりアンダーヘアまでくっきりと浮かび上がっている。
観衆からため息が漏れた…。
 結局、クリスタルには3億円の値がつけられた。
とあるIT会社の社長がクリスタルを見受けすることになるようだ。
これから彼女はあのDID趣向を持った社長に飼いならされることになろう。
金のありあまる社長ならダイヤのちりばめられた鉄轡でも作成したやることだろうが…。一見、違法行為にしか見えない今夜の秘密の会だが、ドレサージュを受けたクリスタルも、そしてそれを欲する男たちもともに至福を味わうとしたらそれを否定する権利は僕にはない。
何にしても、あのクリスタルの切なさと歓喜の表情を目の当たりにしたことで僕はMr.Bの持論を否定することはできなくなっている。
DIDとは男女の幸福を追求するための行為なのか…。

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