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Author:ベスト
ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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ターゲットは梨園の若奥様~3

まるでドラマにでも出てくるような数人の黒覆面の男が俺の前を通り過ぎていく。
そして、着替えを終え、廊下に出てきた仁川四十郎を取り囲む。
そして、四十郎を背後から押さえつける男たち。
一人の手には鋭利な刃物が握られている。女性の悲鳴、飛び交う怒号。
ど、どうなってんだ!? 俺は目の前の出来事が把握できず立ち尽くすばかりだ。
これもMr.B率いる「ウチの会社」の仕業なのか?でも俺には何の指示もなかったぞ!?
四十郎を捕えている男は5人だ。
一人が四十郎の首筋に刃物を突き付けている。
「よ~~し、おっさん 大人しく歩けや!! 怖ええか!? んん? できの悪いクソガキを持った不幸を嘆けや!!」
Mr.Bが何を目的に小森麻美を拉致しようとしているかはわからない。
でもターゲットは四十郎ではないはずだ。
こいつらは四十郎を拉致しようとしている。
これは一体どういうことよぉ~~!?
そうこうしているとき俺の背後の控室のドアが開いた。
飛び出してきたのは艶やかな水色の着物姿の小森麻美!!麻美の表情は先ほどまでの表情とは打って変わってまるで女剣士のように凛々しい。
「お義父様!!」
麻美はためらうことなく捕えられた四十郎に駆け寄る。
その声はTVで聞く甘ったるい喋り方ではなく、シャキッとした才女のそれだ。
「こいつ、蟹蔵の嫁の麻美じゃねえか?」
「うっほ~~かわいいぜぇ~~」
四十郎を抑えつけていた2人を除く、3人が明らかに好奇の目で麻美に近づく。
しかし麻美は怯まない。次の瞬間、俺は息を呑んだ。
「はッ!!」
麻美は一人の男の手首をねじり上げると細身の体を反転させた。
油断もあったとはいえ、男は敢え無く一回転すると床に背中から叩きつけられた。
「こ、このあまぁ」
もう一人が麻美の背後から襲いかかる。
だが、肘打ちを相手の顎の下にたたきこむ。
「せやぁっ」
凛とした気合とともにうずくまる男の首筋に叩きこむ。
つ、強い…。まるで時代劇のくの一バリの強さ。
麻美はさらにもう一人もなんと背負い投げの格好で投げ飛ばすと俺を向き直った。
「義父を助けて!!お願いします!!」
俺は麻美を拉致するのが使命のはず。
でも、この可愛く強いアイドルから哀願されて嬉しくないはずはない。
正義観ぶった俺は四十郎に刃物を突きつける男に猛然と突進した。
男は不意をつかれて刃物を落とした。
「ひいぃ~~」
自由になった仁川四十郎は腰を抜かしながら、這うようにして逃げて行った。
息子の嫁と赤の他人に助けられながら、我が身可愛さ丸出しの人間国宝の姿に俺は呆れた。
が、今度は俺自身に災いが降りかかってきた。
「やってくれるじゃねえかッ!! てめえ!!」
背後から首筋につきつけらる冷たい感触。
俺は喧嘩は勿論、護身術の類などまるで身につけてはいない。
「警備員さん!!」
麻美が驚いた表情で俺に駆け寄ろうとする。
「おらぁ~~、麻美ィ 動くんじゃねえ」
「ひ、卑怯です・・・」
麻美は薄紅色の唇を噛む。
大きな瞳がつり上がる。以外に正義感の強い女のようだ。それにしても情けない。非力な(はずの)アイドルを脅すための人質に、曲がりなりにも男の俺が盾に取られているのだ。
「その人を放してください」
麻美が言い終わるや否や、その白い項に男のチョップが叩きつけられる。
「ううッ!!」
麻美の愛くるしい顔が苦痛にゆがんだ。
そしてゆっくりと床に崩れ落ちていく。
「こうなりゃあ、この女でもかまわねえ、連れて行け!!」
男たちは気を失いぐったりした麻美を抱き上げ連れ去ろうとする。
「や、やめろ」
ソレを止めようとした俺も後頭部に強い衝撃を受け意識を失った。
拉致する筈だった女と一緒に誘拐されてしまうとは。
いったいどうなってんだ・・・こりゃ?

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