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Author:ベスト
ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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高校時代の思い出 その3

第3章

裕子の屋敷は昔のままです。
二人は二階の裕子の部屋へ入りました。
あの事件のとき、裕子が二十面相の手下に縛られて猿轡を噛まされて椅子に縛り付けられていた部屋です。
助けに入った私も縛り上げられて裕子は一味にさらわれる直前に明智小五郎や警官隊に助けられたのでした。
あのときと比べると机と椅子は一回り大きなものにかわっています。
そして、本棚には、若草物語や、小公女、家なき子、女学生の友といった女の子向けの本の他に、少年探偵団シリーズが全巻そろって並べてあります。
「へえー、裕子ちゃん、少年探偵団シリーズ全部持ってるんだ。女の子にしては珍しいね。」
「だって、健二さんや明智先生、小林さんたちの活躍がみんな載ってるんですもの。ねえ、この「狙われた少女」というのを見て。これ、私たちのあの事件のことが書かれているのよ。事件の一年あとに出版されたのよ。」
「ああ、それなら僕も買って読んだよ。あの事件のことがそのまま書かれているんだね。鼻猿好男という人が挿絵を描いていて、裕子ちゃんが縛られて猿轡されてるとこなんかきれいに描かれているけど、僕なんかはつけたしみたいに、いい加減乱雑に描かれていたもんな。いやになったよ。」
「そうだったかしら。でもあのことはもう思い出したくないわ。健二さんもそうでしょ。」
「そうだね、裕子ちゃんは怖い目にあったんだから、思い出したくないよね。でも、僕は実を言うとそうでもないんだ。こんなものも持ってきたし。」
私はバッグからさっき襷にして使った白い紐を取り出しました。
「あら、それなあに。それを何に使うの。」
「これかい、これはさっき僕が使ってた襷だよ。今からこれで裕子ちゃんを縛ってやろうと思ってるんだ。今から俺は悪者になってやる。おい、お嬢ちゃんおとなしくしな。」私は片手に紐を持ってもう一方の手で裕子を捕まえに行きます。
「どうして健二さん、私縛られるのいや。やめて、やめてください。健二さんお願い。やめて。」
「ふふふ、裕子おとなしくするんだ。いい子だからね。」
私は裕子の左の手首をつかむと、後ろに捩じ上げて壁に裕子を押し付けます。
右手も背後に捩じ上げて両手を重ね合わせて紐で縛り上げます。
そして、残った紐を胸の上下に一巻きづつ回して背後で両手首を縛ったところに結び付けて高手小手に縛ってしまいます。
PB280020.jpg

いや、いや、健二さんほどいて、どうして裕子をいじめるの。やめて健二さんなんか大嫌い。助けて。お願いほどいて。」
「大きな声をだすんじゃないよ。ようし、こうなったらさっき絞めてたこの鉢巻で猿轡も噛ましてやる。ほらこのハンカチを口にくわえてな。」
私は裕子の口に無理矢理ハンカチを押し込んでやります。
「猿轡なんてしないで、いやいや、ああ、くくう。」
ハンカチを押し込んだ後、私は裕子の口の上から百発百中の手拭いで猿轡を噛ませます。
字が書いてある方を裏にしてあるので、真っ白な猿轡になりました。
裕子は私のほうを見て呻き声をあげます。「ううう、くく、ううう。」猿轡のために何を言っているのかはっきりとはわかりませんが、「健二さん、嫌い。ほどいて。」と言っているようです。

PB280021.jpg

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