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ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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怪兵と亜美 その9

第9章

そんな私の気持ちの中まで、亜美はお見通しだったと思います。
彼女は自分の美しさに戸惑う男と会話をすることに慣れっこだったはずです。
余裕で、料理を口に運びながら妖しい視線を向けてくるのです。
「クスクス、もちろん当てずっぽうですわ。・・・・・でも、怪兵さんの文章の句読点には特徴がありますわ。ご自身は、お気づきじゃないでしょうけど。・・・・・・・それとDID専門のブログの中に、稀に政治や経済のことをお書きになるわ。そのスタンスが社内報の社長の思想にそっくりなんですもの。・・・・・・でも、一番は、怪兵さんの眼ですわ」
「眼?????」
「ええ、女性を見るときの眼。女性の背中を見る眼ですわ。背中にブラが透けていないかいつも観察されていますもの。・・・・・それに、綺麗な女性を見るときに「この口に猿轡を噛ませたらどんな顔だろう?」と思い描きながらお話してあるのが、手に取るようにわかりますわ」
「・・・・・・・・・・・{絶句}・・・・・・・・そんな・・・・・」
「ふふふ。冗談よ、・・・クスクス・・・・まさか、そんなことまでわかりませんわ。・・・・・案外怪兵さん、可愛いのね。・・・・・でも、会おうとよく決心なさいましたわね。」
可愛いと言われ、途端にドギマギしてしまいました。
自分でも顔が赤らんでいるのがわかります。
その上、心の中まで完全に読まれているようです。
でも、本当に彼女は他人の心が読めるのかもしれない!と思わせる独特の雰囲気があるのです。
その美貌と同じで、特殊な読心術を身に着けているような気がするのです。
この時、初めて彼女は笑みを浮かべました。
それはもう、この世のものとは思えないほどの美しい笑顔でした。
その上、話し方がとても洗練されていて、以前はまったく違う職業だったはずだと感じもしました。
メールの時感じた印象通りです。
インテリジェンスに溢れ、かなりの高い教養を持った女性のようです。

「ふふっふ、・・・・・・・クスクス・・・・・・・・・ふふふふ」
そしてまた、謎の微笑を浮かべ、私の眼を見つめ返すのです。
野暮な私でも、{あなたに気があるのよ!って言ってるのがわからないの?}と言っているのがわかります。
私は、亜美のその眼を見た瞬間、全身に電気が走ったような気がしました。
もう、まるで催眠術にあったように彼女に魂のすべてを吸い取られたように虜になっていったのです。

世の中のすべてを悟ったような、静かな深みのある眼差し。
とても20代の女性が持つ眼ではありません。
一体どんな人生を歩んだ女性なのだろうと思う眼差しなのです。
彼女より綺麗な顔立ちの女性は世界中を探せば居るかもしれません。
でも、亜美ほど深い憂いを湛えた謎めいた雰囲気を持った美女はいない気がします。
そんな美女が私を誘っているのです。

彼女は、それから上目使いに私を見返し、{怪兵さんと私は同じ趣向があるからですよ。だから何もかもわかるのよ}と言っているように見えるのです。

「私、怪兵さんのブログは、全部、読んでいますわ。それも何回も何回も・・・・・・・毎日家に帰ってパソコンを開いて「壺中天有り」を読むのが楽しみなんですの。物語をすべて暗記するくらいですわ。・・・やっと自分のことを解って下さる方に、あのブログを読んで巡り合えた気がしましたもの。」
「・・・・・そ、それは・・・本当なのかい?・・・・・」
「ええ、もちろんよ。まるで私自身がされたいことの裏返しを男性目線で怪兵さんが、書いてらっしゃるわ。読み返すたびに・・・・・クスクス。ですから、苦労して社長のことをお探ししたのですわよ。・・・これ以上、女に言わせるおつもりかしら?ふふふ」
やっぱり、偶然ではなく探し求めて会社に来たのだ。
そこまでして私に会いたがった??
世の中にこんなうまい話があるはずはないとお思いでしょう。
でも、彼女が私を見る眼には、訴えるようなものがありました。

でも、この日から、亜美との不思議な『交際』が始まったのです。


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