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ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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怪兵と亜美 その16

第16章

それからです。
亜美と恋人としての交際が始まったのは。
日本中の誰もが、私たちは恋人同士ですと言っても信じてくれないはずです。
それくらい私たち二人の外見は釣合いが取れていませんし、年齢も20歳くらい離れています。
親子かあるいは、成金オヤジが金で銀座の一流クラブのホステスを連れまわしている構図です。
でも、私はきっと成金オヤジにも見えないことでしょう。
頼りなさげな零細企業のオヤジです。
でも身形は亜美のおかげでだいぶ小奇麗な垢抜けした服装になった気がしています。
亜美自身、抜群のファッションセンスの持ち主であることは間違いありません。
奇抜と思える色使いさえ、彼女が装うと不思議とエレガントに見えるのです。
そして何より、彼女は昔々のオールドファッションでも呼ぶべき衣装を着こなすのが大好きな女性でした。
1940年代から1960年代のハリウッド映画の中に出てきそうな古めかしいファッションを自分なりアレンジして着こなすのです。
映画に疎い私ですら、昔々学生時代に見た名作の中に出てくる有名女優がこんなファッションしていたよな!と感じるほどです。
小顔でエレガントな顔立ちの亜美が、まるでイングリット・バーグマンやグレース・ケリーにタブって見えるほどです。
実際、亜美の顔立ちは西洋人の血が混じっているかのように彫が深く、髪を綺麗にセットしてお洒落なスカーフや帽子をかぶると、セピア色の映画のヒロインのように映えるのです。
中々普通の女性では着こなせないファッションです。
街を歩けばいろんな人間が振り向き亜美を見詰めます。
沢山の老若男女が、息を飲むような、スクリーンの中のヒロインを見詰めるような眼差しで亜美を眺めるのです。
亜美の姿はとんでもなく美しくエレガントです。
本当に絵になります。
そんな絶世の美女を連れて、毎日のようにデートを重ねました。

亜美は、本当に私以外に、恋人はいないようでした。
私と一緒に居るとき、亜美は明らかに幸せそうな表情を見せるのです。
そして、私の身の回りにも何も変わったことは起こりません。
彼女がどこの国の工作員である疑いは少しだけ晴れた気がしました(笑)
また、暴力団が裏に居る美人局ではないのか?という疑いも無さそうです(笑)
でも、何の為に彼女は醜く変装してパートタイムの仕事を続けるのか?
この疑問だけはとうとう解けませんでしたし、彼女も話そうとしません。

色んな彼女への疑問を感じながらも、私は、交際することで完全に舞い上がりました、
そして、気の早い私は、完全に舞い上がり、思い切って亜美にプロポーズしました。
結婚して欲しいと!
しかし、答えはあっけなくNOでした。
縛られたくないと。
もちろんDIDプレイで縛られるのは大好きだが、生活は縛られたくないと。
でも、私のことは大好きで、絶対に離れたくない、ずっと傍に居たいというのです。
『一生恋人で居たい。』
『一緒に暮らしたい。』
『毎日毎夜私とプレイしたいと。』
『だけど結婚という縛りは嫌だと。』

私は、あの時以来、初めて他人に隠し財産のことも話しました。
ついに中国で助けた老婆のリン・チーリンさんとの約束を破ったのです。

絵を売ってもらった10億はほとんど手付かずに9億以上は残っています。
その財産をちらつかせ女心を奪おうとする姑息な手段を使ったのです。
結婚したら、このお金はすべて亜美、君のものだとも言いました。
でも、彼女は微笑を浮かべただけです。
まるで、最初から私が9億のお金を隠し持っているのも知っていたのか?
そう疑ってしまうほどです。
9億のお金になど何の興味がないとでも言いたげな表情にも見えました。
彼女が9億のことを事前に知っていたのかどうかは不明のままですが、彼女は9億のお金の存在を聞いてもまったく動揺の素振りすら見せませんでした。
穿った見方をすれば、彼女は過去にその何倍もの金を動かすビジネスをしていたのかと思わせる気振りなのです。

そして、その代わり、彼女はその何分の一を貸してほしいと言ったのです。
「私、実はその日の食事にも事欠くほど今はお金がないの。でも必ず怪兵に借りたお金は返すわ。そうね、5億ほど貸して下さらない?半年、ううん、3か月でいいわ」
亜美は、その金で、絵を買いたいと言い出したのです。
どうしても手掛けたい絵がある。そのお金が今まではなかった。
その絵を手掛けてみたい。
画商を始めたいというのです。
絵の目利きには自信があると。

私は、度量の大きさと亜美への愛情を示す意味を込めて、残っていた9億以上の有り金すべてを貸すと申し入れました。
「この金は、亜美、君にすべて任せるよ。なあに無くなっても構わない。・・・・本当に未練なんかないんだ。」
正直お金という物は、お金の使い方を知る人間にのみ有効なものであって、使い方も知らない愚物にとっては何の意味もないものなのです。

私は、正直亜美になら、騙されてもかまわないと本心で思っていました。
人生でこんな素敵な時間を貰ったのです。
『騙されるのが、女遊び。女に後れをとってこそ、男として一人前』
こんな名言を思い返していました。
もう自分の命運すべてを亜美に捧げるつもりでした。
亜美は、こうして画商を始めたのです。
こうなることまですべてお見通しだったのかも知れません。
亜美の態度を見ていると本当にそんな風に感じました。
そして、彼女は商売の天才でした。

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