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ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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ギャグフェイスコレクション外伝 洋助の回想録 我が愛しの百合子嬢篇

第6章

冴えない中年社員の俺とデートするはずだった可愛い囚われの女社長は私服の黒革製のハーフコートは足元に脱ぎ捨てられ、白い薄手の胸元の開いたセーターと、これまた黒のミニスカ。
それに生足にブーツだ。
上品さと微かなギャルっぽさのあいまったそのスタイルは、ほとんどの漢を参らせる美女らしいいでたち。
そんな恰好の彼女が後ろ手に縛めを受け、そのスラ―ッとモデル張りに長く艶めかしいブーツを履いた美脚を足首のところで、これまた厳しく縛られている。
後ろ手に縛られていなければ、贅肉がそぎ落とされた引き締まった背中にセーター越しにブラジャーの形がくっきり浮かび上がっているはずだ。
彼女は聡明で活発な性格だ。
何とか手首を返して、縄をほどこうとしている様子だが、男たちの緊縛は半端な力ではないらしく、結び目は解けないし緩まないようだ。
「んん・・・んん・・・、んッ・・・」
身悶えるたびに穢い手拭の猿轡の下でくぐもった喘ぎを文字得つつ、衣服やブーツに食い込み擦れる縄の音が微かに俺の鼓膜を打つ。
お姫様が囚われの身になって縛られて猿轡で口を割られ監禁され、助けを待つ。

文字通りドラマのような展開。
だがチキンな俺は、恐怖で足がすくんで狭いロッカーの中で震えるばかり・・・。
(今何時ころだろう? このまま朝まで手をこまねいていたら、百合子嬢はマジでアブナイ!)
勇気を振り絞り、錆臭いドアを内側から蹴破り颯爽とヒーロー登場、と行きたいところだが、部屋の鍵が開けられる音がした。

「よぉ、囚われのお姫さん、ご気分はいかがかなぁ〜〜?」
平田は先輩のいないこの場で、妙に尊大な様子で百合子嬢を見下ろす。
そして、微かに悔しさを滲ます瞳を見返す次期社長の傍らにしゃがみこんだ。
「へっへっへ、最高だねぇ、そういう貌。もっと俺を憎めよ、蔑めよ、口惜しかったら抵抗してみろよ、ええ?俺のパンツの味はどうだい!」
平田は百合子嬢の顎に手をかけ、心底愉しげに言う。
「本当なら、その名門大学を首席で卒業したっていう頭の良さで俺を言い負かすんだろうけど、それもできねえもんなぁ」
高校中退で前社長のコネで入社したらしい問題児の平田は、普段なら時間を共にするだけで劣等感に苛まれるであろう女性を力で屈服させた満足感で一杯の様子だ。
「俺さぁ、女は好きだけど、あんたみたいに育ちが良い奴って苦手なんだよねぇ。ご先祖様は明治維新のお偉いさんなんだって? 時代は変わっても世の中を牛耳る奴は、代わんないんだねぇ」
日頃、抱いている鬱屈した感情をこの可愛い女社長にぶつけて喜んでいる様子が見て取れた。
「うちの大久保さん、あれマジキチだぜ、マジであんたを殺っちまうつもりだ。あの人会社に命賭けてたし、おまけに会津の出身でさ、あんたみたいな幕末の英雄の末裔嫌いだから・・・きっと本気で殺るぜ」
百合子嬢は『やれるものならばやってごらんなさい』という険しい表情で、グッと平田を見返している。彼女も命がけで我が社を買収しに来たのだ、と俺は確信した。

平田はそんな百合子社長の真摯な瞳の輝きに耐え切れぬように、目を背ける。
だがすぐに可愛い生け捕りにした姫様が持つ、なかなかお目に掛かれぬ高貴な女の匂いを嗅ぎつけた様子で、縛めを受け、逃げることも抵抗することも、無論声を出すことも阻まれる彼女を愉しむように追い詰める。
「ラフな格好しているようで、やっぱあんたイイ女だよなぁ。上品ぶってる態度も様になるぜ。一度くらいデートしてもらいてぇと思ってたよ」
平田は百合子社長の猿轡顔をとっくりと愉しむように眺め、その顎を攫んだ手をじりじりと首筋にずらす。
「大学はテレ東の大橋未歩や、歌舞伎役者のとこ行った女子アナと同じなんだろ。道理でセレブ臭がプンプンするぜ。どこだかのヒルズに住まいですか? 俺たち庶民を見下ろして飲む酒はさぞかしうめぇんだろうなぁ」
劣等感を思いつくままに口にしつつ、緊縛されそのスレンダーな肉体に密着するハーフコートをはだけさせ、セーターの襟元に手をかける。
百合子嬢の咎める視線を愉しむように・・・。
「ンンッ、ンンン・・・いひゃァ・・・・むうぇてぇ・・・」
いや、止めて、という言葉が、噛みこまされた猿轡の瘤の下で歪んだ肉声に代わる。逢えて身悶える百合子嬢の抵抗を強引に止めず、その様子をせせら笑う平田。
暴徒と化した男は、どんな悪魔より恐ろしいのかもしれない。


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