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ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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ギャグフェイスコレクション外伝 洋助の回想録 我が愛しの百合子嬢篇

第9章

「大久保工場長、成宮百合子が逃げようとしていたので捕まえました」
「おお!? 宇佐美、お前どうしてこんな時間に社にいるんだ!?」
一階事務室にいた大久保たちは、突如可愛い女捕虜同伴で姿を見せた俺に目を白黒させる。
確かに、残業をほとんどしない俺が朝方近くなった今、ここにいるのは不自然すぎる。
「あ、ああ、ええ、あの…印刷室で残業してたら、寝ちゃいまして…。それで帰ろうと職員通用口に行ったら、この女が縛られたまま逃げようとしていたので捕まえました。
「そうか、そうだったのか・・・」
以外にもあっさり納得した様子の大久保は、俺の弁明を追求することなく、納得した。
おまけに今までにないほど、俺に親近感を覚えた様子で、チェンジから送り込まれたハイエナ姫抹殺のクーデター計画全容まで打ち明けたのだ。
「それにしても平田の奴どこ行っちまったんだ?」
大久保たちは口々に平田の失踪を怪しんでいる。
「なら、工場長、この女を奥多摩の投棄場まで護送するのは俺にさせてください。俺も、皆さんと一緒に自決するつもりで頑張ります。罪は一緒です。ムショに行くときは一緒ですよ!!」
俺は何時になく調子を合わせ、奴らに取入るふりをした。
団塊世代はこの手の言葉に弱い。早く朝になれ。
そうすれば、俺は自分の車に百合子嬢を乗せてこの殺人集団の巣窟からオサラバし、愛の大脱走劇のヒーローになれるのだから! 俺の願いが通じたのか、間もなく室内にも朝の光が差し込んでくるのが分かった。
大久保はあっけなく俺を信用すると、百合子嬢を処刑場に連行するという大役を任せてくれた。
こうも単純に引っかかると多少の良心の呵責は感じるが、こっちは、計画がばれれば、俺は八つ裂きにされるだろうし、何よりこの可愛い女社長の命はないのだ。なんとしても脱出せねば。
「じゃあ、宇佐美。頼んだぞ、現地で落ち合おうや。まぁ、道中気をつけてな。」

大久保の言葉に深く頷いた俺は、百合子嬢を縛った縄尻を握りしめ、職員通用口に向かう。

俺はキーを挿したままの中古のトヨタ車の助手席のドアを開け、愛すべき助手を座らせ、俺は運転席に身を沈める。
そして、すぐさま、百合子社長の猿轡を張須してあげた。
ホントは外したくなかったが。だってそれくらい、我が女社長の美貌は猿轡が似合うんだから。微かに、その轡を吐き出す時の甘い吐息に勃然としつつ、俺は声を殺して笑う。
「や、やりましたね、百合子社長!」
「ふふふ、そうですね。さっすが、宇佐美さん」
後ろ手の縛めを解く。
衣服の乱れを直す間に、黒革のハーフコートを肩から優しくかけてあげると、我が新社長も笑顔を輝かす。

だがそれも束の間、俺は背後から何かを突き付けられた。
冷たーい感触のする異物。それはモデルガン、いやホンモノの銃かもしれない。そしてそれを握りしめるのはなんと平田!!
「お、お前、なんでここにッ!?」
「へへへ、お前が深夜まで残業なんてするわけねーだろーが!! 工場長だってとっくに気が付いてたんだよ、お前がこのお姫さんにぞっこんで、飼い犬になっているって事くらい。たぶんどっかで現れるって踏んでいたんだ」
平田は俺が百合子嬢を連行した時には、既に入れ替わりで助け出されていたのかもしれない。
あるいは俺の車が駐車場に残っていることに不信を抱いて、俺の事をマークしていたのかも・・・。
車のキーを挿しっぱなしにしていたのは不覚だった。
まさか自分の車を運転しながら、処刑場へとデートすることとなるとは・・・。




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