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ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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老・女盗賊の悲劇

2章

その晩、時計の針が零時を過ぎたとき、突然、屋敷内すべての警報センサーが停止した。
どんなトリックかわからない。
でも、彼女は来る。
そして、高い塀を乗り越える黒い影があった。

「パープルキャット」は、この仕事を人生最後の仕事と考えていた。
若い頃と比べると身体のラインは随分変わった気がする。
芸能人として、精一杯ボディラインの維持に努めてきた。
それでも、贅肉が付いてきたのは否めない。
身軽ではなくなってきている。
それに、もう更年期が始まっているのだ。
いつまでも若くないことを実感していた。

今、21歳も年下のフランス人男性と交際していた。
恋人の心繋ぎとめていくには、お金しかないと思っていた。
お金の力で、20歳以上も年下の若い男性を囲い込むしかないと思っていた。
しかし、それに必要な十分すぎる資産を私は持っている。
名画の資産だけでも50億は下らない。
タレントとして稼いだ金も適当に溜まった。
夫も子供もいない自分には十分過ぎる金額である。

20代の頃から、数え切れない数の男とSEXしてきた。
その中には、有名なコメディアンも野球選手も数多く含まれていた。
ちょっと相手の眼を見詰めるだけで、どんな男性でも私に声を掛けてきた。
毎日男を代えても、男は次々の自分に言い寄ってきた。

でも40歳を過ぎた頃から、そんな生活を変えてみたくなったのだ。
もう今晩の仕事を最後に、日本を離れることを考えよう。
{キャスターの仕事も昨日の収録ですべて終わった。
芸能界も引退するのよ。
パリで30歳のカレと毎日楽しく暮らそう。
そのためのお金ならたっぷりあるわ。}

今日の裏窓怪兵の屋敷なんて、腋が甘いったらありゃしないわ。
こんな屋敷から絵を盗み出すことなど朝飯前よ。
それに、あの裏窓怪兵とかいう男のいやらしそうな目付き。
思い出しただけでも、ゾッとする。
以前TVでインタビューしたときから、生理的にあの男は気持ち悪いと感じていた。
今日も着物姿の私の傍で、鼻の下を伸ばしていやらしそうな目付きで嘗め回し、香水の匂いを嗅いでいたわ。
ふふふ。あの間抜けヅラが泣きべそかかせてやるわ。
頂く絵が盗まれたと知ったらどんな顔をするかしら。
吠え面を掻かせてやるわ。


玄関から侵入する。
どうせ中の人間はぐっすり眠っているはずだ。
ガス探知機は、しっかり家の中にガス濃度を示している。
1時間前に噴射したはずである。
もうガスマスク不要な時間である。
黒い覆面のまま、玄関の鍵穴にカギを入れた。
パーティで素早く鍵穴を調べていた。
懐中灯をかざして、屋敷の中に侵入する。
家人は裏窓怪兵だけのはずである。
あんな間抜けな男がどうしてこんなお屋敷に住めるのか理解出来ない。
セキュリティは完璧だから警備員は不要と豪語していた間抜け面が眼に浮かぶ。
馬鹿な男よね。学生時代から私の大ファンって言っていたわね。

ファンレターも随分書いたとか言っていたわね。
ファンレターなんて1通も読んだことはない。
全部読まずにゴミ箱に捨てた。
10坪近くある居間の真ん中にジョガールの絵は掛けたままになっている。
暗闇の懐中灯の先に絵が浮かび上がっている。
時価数十億の名画をこんなにあっさりと自宅の居間に飾るなんて、本当の馬鹿な男ね。
ふふふふ。
いただきよ!!
そう微笑んだとき、首筋に蚊が刺したような感覚が・・・・・・・。
次の瞬間、眩暈と同時に天上が揺れている感覚とともに、床に倒れこんだ。


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