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ここは、自分のこだわりを書き綴った場にしたいと思ってます。小説はすべて私の頭の中の妄想・空想を書き綴っています。


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「怪兵と亜美」第4弾

1章

その夜、亜美の家で庄次カノンの告白が始まったのです。
淡々と庄次が話す長い長い一方的な話が延々と続きます。
物語ではありません。1人の人間のおしゃべりですから、決して面白くありません(笑)
お暇な方のみどうかお付き合いください。
まったくヒネリのない話ですから。あしからず。


「フランスでイザベルさんの絵を描き終えた私は、追われる身と感じ、日本に帰国しました。監禁されていた時、彼女が特別な仕事の人間だとわかりました。直感的に追われると感じました。ですから、足が付かないように偽造パスポートを使った不法入国です。・・・・・・・、今の私には住民票もありません。日本には居ないはずの人間なのです。・・・・・・・東京で小さなアパートに住み、街角で観光人の似顔絵を描いて、食い繋ぎました。ルンペンみたいなもんです。・・・・もっともヨーロッパを放浪してた頃も似たような生活でしたから、不自由には感じなかったのですが、追われる身の恐怖だけはありました。今の出版社の仕事が出来るようになったのはつい最近のことです。
身を潜め、息を殺すようにして生きていました。イザベルの影がいつでも近くまで迫っているように感じて怖かったのです。・・・・・でも、元来のDID好き。マゾヒストという性癖には購えません。帰国してから1年ほどで、サディスティックな女性が集うSMクラブに通うようになったのです。そんなところで、足がつき、イザベルさんの手先に見つかるような恐怖もありましたが、この性癖はどうしても我慢出来ないのです(笑)・・・そして、その時、ある女性と再会しました。
私が二十歳前に知り合い、数年間パートナーだった女性と偶然再会したのです。
向こうもたまたまクラブに顔を出したと言ってました。名前を桔梗さんといいます。・・・
彼女は、ハードなS女性です。相手は男性、女性問いませんが、相手に厳しい責めをするのが大好きなのです。また逆に自分がされることは一切拒絶します。とにかく相手を厳しく縛り上げ猿轡を噛ませてから、嬲りつくすのです。若い頃、私は、毎日のように桔梗さんとプレーしてました。私のマゾの嗜好のほとんどは桔梗さんの影響を受けていると思ってます。」
「その桔梗さんって、今おいくつですか」
「ちょっと怪兵さん、話の腰を折らないで!!」
さっそく亜美が怪兵をたしなめます。
「はい、たしか、今現在は55歳くらいだと思います。でも、見た目は10歳くらい若く見えます。40歳半ばには絶対見えます。外見は小柄で柔和な感じの優しげな女性ですよ。・・・・桔梗さんというのは、本名ではありません。若い頃、博徒で賭場で花札を配っていて、二の腕に桔梗の彫り物をして、着物から二の腕を出して札を撒くことから、桔梗姐さんと呼ばれるようになったと聞きました。・・・・・再会した私たちは、すぐに昔のパートナーに戻ってしまったのです。とにかく、桔梗さんとは相性が抜群なんです。・・・・・
お互いがツボを瞬時でわかり会えるというか・・・嗜好がとにかくぴったりなんです。
一度のプレーで私たちは、20年前に戻ったような気持ちになりましたから。桔梗さんも心の底から私とのプレーを楽しんでいると感じました。
桔梗さんという女性は、以前は結婚していたのですが、当時、旦那は刑務所暮らし、再会した時は、一人暮らしでした。・・・・・月に2回から3回くらい、桔梗さんの家で、私たちはプレーするようになったのです。その後、旦那さんは、刑務所内で病死しました。誰に憚ることない未亡人になったのです。そしてすぐに、私は、月の半分くらいを彼女の家で過ごすようになったのです。内縁の夫ではありませんが、男性唯一のパートナーになったのです。・・・・実は、彼女の家は、都内に戸建なんです。高い塀に囲まれて、地下にガレージと地下室がある中々立派な家なんです。実は、彼女には表と裏の顔があるんです。」

「ねえ、庄次さん、その桔梗さんの写真ってないんですか?・・・亜美が腰折るな!って言うから言えなかったけど、どんな女性か見たいなあ・・・・」と怪兵。
「ああ、ありますよ。スマホの中に何枚か。桔梗さん、自分が写真取られるの凄く嫌ったから隠し撮りみたいなやつですけど。これですよ」
バーのような店の止まり木の向こうで笑いながら水割りを作る中年の女性の隠し撮り写真です。
小柄な感じの女性で、顔立ちが整っていて、若い頃は美人だったろうと思わせる女性です。
「ねえ、中々の美人でしょ?・・・・若い頃は、女優の石田りえさんみたいな感じで・・・外見も穏やかそうに見えますが、性格は相当にきつい女性なんです・・・・・桔梗さんは、新宿の裏通りの雑居ビルの5階で小さなバーを独りで営んでいます。地味で目立たないようにひっそりと。自宅とお店を毎日ただ行きかうような生活です。・・・・でも、再会して2年ほどお付き合いしたころ、私は、桔梗さんのもう一つの顔を知ることになったのです。」

私も亜美も令子さんも段々と庄次の話に聞き入るようになっていました。
庄次カノンは中々話術が上手いのです。
「桔梗さんの裏の顔とは、金で殺しを請け負う仕事人の元締めなんです。ドラマの必殺仕事人はご存知でしょう。もちろん、あんなのはテレビドラマの話ですが、江戸時代から江戸や大阪では、闇の元締めというのが地域毎に居て、・・・・だいだいは香具師とか博徒の親分だったようですが・・・・その元締めは「蔓(つる)」と呼ばれ、そこに人殺しを依頼すれば、実際、殺人の手を下す仕掛け人というのが相手を始末する。仕掛け人と依頼人は絶対に接点が無い。仕掛け人は、蔓が請け負った金額の半分を貰う。もちろん、「蔓」はいろんな調査を行い、この人間は殺すべき人間だ。法で裁けぬような悪人や人間の屑を処分する。そんな相手だけ殺しを請け負っていたらしいのです。・・・・そんな秘密の裏社会が江戸時代にありました。・・・・・・そして、明治の時代になると半ば政府が黙認する形で受け継がれ、社会に居ては困る存在を密かに処分する組織として、政治家や財閥、それから時には警察までもが、闇の組織を利用していたそうです。法廷に出すと面倒なことっていつの時代にもあるようで、当時の内務省も黙認していたようです。戦後になると、GHQもこの闇社会を重宝がり、ソ連の息がかかったようなスト扇動者なんかを頼んだこともあったようです。つまり、しっかりと組織は現代まで生き残ったのです。現在では、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡の六カ所に「幹」と呼ばれる大黒幕が居て、そこに依頼をかけると、仕事が昔からその地域に根付いている「蔓」に降り、さらには仕掛け人に依頼が降りてくる。もちろん「幹」と「蔓」の間にも連絡係がいるらしく、依頼者と実行者はいくつもの壁が出来て、お互いが知り合うことは絶対にないような仕組みになったそうです。・・・・・・・こんな組織が、平成の世の現代でも本当に残っているんです。
桔梗さんの旦那は「7代目白子屋菊右衛門」といい、戦後から新宿を縄張りにした「蔓」だったんです。こんな代紋が昔から受け継がれているんです。その稼ぎの遺産が、都内の1戸建のお屋敷です。羽振りがよかった頃があったようです。桔梗さんは、未亡人になっても1人の仕掛け人を引き取り、時々、仕事を請け負っていました。でも、私が、そんな裏社会のことを知るようになったのは、再会してから数年後のことです。私なら信用出来ると思われたようです。仲間に入れられ、私も段々と仕事の手伝いをするようになったのです。対象者のことを調べたり、仕掛け人の送迎とか。」
「・・・・・・」
庄次の話は巧みで、みんな話しに夢中になっています。






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