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幸せな結末・5章

第5章

千里を乗せた車は、箱根の芦ノ湖からしばらく走った山間部の細い道を登っていく。
そして、山間部の奥まった生垣のある別荘の玄関の前にワゴン車が停まった。
西の空を夕日が真赤に染めて、山奥の別荘辺りは黄昏が迫っていた。
ドアが開き、男が後ろ手に手錠をかけられた千里を車から降ろす。
千里も一度だけ社長の御供で来たことのある箱根の別荘で、周りの山々の景色にも見覚えがあった。
ログハウス風の別荘の中のベットの上に千里がポンと放りだされた。黒いパンプスも履いたままだ。
「さあ、逃げ出せないように縛りあげるんだよ、いいかい、手抜きなんかするんじゃないよ。腕が折れるくらいにキリキリに縛り上げるんだ。さっき社長室での縛りはありゃなんだい!、全然なってなかったよ。もっと腕をねじ上げて、きつく締め上げるんだよ、いいね。」
男2人が白いロープを持って千里に近づいてきた。
この黒服の男たちは、「大江戸組」の連中であり、拳銃を持った男の方が若頭で名前を上田寛という背の高い細面の男だ。3人の中のリーダーなのである。
ベットの上の千里は起き上がり、嫌々している。
もう一人の男が縛りに慣れた元緊縛師で、通称「辰」と呼ばれている。
「そんなに暴れちゃ、スカートの中が丸見えだぜ、お嬢さん。」
と言いながら、辰が強い力で千里を捕まえた。
ベッドの端に座らさせて、足首から縛る。
揃えた足首を交差させてから白いロープを巻きつける。
「綺麗な足してんだな、ねえちゃん。これだけ足首が引き締まったスケは滅多にいないぜ。これからは、自慢しなよ。まったくしゃぶりつきたくなるぜ。」
と言いながら3重にロープを巻くと縦縄を足首の間に噛ます。
タイトミニスカートからは本当に綺麗で長い足がスラリと見え、ベッドの端に座る際も、股間のパンチラに気を使い、斜め下に足を引くように座ったため、一層色っぽく長く綺麗に見えたのである。
「綺麗な足だぜ」と言いながら、辰が麗子の太ももの奥に手を入れ、スルリと撫でる。
千里が辰をキッと睨みつける。
辰はにやりと笑いながら、「さあ、立ちな!」と命じ、千里がベッドの傍に立たされた。
これから腕を縛るのである。
若頭の上田が手錠を外す。逃げられないと悟った千里は抵抗しようとはしない。
「おい、握り拳を作るんだよ。そうすりゃ少しは痛みが和らぐぜ」と辰が耳元で囁いた。
白いロープは千里の左の手首に噛まされると、手馴れた手付きで、右手首も合わされ、高手小手に縛り上げらていく。
時折、千里が痛みを堪えて顔をしかめる中、手際よく縛られたロープがスーツの上から、少し盛り上がったバストの下に通される。
アンダーバストに引っ掛けるように下胸縄が2重に噛まされ、続いて上胸部にも同じくロープが噛まされていく。
二の腕と腋の間の胸縄にも縦縄が両サイド噛まされ、首から降ろしたロープがバストの間の谷間を通過してから、乳房を締め上げるように縛り上げられた。
ここで辰が、由紀恵の方を振り返って、
「お嬢!、このスケの下の口には何噛ませるんでぇ?。何ならロープにコブ作って股縄噛ませましょうか?」
「そうだねえ、電動バイブ噛ませるのが私は好きなんだがねえ。どうしようかね?」
笑いながら由紀恵が返す。
すると、これまで黙って緊縛を見ていた村上が口を挟んできた。
「ちょっとそれは待って下さい。由紀恵さん。やっぱり最初は、スーツ姿のまま、着衣も乱れずに綺麗に縛られた高森君の艶姿を堪能させて下さいよ。いつも仕事中のキビキビした彼女のスーツ姿見て、このままの姿で思いっきり縛りあげてみたいって思ってたんですよ。服を脱がすのは、明日以降ゆっくりいいじゃないですか?」
室長の村上が、小娘の由紀恵に敬語を使い出した。
「ふん、まったくスケベ親爺の変なフェチ丸出しだねえ、まあいいや。縛りはそんなもんでいいわ。そこのデッキチェアに座らせな」
由紀恵が命じると、村上も手伝って千里をベットの傍の椅子に座らせた。
村上が厭らしい手付きで、千里の腰を抱えた。
「しかし、本当に細いウエストだね。折れてしましそうな柳腰とはよく言ったもんだ。」
「さあぁ、ゆっくり話を聞こうとするかね。おい辰、その女の猿轡外してやるんだよ」
由紀恵が辰に命じた。
千里の口に付けられていた透明のビニールテープが外された。
由紀恵が口の中から唾液でビチョビチョになったゴムボールを取り出した。
千里が取り出される時、少しむせた。
ボールからは千里の唾液が糸を引いている。
ゴクンと唾を飲み込んだ千里が、大きく息を吸い込んでから毅然とした顔で言い放ったのだ。
「例え殺されても何も喋らないわ。村上さん、あなた五代社長には随分お世話になってるはずよ。その社長を裏切ってどういうつもり?。サイテーの男ね。・・・・・・・」
話し出すうちに怒りが込み上げて来て、言葉に詰まった。
そして、「もう口も効かない、」と宣言するかのように唇を噛んで横を向いたのだ。
「相変わらず気の強いアマだぜ、全く。ねえ、お嬢、この小娘、裸にひん剥いて、締め上げましょうや。へへへへ。女には色々締め上げ方ってもんがありますぜ。」と若頭が言う。
「そうだね〜」と由紀恵が千里を見ながらにやりと笑った時だった。
「いや、それはまずいよ、由紀恵さん。玩具にして遊んでみたい気持ちは私にもわかるが、来週社長が帰国して、ここに連れ込むまでは大切な人質だし、とにかく副社長の判断を待つまでは、大人しくさせていなくては。間違っても、陵辱したりしては困るんだよ。・・
それよりも、万一舌なんか噛んだりはしないだろうねぇ、今頃の女性が会社や社長に義理立てして、まさかとは思うが、将来を悲観して思わずということもある。何せ一件落着の暁には、香港の苦界に身を沈めてもらって、2度と日本には帰ってこれないんだからね。
その代わり、随分高値で売れそうなんだよ。このクラスの上玉だと。」
別荘の周りはすでに夜の帳が降り、かなり暗くなっていた。


しかし、この時、後ろを尾行していた車が、別荘近くの空き地に停まり、一人の男が家の外から中の話を盗み聞きしているとは、誰も気付いていなかったのである。




















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